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■ 2004年06月10日(木) 低出生率を鑑み子供の名前と日本の将来を憂えてみる。
一人の女性が生涯に産む子供の数(合計特殊出生率)が過去最低の1.29となったそうで騒がれていますね。私としてはまだそんなにあるのか、くらいの感じなんですが。実際、産んでる人は産んでる気がするんです。前のバイト先のパートさんだって、一番上の子が2つとかの人はともかく、小学生の子とかもっと大きな子がいる様な方のとこは、二人兄弟って多かったし。要するに「一人も産まない女」が増えたんでしょう。昔なら「うまずめ」って蔑まれた「子を成さない女」。「うまずめ」ってどう書くか知ってますか? 「石女」ですよ「 石 女 」。女は子を産む道具と考えられていた時代の蔑称ですね。ちなみに、「不生(うまず)の地獄」という石女の落ちる地獄があって、子を産まない女はそこに堕ち、灯心で竹の根を掘る責苦に遭うんだそうです。 誰 が 掘 る か (ケッ)。 それなら一度も孕ませることのなかった男も同罪じゃ。
さてさて、産んでも一人二人の昨今、子供の名前は凝りに凝りまくる一方のようですね。ちなみに明治安田生命の調査による2003年に産まれた子の名前ランキングでは、男の子は「大輝」、女の子は「陽菜」が1位で、読み別のランキングだと、男の子は「ゆうき」、女の子は「あやか」が1位だそうです。 テレビや新聞なんかでも子供の名前でびっくりするようなの出て来ますね。今日、新聞で見かけた中学生の名前は「聖果」で「せいら」と読むようです。誤植や勘違いじゃないならすごい読ませ方だよな。広島ローカルの番組にその日誕生日の子供を集めるミニコーナーがあるんですが、「りく」くんて言うから「陸」かと思ったら「璃来」くんだったりとか。そうそう、年は全然違いますが、広報部長の同級生だか後輩だかに「素光」で「すぴか」って子がいたらしいです。乙女座なのか? いやいやまあそれはいいんです。
名前には色んな親の思いをこめていると思います。明るく優しく美しく、朗らかで健やかで賢い子に・・・みたいな。いいですよね、そうやって名前考えるの。 でも、音とか字面とかそんなんだけで名前を付ける人、最近多いですよね。まあ万葉仮名レベルならいいんですよ。例えば「加代」ちゃんの「加」と「代」の字に特に意味があるとは思いません。「麻衣」ちゃんなんかも同じ。でも「陵」くんとかどうでしょう? 音はいいですよ、「りょう」くんて。でも「陵」って訓読みしたら「みささぎ」ですよ? 天皇とかのお墓のことですよ? ちょっと高貴ですが「墓」って字の名前付けてるのと同じじゃないですか(余談ですが篠原千絵の漫画に「陵子の心霊事件簿」なんてのがあり、主人公が陵子ちゃんです。でもそれはいいんです。所詮漫画でしかも「心霊事件簿」ですから。作者さんは字の意味を判ってて敢えて付けてるんですから)。更に例えば「美優」ちゃんはいいです。でも「美憂」ちゃんてどうですか? 「憂」の意味くらい判るでしょう。「憂える(=心配する)」の他に「病む」なんて意味もあるんですよ。「苦難」とか「喪」なんて意味まであります。人偏ひとつでえらい違いですよ。 万葉仮名レベルでも「樹愛瑠(じゅえる)」ちゃんくらいになると、いっそ平仮名か片仮名にしてくれた方が可愛いです。「夜露死苦」系とでもいいましょうか、こういう字義もへったくれもない難しげな字を名前に連ねてどうしようっていうんでしょう。聞けば、難しい漢字で名付けすぎたが為に、子供の名前が漢字で書けないバカ親も実在するらしいですよ。 少しでもキレイな響きの名前、少しでもキレイな字面の名前。そういう気持ちは(親でもないクセに)痛いほど判ります。でも字義と子供の将来の体面だけは考えて欲しい今日この頃。 いや、所詮他人のことだからいいんですけどね。でも日本の将来を憂えますよ。どうしますか? 60年後の日本の首相の名前が「風愛斗」で「ファイト」だったりとかしたら。「内閣総理大臣 鈴木風愛斗」。うえ〜恥ずかしかー。でも絶対ないとは言えない今の日本。怖いでしょ?
子供の数が減ることより、こんなことのがよっぽど怖い私です。
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・過去の「今日」。
2003年06月10日(火) 梅雨寒
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