檸檬屋新宿

 昼間、先日苦言メールを下さったお客さんから電話。
住枝さんのことをとても心配している。
「『芸のためなら女房も泣かす』っていう歌があるでしょう。
住枝さんにとって、近くにいる人は友達でもお客さんでも従業員でも、みんな女房なのね」
それってすごいことだ。すごいって「すごい変」。

 檸檬屋新宿の内装を手伝った学生君から電話。
今日15:00に雑誌社が店の取材をすることになっていたのに住枝さんに断られてしまった、
もう取材班は店の前で待っているのにどうしよう、という相談。

前から話がついていたのになぜ急に中止命令が出たかというと
今朝7時過ぎに学生君に住枝さんが電話をかけてきて
「今から谷中に来て冷蔵庫を上げるのを手伝え」と。
学生君は寝ぼけ眼で「ハイ」と言ってしまったけど10時から仕事もあって行かれなかった。
仕事が終わって電話を入れると「約束を破ったんだから今日の撮影は中止」。
そ、そんな…。

学生君の立場を考えると「住枝さんが駄目って言うなら駄目でしょ」とは言えず、
住枝さんに電話をすると「今、人と会っているんだ。撮影は断れバカヤロウ」、プー。

私は学生君に「私も勝手なことをしたと言ってクビになるかもしれないけど
撮影しちゃっていいよ。その代わり今日の営業には差し支えないようにしてね。」
と言う。

 無事撮影は終わったが、住枝さんは怒るだろうなあと思いながら出勤。
予想に反して住枝さんは上機嫌。家賃の資金繰りがついたのかな?

 谷中本店では、みんなが住枝さんを説得して漸く捨てた、
ゴミ置き場に数日放置されて更に汚くなったソファを「俺の思い出だ!」と
怒鳴って店に戻してしまったらしい。わけわからん。

 住枝さんが私に「家賃は払ったのか?」と聞く。
「払ってませんよ。支払方法もどこに払うのかも聞いていません」
「そうか。会長に取りに来させろ」
はあ。それで大丈夫?…なわけないよな。

従業員のKちゃんと話す。
「今度ちゃんと話し合いをして、文章にして責任を明確にしてから進めましょう」
そんなことが可能なのか?
住枝俺様ワールドに「会議」や「議事録」など存在、機能するのだろうか。

帰ってからも心配する人達から電話。どうなる檸檬屋。
私が書こうとしている小説なんかより全然面白いかも。
2002年05月28日(火)

抱茎亭日乗 / エムサク

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