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■ 2005年05月19日(木) 人が馬を愛すように、馬も人を愛している。 <画像あり>
>>Run for us.
昨日に続き、今日も「ファイト」見ました(というより、見れました)。以下、今日のストーリーに触れますので、ネタバレ注意。
************ サイゴウジョンコのいる群馬県競馬の村上厩舎に通う主人公・優。ジョンコは先日、中央競馬に出走して見事G1に挑戦する権利を得ています。馬房のジョンコを見つめる優。少し離れたところに調教師の村上さん。 「ジョンコ、疲れてるね」 ジョンコを見つめたまま、ジョンコに語りかけるように呟く優。
狭い部屋の中で顔を付き合わせているのは、村上さん・馬主の西郷さん・厩務員の太郎くん。優は3人に背中を向けて、ひとり土間(?)の椅子に座ってます。
「ジョンコさんは勝てますか」。馬主の西郷さん。 「勝てるに決まってるじゃないですか」。やる気マンマンの太郎くん。 「勝てる調教をすれば勝てる。でも、それをやると、故障してしまう可能性が非常に高い」。苦渋の表情で語る村上さん。 「故障って?」。立ち上がり振り返る優。 「競走馬として、命を絶たれてしまうことだよ」。 ジョンコを走らせないでと懇願する優。それに対し、「ジョンコはお前のオトモダチじゃない。ジョンコは走る為に、勝つ為に生まれてきた。二度とないチャンスなんだ」と血気盛んに反論する太郎くん。西郷さんが呟きます。 「ジョンコさんはもう、私だけのものじゃないんです。地方競馬のファン、全国のファンが期待している」 群馬県競馬のスターホースになっていたジョンコ。地方競馬の星として、日本中の競馬ファンが注目する存在。
ジョンコは、みんなの為に走ることになりました。
部屋に残っているのは、優と太郎くん。太郎くんはジョンコのG1挑戦が決まって張り切っています。そんな太郎くんに「ジョンコを走らせないで」と尚も懇願する優。だってジョンコは疲れてる。ジョンコが壊れちゃう。 「そう思うなら、もう此処へは来ない方がいい」 太郎くんは、そう言って部屋を出てしまいました。
再び馬房。しばらくジョンコを見つめていた優。柵をくぐってジョンコの「部屋」に入り、ジョンコの首筋に頬を寄せます。そして、涙、涙。
************ 競走馬は、レースを走る為に「生産」されています。だからジョンコも「走る為に」「勝つ為に」生まれてきたんです。でも今は疲れてる。勝つ為の調教をすれば、故障するかも知れない。
決して、テレビの中の話ではない筈です。
私だって「競馬」を通じて「馬」と触れ合う一人。応援する馬がレースに勝てばとても嬉しいし、出走しているだけでも見ていて楽しいです。でも、好きな馬がレースの所為で命を失う悲しみも知っています。テレビ中継で、その「瞬間」が流れてしまうこともあります。斃死。予後不良、即ち安楽死。レース中に心不全とか起こしてそのまま死んじゃう馬、「粉砕骨折」とかで安楽死の処置を取られる馬。毎週のようにいるんです。
今年のJRAのブランド広告キーワードは「人が馬を愛すように、馬も人を愛している。」。 競馬って、馬好きには自己矛盾の種ですね。
************ 「ファイト」ですが、優はここから様々な紆余曲折を経て、牧場経営の道を志すらしいです。でも、物語の大まかなあらすじの中でジョンコのその後については触れられていません(主人公は優だからねぇ)。 ジョンコ、壊れちゃうんだろうか。 かなり不安です。壊れたら号泣だから、絶対。
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・過去の「今日」。
2004年05月19日(水) 本の厚みと満足感 <画像あり>
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