ぽあろの音楽旅日記
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2001年02月15日(木) |
第24回 チャイコフスキー 弦楽セレナーデ |
「大編成のオーケストラでどっかんどっかんどっかん」が好みの僕にしては珍しく(笑)、管楽器の出番のない曲です。タイトルでわかるように、弦楽器だけで構成されています。第一楽章の序奏で奏でられる、切なさと美しさが同居する旋律は、最近では「オー人事、オー人事」のCMで使われていますね。この曲のファンとしては悲しい限りです(笑)。 全体を通して、優美さに満ち溢れています。でも先ほど述べたような「切なさ」や「憂い」というものがちらちらのぞいてくる。それも美しい形であらわれるんですね。第四楽章、最後のコーダで、冒頭の旋律が繰り返されます。ただ、最初と違い、どこか余裕が生まれているんです。そこが一番の聴きどころでしょうか。
☆ アントルモン指揮 ウイーン室内管弦楽団 アントルモンはピアニストとしてのほうが有名でしょうか。以前に彼のピアノでの、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第一番のCD(指揮はバーンスタイン様)を買ったこともあり、妙な親しみからこのCDを入手しました。演奏は感情の起伏を抑え目にした、上品な感じです。とても気に入っています。 ☆岩城宏之指揮 オーケストラ・アンサンブル金沢 日本初のプロ室内管(でよかったはず)、オーケストラ・アンサンブル金沢のデビュー盤だそうです。カップリングのモーツアルトの交響曲第四十番もすばらしいですが、弦楽セレナーデの演奏は突出していると思います。アントルモン盤に比べ、「軽やかさ」が前面に出ている印象です。
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