押しつけがましく繰り返しますが、猫田リコの新刊「イエス・マスター」は必読ですよ。 今回も奇妙にねじ曲がったおハナシの数々と、不思議な柔らか線で描かれた世界が素敵です。
どれも好きなのですが、ワシは特に「新世界」が気に入りました。 人を壊すことに喜びを覚える男(攻)と、そんな彼に買われることで自分の存在理由を見出して いる青年(受)。 男のどす黒い欲望が支配する「夜=闇」の時間こそが自分の生きる世界だと、青年は夜ごと男を 待つのですが、ある日を境に男はやって来なくなるのですね。 それでも青年は男を待ち続け、そして…。
あー、語りたい。でもあまり深く言わんでおきます。 タイトルの付け方も独特です。 「遊戯邸いらっしゃいませ」は、前の本の「囁く者たちの部屋」(超お気に入り)に近い感じ。 あと特筆すべきなのは、コマ割の面白さです。非常にインパクトのある構成です。 いつも単行本になるのを待っているので、縮小された画面しか知りませんが、雑誌だとまた感じ が違うんでしょうね。 時々細かすぎるんじゃ?と思うぐらいに不思議な画面分割が成されていて、それもまたこの人の 持ち味になっているのです。 一瞬の表情の変化とか、とても鮮やかに切り取られているコマがあると、すげぇドキドキします。 もっともっと、長いハナシを書いたらどうなるのかなぁ? これぐらいの長さが本人としてはちょうど良いのかしら? この人のハナシは(掲載誌の方針かもしれませんが)最終的にはシアワセな方向に落ち着くので 読んでいて安心できますな。
くどいですが、読みなさい。
読んで気に入らなかったら、ごめんなさい。 ひとりでも多くの人が気にしてくれると良いのですが。 去年からのワシのオススメNo.1なのだからして。
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