ぽあろの音楽旅日記
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2001年03月06日(火) |
第42回 チャイコフスキー 幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」 |
チャイコフスキーの「2大ロマンチック曲」、その2です。「フランチェスカ・ダ・リミニ」はダンテの「神曲」の一節で、ダンテが地獄で出会った「不倫カップル」の話です。したがって、どろどろしてます(笑)。 地獄の描写と、愛を語る場面の対比にひきつけられます。クラリネット・ソロで描かれていく愛の追想は、史上まれに見る名旋律。狂おしいほど美しく、切な過ぎるほど温かい。不倫の二人が墜ちていった地獄の中にあっても、愛は永遠なのでしょうか。 しかし追想は追想。二人が「夫」により殺されるシーンから地獄の描写へ戻ります。金管が荒々しく叫び、弦がきしむ。地獄の炎の中へ二人は消えてしまう。エンディング、怖い怖い同一和音をこれでもかと繰り返し、「そこに救済はない!」という終わり方をします。その点が「ロミジュリ」と対照的ですね。
☆バーンスタイン指揮 ニューヨーク・フィルハーモニック この手の曲はやはりこの人ですね(笑)。歌います、叫びます、わめきます(笑)。世界で最も美しい地獄絵巻、です。エンディングはゆっくりと、じわじわじわじわ、って感じ。 ☆マズア指揮 ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 おすすめCDとしては、実はこの盤よりデュトワ盤のほうなんです。デュトワ盤はそれはもう、キレイキレイなロマンティシズムで歌い上げています。一方、マズア盤はいわば「バーンスタイン風」。管のパワーでニューヨーク・フィルに負けちゃってるかな。でもマズア盤には聴き所が。ラスト、どんどん加速していく感じで同一和音を繰り返します。いわゆる「終わらへんで〜」です(笑)。これがしびれる!
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