琴 星 商 事 日 乗
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2002年09月11日(水)
  Requiem for 9.11

 去年のあの時、私は広報部長と長電話の真っ最中だった。偶然付けっ放しにしていたNHK。始まったニュース10で、2機目が突っ込んだ瞬間をライブ映像で目撃した。電話しながらだったからあんまりちゃんとアナウンスも聞いていなかったし、角度的に北棟と南棟が重なって見えて、煙を上げるビルにミサイルのようなものが突っ込んだように見えた。いや、突っ込んだ物体には確かに「翼」があった。でも飛行機が突っ込むなんてことは有り得ないと、常識的な思考回路は判断した。だから「・・・ミサイル?」かと思ったのだ。画面の片隅には「Live」の文字が出ていたと思うけど、其処には現実味が欠落していた。錯綜する不確かな情報が、現実を掻き混ぜた。
 広報部長の家もNHKを見ていたから、テレビに釘付けのまま電話していた。何が起こったんだろう。友人たちからも続々と携帯にメールが届いた。みんな事態を見守っていた。リアリティを欠いた映像は、溢れるように流れ続け、朝になっても変わることはなかった。

 あの日から1年。私たちは何か変わっただろうか。テロで失われた多くの命には、何の罪も無い。けれど、アメリカに罪は無いのだろうか。
 テロが、あの無差別大量殺戮が正しいなんて思わない。でも、私は「アメリカ」が「被害者」だとも思えない。世界は「USA」と「not USA」では決してない。それはテロ前もテロ後も変わらないし変わってはいけないと思う。私は勿論テロに賛同などしない。でも、アメリカにも賛同出来ない。どんな理由があったとしても、戦争を正当化することは出来ない。アメリカは「何故攻撃されたのか」考えるべきだろう。でなければ、何も変わらない。誰も正しくない。確かなのは、1年前の今日、多くの命が失われ、多くの人が愛する者を失ったこと。
歴史は繰り返す
 だからこそ、変わらねば。

 それでも、特に変化のない日を過ごす自分。それは幸せなことだけれど、と同時に罪なことなのかもしれない、なんて思ったりもして。永世中立国・スイスも10日付で国連に加盟したそうで、世界は着実に変わってはいるようだけれど、それも全て皮相的でしかないような。
God bless the EARTH. 



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・過去の「今日」。


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