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■ 2002年12月24日(火) キズモノには福がある。 <琴星商事資財帳6>
立ち寄った新宿の雑貨店で見付けた、木箱にいっぱい詰まった銀色のハート。振ると、綺麗な金属音が和音で響く。大きい方は1,000円、小さい方は700円。全部微妙に音が違っていて、買う/買わない抜きで片っ端から振ってみた。高く鈴のような音色のもの、低く鐘のような音色のもの、ひとつとして同じ音色のものはない。 「あ、これ綺麗」 自分好みの音を発するハートを見付け、手の中のそれを見る。あ、銀のメッキがちょっと剥げてる。裏返してみると、こっちもちょっとだけ。他のも片っ端から振ってみるけど、近い音色はあっても、みんなこれとは違う。これの方が綺麗に響く。 みっつくらいのハートを振り比べた結果、私はやっぱり少しだけメッキの剥げた子を選んだ。剥げてるけど、でも音はこれが一番綺麗。このハートは、見て楽しむものじゃないもの。聴いて楽しむものだから、音を重視したい。それに、ここで私が選ばなかったら、もう誰にも選んでもらえないかもしれない。 レジに持っていくと、店員さんはキズのないものと取り替えようとしたけど、これの音がいいからと替えてもらわなかった。だって、私が欲しいのはこのキズのある子で、他のじゃないんだもの。店員さんはその代わりに5%引いてくれて、税込み698円でお買い上げ。 何事も見た目だけじゃないんです。見えていることなんてほんの一部で、見えないことも、とても大事。 だって、こんなに綺麗な音がするもの。私は満足してます。
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・過去の「今日」。
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