琴 星 商 事 日 乗
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2004年05月19日(水)
  本の厚みと満足感 <画像あり>

 分厚い本は、重たいから嫌い。
 大きい本は、持ちにくいから嫌い。
 ・・・これは全て美術書とか装丁まで楽しんで当然(と私が思う)本を除いての話です。どんな書籍も見た目の美しさを兼ね備えているに越したことはないですが、見た目の美しさや豪華さを追求した結果、読みやすさが損なわれるのは、文芸書としては本末転倒だと思うわけです。

 最近のベストセラー書籍には、嵩高紙というのが使われているらしいです。今までの普通の書籍用の紙より分厚いけれど、密度が低いから軽い。だから同じページ数でも分厚くなるんだそうで、それがウケているんだそうです。
 この紙を作っている会社が広島県内だということで、ローカルニュースでは以前から目にしていたのですが、今日は全国ニュースで見ました。
 曰く「こんなに分厚い本を読み切った」という充実感とか満足感とかが得られるんだそうです。は? 何ソレ?
 この紙を使っているベストセラー本、それは「世界の中心で云々」とか、最年少芥川賞の2冊とかなんだそうですが、それらの本って分厚いでしょうか? 否。別に分厚くなんかないです。全然。

 本を読んで得られる満足感て、内容に全てがかかっているんです。薄っぺらい本でも、面白ければ満足します。逆に、分厚かったのに面白くなかった場合、落胆します。こんなに分厚いのを読んだのに、って、感じるのは徒労感。そんなモノでしょう?

 上記のベストセラー本を読んだ人々は、ひょっとしたら「分厚い本を読んだ」ことに満足した気になっているだけで、実は内容に満足したのかもしれません。そうあって欲しいです。こうやって若い人の読書離れを食い止めよう、と考える出版社の苦労も慮れば、分厚い本を読み切った満足感で読者を釣ろう、という魂胆は仕方のない現象なのかもしれません。

 でも私は、文芸書は薄くて軽くて読みやすいのがいいです。読んでいて手が疲れないもの。実際、手が疲れて読み進められなかった本ってあるんですよ、私。手の疲れも感じさせないくらいの面白さがなかったのが敗因、てのも真ですが、疲れなければ読了できたと思うんですよね。ちなみに何って「NIGHT HEAD」なんですが(もち文庫じゃないですよ)。未だに実家の何処かに埋もれてるような気もしなくもなく。

 今までで、厚みと読後の満足感が一番反比例したのは、小野不由美の「屍鬼」。下巻読み終えた後、ホント凹みました。いっそ上巻だけでやめれば良かったって。あんなに分厚いの2冊も読んだのに。「黒祀の島」でも買うんじゃなかったと後悔したところ、作者の力量を信じて(古本で買って)読み切ったのに(裏切られた)。

 何か面白い本ないかなぁ。


そんな私の一番最近購入して読んだ本は
←コレなんだから話になりません(笑)。
「新・電気じかけの予言者たち―新世紀篇―」
225ページ、買って帰って一気に読みました。
FANKSなんだから仕方ありません。


**************
・過去の「今日」。


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