琴 星 商 事 日 乗
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2005年12月29日(木)
  南九州走拝記(3) <画像あり>

 今日は朝食をパスし(普段食べないから、昨日食べたら調子悪くなった)、夫が食べてる間に私は温泉に朝風呂へ。窓の外、左手に桜島が見えました。湯船に浸かりながらだと見えないのが残念。

 今日のメインはその桜島。鹿児島港からカーフェリーで車ごと上陸します。ホテルをチェックアウトして鹿児島市内の照國神社に詣でてから、フェリーターミナルへ向かいました。桜島フェリーは何と24時間運行だそうで。所要時間は僅か15分、運賃は人は150円、自転車は100円、自動車は3m未満で820円。早いです。格安です。流石通勤通学の足。島民の生活には欠かせないんでしょうね。9時発鹿児島港発のフェリー、即ち桜島港を8時40分に出港したフェリーの折り返しに乗ったんですが、鹿児島港到着時には凄い数の車が下りてきました。
 目の前に浮かぶ桜島。島なんだから海の向こうに見えるのは当然なんですが、その左手に霧島の山々も浮かんで見えます。特に高千穂峰と韓国岳ははっきりと。これなら天孫降臨もあったかもなぁ、と感じました。

 海を行くこと15分、桜島港に到着した私たちは、まず港のすぐ傍にある「道の駅 桜島」へ。桜島に来たからには是非ともお目に掛かりたい物、それは「桜島大根」! ありました、ありましたよ桜島大根! 巨大な蕪にしか見えないその大根、お値段なんと2,000円!! 物も値段もビッグすぎ!! 食べては見たいけど、2,000円じゃ買えませんよアナタ。

フェリー上から霧島連峰後ろのみかんは普通のサイズ
左はフェリー上から見た霧島連峰、右は桜島大根(後ろのみかんは普通サイズ)。

 そのまま国道224号を直進し、次にやって来たのは有村溶岩展望所。1946(昭和21)年の大爆発で流出した溶岩原の小高い丘に位置し、「溶岩展望所」の名前通り、周囲は一面溶岩です。桜島(の火山)もよく見えます。所々に「退避所」が設けられているあたり、活火山のすぐ傍なんだなぁという感じ。
 ところが、見上げた桜島はとても静かで、噴煙ひとつ上げていません。な、何で? 桜島っていつでもモクモクしてるんじゃなかったの?? テレビで見る桜島はいつも噴煙上げてる気がするのにぃ!
 ・・・なぁんて憤っていたら、目の前の桜島が申し訳程度に噴煙を吐きました。うう、あの100倍くらいの煙が見たかった・・・。

 さてさて、此処は桜島。国道も大した交通量はありません。というワケで免許取得後僅か2週間、バリバリ初心者の私がハンドルを握ることに! 初心者マークを車の前後に貼り付け、いざ出発! おっかなびっくり国道を走っていたら、うっかり桜島を出てしまいました(夫も気付かなかった)。そのまま「道の駅 たるみず」まで頑張ってドライブ。ここから見る桜島も綺麗です。噴煙は相変わらず米粒程度だけど(涙)。霧島連峰も見えました。

有村溶岩展望所より僅かだけれど確かに噴煙「道の駅 たるみず」駐車場より
左は有村溶岩展望所から、右は道の駅たるみずから見た桜島。真ん中は辛うじて噴煙。

 垂水方面ではなく桜島にそのまま留まるためには、えらく細い側道(何やら工事中?)を入らなければならなかったモヨウ。道の駅で夫と運転を代わり、再び桜島へ戻ります。目指すは「黒神の埋没鳥居」。1914(大正3)年の大噴火で埋まった鳥居がそのまんま地面から笠木だけを覗かせてるんだって。
 黒神集落に入ってすぐ、埋没鳥居はありました。現在も埋没鳥居の奥に鎮座する原五社神社の鳥居。その鳥居の前には説明書き(英語併記)の看板が。
 「大正大噴火の前兆は、すでに3日前から始まっていました。島内いたるところで井戸が沸騰し、海岸には大量の死魚が浮き、地震が断続的に起きていたのです。」「間断なく轟く爆発音と火山雷、降り注ぐ噴石の雨、更に翌13日には溶岩の流出が始まり、30億トンの火の波が瀬戸海峡を横断、桜島と大隅半島を陸続きにしてしまったのです。ここ黒神でも全戸687戸火山灰に埋没しました。」「高さ3mの原五社神社の鳥居は、笠木だけ残して辛うじて見えていましたが、時の村長 野添八百蔵は、爆発の猛威を後世に伝えるため発掘の中止を指示。そのままの形をとどめることになりました。」
 ・・・やっぱり自然というのは恐ろしい時はとことん恐ろしいですね。しかし井戸が沸騰とは。そりゃー普通じゃないですよ、マグマ上がってますよ。

 埋没鳥居そして桜島をあとにし、山を越えて向かうのは宮崎・都城市。昨日頑張って新田神社にも詣でてしまったので、今日は宮崎にUターン。時間の許す限り、宮崎で見残した所を回ります。
 まず目指したのは都城総鎮守・神柱宮。もう元旦まで3日。ここも氏子の方々が新年を迎えるための準備に追われていました。真っ青な空の下、参拝。南九州は空が青いなぁ。


