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ぱふぱふの森
アケヲ
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2001年03月15日(木)
やはり「ボクと魔王」を買ってみた



PS2発売当初からラインナップに入っていた「ボクまお」(と略してみた。かわいかろ)に、私は結構期待していたのです。
たとえ雑誌での評価がイマイチでも、やはり買わねばなりますまい。

と、いうことで買ってきました!
近所では売り切れてたからわざわざ新宿のヨドバシまで出かけたさ。
そしたらKONAMIのサッカーゲームが午前中に売り切れたとか何とかで店内は妙に殺気立っていたのでした。
恐いっスね、殺気立つオタクの集団は。
場所が新宿ということで、客層はリーマン系やこざっぱりとした学生系が多いんですけど、そこはどうあがいてもオタクですから。
パチンコ屋呼び込み絶叫風の店内アナウンスで「売り切れましたぁ」とか繰り返されるたびに、なぜか私まで血圧が上がるような気がしましたですね。

で。肝心の「ボクまお」はどうでしょうかという話。

やぁ、絵がものすっごくキレイなんですよ。
遠いところでまでずわーっと見渡せるんですが、奥行きの広さとか、森の木のもやり具合とか。(遠いから霞んでるんですよ、もやりとした感じ)
キャラの不気味に人形チックな感じと、その美しい背景とのチグハグさがなんともいえない"良い味"を出してます。
これ、誉めてるんすよ?
初めて雑誌に載った時から「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」のパクリじゃん!とか思ってたんですが、スタッフ自らモロにそのままの景色をゲーム中に出してしまってます。すごい開き直り。

そしてキャラはそんなややティム・バートン系にも関わらず、彼らの性格設定は"お笑い"。
ともすれば反感を買うやもしれぬほどのギリギリ状態の会話が続きます。
主人公はとにかく影の薄い少年ということであまり個性はないですが、彼の影として取り憑いた魔王スタンの言動に耐えられるかどうかが、第一の関門。

第二の関門はゲーム自体の評価に関わる大変なことです。
"何も見えない状態でゲームを続けられるか"
ダンジョンはね、とても簡単な構造ですよ。ただ降りて行くだけ。
視点(カメラ)が回せるのも最近では当然ですよね。でも、それが壁にめりこんだままガンガン敵とエンカウントしてしまうのは、どうかな…。
何も見えず、おぶおぶしているうちに敵が近寄ってくるんですよ。
高確率で戦闘から逃げられるようにはなっているのですが、それにしてもいちいち時間がかかるので大変テンポは悪い。
戦闘もATB(アクティブ・タイム・バトル…FFでお馴染みのアレ)方式で、アクションタイマーと呼ばれるバーがピコーンと満タンになったところでコマンドを選びます。その瞬間、全ての動きが止まります。
敵(複数)が主人公をドツキくために飛び上がっていたり。
女騎士が剣を振り上げていたり。
まさに"時間よ、止まれ"状態。
すっごいテンポ悪いっちゅーか、気になるんですけど…。
そしてボコられるタイミングもコマンド入力後になったりするので、うっかり戦闘をしているといつしか主人公が死にかけたりしてます。
エンカウントも最後までウザイぐらいに多いし。
せめて中盤以降は同じ場所をぐるぐる回っているのだから、エンカウント減少のアイテムぐらい出して欲しいものです。
(もしかしたら、そういうのがあるのかもしれませんが今回は全く攻略記事を読んでないからわからない…)

キャラのかなり毒のある(マジで子供にはわからない危険な味付けがなされています)世界観は嫌いではありません。
ただし視点(カメラ)の不具合と話の短さ。
戦闘のテンポの悪さは何とかしてほしいですね。
どうにも続編を匂わせる気配が漂うので、これは心からのお願いです。

しかしねー。
ハッピ着てハチ巻きして「萌え萌えー」とか言う人達が出てくるあたり、スタッフの捨て身の攻撃というか、SCEIもこういうのを許すようになったのねーとか感慨深いものもあります。

PS2初のまともなRPGタイトルとしては、かなりの実験作、問題作のような気がします。
重ねていいますが、嫌いではないです。
この贅沢なゲーム空間を体験して初めてPS2らしいゲームの姿を見たような気さえしているぐらいです。
あとは内容がそれについてきてくれれば、なんの不満もないのですが。

でも。
買おうかどうしようか迷っている人には、あまりおススメできないのです。
ダンジョンや戦闘が嫌いな人には向かないし、これはかなり"3D酔い"するかもしれないので。
私はめったに酔わない体質ですが、これはプレイ後にちょっと頭が痛くなってしまったから、普通の人にはキツイと思われます。

今後出るRPGは「ボクまお」を超えるものであって欲しいものです。
久々にPS2をDVDと早いPSという用途意外で使えました。