セルフライナーノーツ。 |
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2005年02月05日(土) 剣と毒薬。 |
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本日のイベントは、蜷川幸雄氏演出『ロミオとジュリエット』観劇。 演じるは一昨年の『ハムレット』でも共演の藤原竜也&鈴木杏ペアです。 正直、それほど期待はしてなかったのですよね…。 苦悩の人を演じることにかけては、あの世代では右に出る者なしの藤原くん。 彼の完璧なハムレットを見ることの出来た後では、青臭いロミオはいささかキャラクターとして物足りない。 愛らしいオフィーリアだった杏ちゃんも、シェイクスピアには余り合ってないように思えたし、その上ジュリエットとして舞台を引っ張ることが出来るだろうか? まあ、ハムレットに較べれば若くて軽い題材だし、あまり重厚さは期待しない方がいいのかな、と友人4人連れで劇場に入りました。 まず目を奪うのは、舞台一面に並ぶ巨大な顔・顔・顔。 3階まで組み立てられたブロック状のセット全体に、モノクロームの写真たちが貼られ、じっとこちらを見ているのです。 男あり、女あり、子供のようなものも些か歳を経たひとも。(解説によれば、これらは皆、愛に殉じて死んだ人達のポートレートらしい) 私が以前見た蜷川ハムレット(真田ロミオと松たかジュリエット)は、それなりにきちんとバルコニーを模したセットだったけれど、今回はあからさまに前衛的。 原作の年齢に近い年若い俳優達を使い、新しいロミジュリを生み出そうとした、蜷川氏の意気込みがここにも…。 さて、内容の方はと言うと。 藤原竜也、新境地! この一言に尽きるかも…。(笑) 死の影のない1幕目は、会場のあちこちから笑いが起きるほど、バカップルぶりを見せつけてくれたふたり。 舞踏会での一目惚れ、勢いのまま恋を誓い合って、夜の窓辺に忍んで…翌日には神父の前で婚姻を。 今の世ならけして考えられないこの流れを、何の違和感もなく、若さと勢いと恋の盲目っぷりで見せてくれました。 ジュリエットに名を呼ばれるたび、顔も身体もふにゃふにゃに崩れて、あまーいチョコレートみたいに蕩けてしまいそうなロミオ。 幼さと聡明さと純真さで、かけひきも何もなく一身に想いをぶつけるジュリエット。 (生成りの豪奢な衣装と、杏ちゃんのピンクのツヤツヤほっぺがお人形のように可愛いのですv) 呆れるほど繰り返される小さなキスも、まっすぐに相手へと伸ばされる腕も、ふたりの若さによってただ自然に受け入れられる。 「ロミオとジュリエット」は美しい悲劇です。が、言ってしまえば、激情に駆り立てられた若くておバカな恋人達の”愚かな”悲劇。 両家の確執がいかに深かろうとも、不運な罪を負ってしまっても。 他にも講じられる手段はあったかも知れないし、時を待つことも出来たかも知れない。 まあ、そうした醒めた突っ込みをさせないのがシェイクスピアの筆の巧みさであり、主人公達の若さ、幼さなのですが。 この題材を演じる俳優さんの大半は、若くても20代。30代40代も、キャスティングされる不思議はない訳で。 もちろん、実年齢に関わらない演技を見せるのがプロの演者さんでありましょうが… やはり、この若さでなければ出せない匂い、というものは確かにあるのだな、としみじみ思ったり*(´∀`)* 私は映画「ロミオとジュリエット」(もちろんオリビア・ハッセー版ですぞ!(笑))が大好きなのですが、結婚後、一夜が明けてふたりが別れる朝のシーン(雲雀をナイチンゲールと言い張るあの名場面ですね)は、今回の舞台の方が気に入ったかも…v ジュリエットの必死さと、それにほだされてやろうとするロミオ。そして、その腕を振りきって彼を見送ろうとするジュリエット。 このシーンといい、最後のジュリエットの自害といい、この作品を見ていつも想うのは、女の強さ。 恋しい男の剣で胸を貫くジュリエットは、追っ手から逃れる為でもなく時に追われるからでもなく自暴自棄になったからでもなく、はっきりと自分の意志を持って死を選ぶ。 しかも、その手段に剣を以て。 傍らのカンチガイ男はなまぬるく毒薬なんか飲んでるのにですよ?!このフニャ○ンめ!!(笑) (いや、ジュリエットも毒薬舐めようとはしてますが…(笑)) 覚悟と痛みを伴う剣を以て、それでも怯まない、恋する女の強さ。 (これをうっかりピストルなんぞに置き換えてしまった某バズ・ラー○ン、まさにヤッチマッター!ってところですな(^-^;) 杏ジュリエットは立派に、その最期を遂げてくれました。 若さを前面に押し出した演出として、忘れちゃならないのがティボルト一派とマキューシオ一派! どちらも異様に露出度が高いお衣装で、肉体美を見せつけてくれていたのですが…個人的にたまらんのはティボルト派だったね!(笑) 胸板厚いメンツを揃え、白のパンツに白のタンク、髪はややリーゼント気味…と随所に醸し出されるこのドカチンテイスト!むっはー!(*゚∀゚)=3 対するマキューシオ派は今時の細身な男子軍を揃え、衣装も黒とカーキなおしゃれさん系でしたが…何故かマキューシオの見せパンが真っ赤なビキニで!(笑) サスペンダーで吊られたダボダボのカーゴパンツのウエストから、絶えず覗く赤パンに意識がもぎ取られてしまいますただ(笑) 蜷川&藤原コンビ、次の舞台は6月の弱法師ですが……先行戦に惨敗しちゃったヨ…・゚・(ノД`)・゚・ 激戦の一般発売で勝ち残れるか…?!さい芸、一度は行ってみたいんだけどなぁ… 昨年の当たり運(?)にどうぞ見放されてませんように!(;>ω<) あ、でもその他にONLYと夏コミの当落もあるのか……ううーん。(笑) |
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