左、黒神の埋没鳥居。右、神柱宮。コントラスト強くて申し訳ない。

 さて、時間はお昼前。このあとは一昨日行けなかった宮崎市の宮崎神宮へ向かう予定ですが、その前に都城市街のファミレスでお昼を食べました。このファミレス、南九州(?)ローカルみたいなんですが、何と席に着くと何も頼んでいないのに水と一緒にスープが出て来ました。すげーサービス! 近所にあったら重宝するよ!
 此処からのんびり下道で宮崎まで行っても1時間かからない程度。でも高速もあります。では折角ですから松本佳月、高速デビューと行きましょうか。
 前に書いてますが、私の通った教習所は高速から遠いので高速教習はシミュレーターです。実車での最高速度はせいぜい70km/h程度。宮崎道の都城−宮崎間は80km/h制限ですがそれでもまだ未経験の領域。でもまあとにかく、お昼を食べたファミレスから国道10号を北上して、いざ宮崎道へ! 目指すは宮崎IC手前、料金所の先にある清武PA!
 初めての高速は思ったより何てことなかったです。つーかシミュレーターの方がよっぽど恐かった(マジ)。でもさっき桜島で運転しないでいきなり高速乗ったら、もっと恐かっただろうなぁ。一番難関なのかもしれない料金所は、ETCのためノンストップ。でもあの狭い所に車で入るのはちょっとドキドキしました。時速45km/hならセーフということは夫が実験済みなんですが、それはかなり心臓に悪い感じなので安全に20km/hまで減速して通過しときました。

 清武PAで夫と運転を交替し、宮崎神宮へ。県総合博物館や県民文化ホールも抱えた広い森の真ん中に鎮座していて、市街地とは思えぬ静けさ。森の中にあるところ、神明造の社殿や拝殿の配置なんかは、規模は違えど明治神宮を髣髴とします。ここの祭神は神武天皇、明治神宮は明治天皇だけど、ま、似たよーなモノと言えば似たよーなモノかも?(ぉぃ

 続いて西都市の都萬神社へ。初日に行った日向国一宮・都農神社と何だか似た名前ですが、こちらは日向国二宮で総社。都農神社は大己貴命、都萬神社は木花開耶姫が祭神。
 社務所で御朱印を頂いている時に御守や御札を見ていたら、馬が描かれた交通安全ステッカーを発見! 折角なので購入。あんまり車に色々貼りたくはないので、ダッシュボードにでも入れておこう。
 裏手の駐車場に向かうため本殿の脇を通ると、奉納された酒樽がたくさん積んであったんですが、「逢初」って焼酎・・・南九州は御神酒も焼酎なんだろーか。でも都萬神社って日本書紀によって「我国で初めて米を以て造られたお酒の発祥地」と証明されているらしいんだけど・・・逢初、思いっきり芋焼酎ですがいいですか?

宮崎神宮拝殿都萬神社本殿。酒樽山積み。
左は宮崎神宮拝殿、右は都萬神社本殿(側面に酒樽が積まれてます)。

 さてさて。都萬神社の鎮座する西都市。西都と言えば(個人的には)西都原古墳群です。その西都原まで神社からすぐ。都萬神社もその社格に相応しく延喜式にも記された古社。遥か昔、この辺りが栄えていた証ですね。
 辿り着いた西都原古墳群は何処かで見た風景。そうそう、三次の風土記の丘も出雲の風土記の丘もこんな感じでした。此処は風土記の丘第1号なんだそうで。何処の風土記の丘も似たよーな感じなのね。そりゃまあ、古墳がドカドカ建ってるだけと言えば建ってるだけだから、当然だよな。
 この古墳群は全部で311基の古墳から成り立つそうですが、大部分が未発掘で謎が多いんだそう。個人的には「御陵」=天皇家の祖先の墓とされる古墳が含まれてるとこが興味深いですね。陵墓参考地である男狭穂塚と女狭穂塚は、それぞれニニギノミコトと妻・コノハナサクヤヒメの墓とされています。コノハナサクヤヒメ、そう、都萬神社の祭神ですね(ちなみに富士山の浅間社もそう)。でも時代が大きく合わないとか。何だかなー。
 残念だったのは、今日が12月29日だということ。6世紀後半に築造されたとされる鬼の窟古墳(首長の墓らしい)などいくつかの内部等が見学出来る古墳や、博物館、資料館、古代生活体験館。全て公立ですから昨日が仕事納めです。即ち、既に年末年始の休暇でぜーんぶ閉まってます。むうう、呉の大和ミュージアムは年末年始も無休で稼ぐというのに。

鬼の窟古墳遠景女狭穂塚正面。男狭穂塚はこの後ろ。
左、鬼の窟古墳。右、女狭穂塚。真ん中は管理事務所みたいな建物の脇にいた埴輪。

 さてもう夕方。買い物とかしつつのんびり帰るとしましょう。何故のんびりかって、ETC深夜割を使いたいから。0時過ぎに廿日市ICを出れればOK〜。

 これで九州各県で未踏なのは長崎のみ(佐賀もちょっと掠めただけですが)。でも阿蘇はまた行きたいなぁ。夏に。高千穂峰も、夏なら登ってみたいかも。天逆鉾が見たい。


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・過去の「今日」。

2004年12月29日(水) in 九州−湯布院・久留米・太宰府編 <画像あり>

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