ぽあろの音楽旅日記
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2001年02月25日(日) 第34回 ムソルグスキー 組曲「展覧会の絵」

 知名度の点では特に高い曲のひとつといってもいいでしょう。とはいえ、有名なのは冒頭で演奏される「プロムナード」の部分(曲中で何度か繰り返されます)だけで、他の部分を聴いて「あ、展覧会の絵だ」となるのは一部ファンに限られるような気がします。まあ、それは他の曲でもそうなのですが(笑)、この曲に関しては特にその熱の違いが極端ではないかと。
 ひとつの美術館をテーマに、いろいろな作品や、美術館そのものの光景を描いた作品です。有名な「プロムナード」は建物の中を絵を眺めながらゆっくり歩く作曲者そのものの描写といわれているようです。トランペットの響きが、美術館の落ち着いた雰囲気、気高い雰囲気を見事にあらわしていて、編曲者ラヴェルの魔術師ぶりが発揮されています。もとはピアノ曲、ラヴェルがオーケストラ版に仕上げたほうが有名です。
 僕が好きなのは最後の2曲「バーバ・ヤーガの小屋」〜「キエフの大門」です。どんな場面でも気品のある音に、なんとなく音楽家の、美術家へのジェラシーを感じでしまうんですよね。なんとなく。

☆カラヤン指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 このCDは持っていなくて、知人に借りて聴いただけなのですが、やはりこういう「イージー・リスニング寄り」の作品はカラヤンは聴かせ上手ですね。聴いててわくわくする感じを受けました。
☆デュトワ指揮 モントリオール交響楽団
 ラヴェルのオーケストレーションがかかっている以上、この人の出番です、僕にとっては。ひとつひとつの曲に、鮮やかに色が乗っかってるんです。最近デュトワ離れしつつある僕ですが、離れている理由である「キレイキレイ」さが、この曲ではむしろ必要不可欠なものになるんですね。
☆アシュケナージ(ピアノ)
 ピアノ版を試しに、と思って買ってみたんですが、いやいやピアノ版いいですよ。オケ版が、「各美術作品の額縁の中で踊っている」感じだとすれば、ピアノ版は「あくまでも鑑賞者の眼で」なんです。内面的にも深い曲なんだと感心することしきりでした。


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