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■ 2004年10月17日(日) 世間知らず
何処ぞの掲示板で、「就職せずに結婚する女は仕事と私どっちを選ぶの?なんて質問をする馬鹿女」みたいな書き込みがあったそうです。要するに「世間知らずだ」ということを言いたかったらしいんですが、私はそれを別の掲示板で見ただけなので、どういう流れでそうなったのかとかは全く知りません。
私も一度も就職せずに結婚した馬鹿女です。バイトは学生時代から色んな所でずっとしてましたが、正社員とか準社員とか派遣社員とか、そういうのは一切ないです。 学生時代に約6年バイトしていたスーパーでは、レジのチーフ(後に女性ながら店長にまでなった方です)に「レジ係はお店の顔」と教育されました。お店の顔ってことは、その企業の顔です。お店の顔としてお客様に接し、お金を頂く。身分はバイトであっても、プロであることに変わりはないと思ってます。 事務のバイトもしました。事務と言ってもたった一人の「研究室秘書」だったので、研究室の「総務」も「経理」も「HP作成」もしたし、資料のコピーや書類の作成や論文の校正や電話取りや掃除も私の仕事でした。原稿料を頂くバイトもしたし、チラシ配りのバイトだってあります。図書館のカウンターに立ったり、「先生」と呼ばれるようなバイトもしました(教職ではなく、研究者として)。全部バイトだけど、お金を頂いた以上、全部「プロ」です。 人生で最初と最後のバイトが「スーパーのレジ係」だった私ですが、最初の店でも最後の店でも、「社員教育」という普通はバイトはやらない仕事までしました(最初の店と最後の店は違う企業です)。世間知らずなバイトの私に教育された正社員は、きっと世間知らずな正社員になるんでしょうね。店長の会議用の資料だって作りましたよ。世間知らずな私が書いた文章が、社長も出席する取締役会(店長は取締役部長兼務でした)の資料になってたんです。
就職しなくたって就労経験は積めます。正社員じゃなくたって、仕事に対しての責任感は生ずるし、プロ意識だって持ちます。特にレジ係なんて、現金を扱う以上、1円の誤差だって許されず、お客様から見れば、バイトも社員も同じ店員です。レジに立っている以上、常に防犯カメラ(モニタは事務所)とお客様の視線に晒されている訳で、仕事中はお茶も飲めないし、トイレに行くタイミングだって物凄い気を遣います。会社で自分のデスクに座って、私用メールやネットやり放題の正社員さんより、よっぽど気ィ張って仕事してたと思いますけどね。勿論、私より大変な仕事をなさっている正社員さんが大半だと思いますが、少なくとも私が一緒に仕事をした公務員さんの多くは、とってもお気楽でした。世間知らずの私が「こんな世間知らずな人たちと仕事するのは嫌だから、公務員にはなるまい」と思うくらい(複数の公的機関でバイト経験あります)。
バイトだってね、雇用形態が違うだけでちゃんと仕事してんだよ。それを判らない人間の方が、よっぽど世間知らずです。
違いますか?
確かに私は世間知らずですが、就職していないというだけで世間知らず呼ばわりされると、非常に腹が立ちます。多くの人は経験することもないだろう修羅場もくぐり抜けて来てますから、多分、そういう貴方の知らない「世間」も知ってると思いますがね。
ついでにフルタイムで働く正社員にはなれない事情がある者もいるということも知っておけ。
世間知らずかどうかなんて、その人の身分や経験なんかではなく、如何にアンテナを張り巡らし、それをきちんと判断し、利用するかだと思います。どんな人も、「学生だから」とか「バイトだから」とかで世間知らずであることが免罪符になることはないし、逆に「正社員だから」「一般企業に勤めてたから」って世間知らずじゃないなんて言えません。世間は常に変化するもの。身分や経験だけでそれを判断するような人は、今は世間知らずじゃなくてもすぐに世間知らずになりますよ。
「就職せずに結婚する女は仕事と私どっちを選ぶの?なんて質問をする馬鹿女」なんて言うような馬鹿女にはなりたくないです。
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・過去の「今日」。
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