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2004年04月03日(土)
  或る若い騎手の死

 先週の日曜、中山競馬場第5レース。騎乗していた新人騎手が落馬した。5レースは障害レース。障害に落馬はつきもので、取りたてて言うほどのことはない。しかし、この騎手は頭を強く打ったらしく、重体と報じられた。そして5日後の昨日、そのまま息を引き取った。
 竹本貴志騎手。広島で生まれ、地元の乗馬クラブに通っていたらしい。1999年にJRA競馬学校騎手過程に18期生として入学し、2002年に卒業するも、その年の騎手試験には二次試験で落馬し不合格。翌年は実習中の骨折で試験を受けることが出来ず、今年、2年越しの夢を実らせ、晴れて騎手デビューを果たした矢先の事故。デビューは36日。1ヶ月にも満たない騎手生活。こんな悲しいピリオドが、こんな近くに待っていたなんて。

 競馬は一歩間違えばとても危険なもの。毎年多くの馬がレース中の事故で安楽死処分になったり競走能力喪失したり、多くの騎手が落馬を経験し、時には長期療養が必要になる。レース中の事故で騎手が死亡したのは、1954年以降で19人目。19人の尊い命が、レースという戦場で失われてきた。でも、騎手たち自身が一番よく判っているだろう。競馬がどんなに危険か。故にどれだけ真剣勝負か。

 僅か15戦で去った若き騎手を競馬関係者はきっと忘れない。運命というのは簡単。だけれど、こんな悲しい結末で、夢が終わってしまうなんて。こんな結末のために、今まで頑張ってきたんじゃないって。

 竹本くん。今後、こんな悲しい事故が二度と起こらないよう、天国から見守っていて下さい。そして、どうか貴方が愛した競馬を、馬を、嫌いにならないで。
 一競馬ファンとして心から御冥福をお祈りすると共に、関係者の皆様に哀悼の意を表したいと思います。

→関係ページ
JRA 平成16年度 新規騎手紹介
JRA 開催競馬場・今日の出来事(328日)
ラジオNIKKEI 329日(月) 落馬負傷した竹本貴志騎手の病状
JRA 竹本貴志騎手(美浦)の逝去について
日刊スポーツ 落馬し意識不明だった竹本騎手死亡
スポニチアネックス 落馬の竹本騎手が死去
JRA 故 竹本貴志騎手(美浦)の葬儀について
JRA 故 竹本貴志騎手の追悼コーナー/記帳受付について(中山・阪神・福島競馬場)

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リニューアルに伴い、予想部を閉鎖しました。
東京を離れたことにより、今までのように競馬場には行けないことが理由です。
今後は競馬関連の日記もコチラで記していきます。


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・過去の「今日」。

2003年04月03日(木) 桜日和 II <画像あり>

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