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2001年03月05日(月)
久々にYAの本を:ライアルと五つの魔法の歌


あ〜。花粉で眠いっス。
しかも肩こりがひどくて…。これはGBを毎日やっているせいでしょう。
リンクがかわいいのがいかんのじゃ。

今日は久々にYA(ヤングアダルト)系の本です。
「ライアルと五つの魔法の歌/キャサリン・ロバーツ/訳者:吉田利子」(サンマーク出版:\1800)
おススメ度:★★★★☆
       ハリーポッターよりずっと良い

あらすじ:とある離島に歌う力を持っている少年少女が集められており、厳しい訓練が行われ
     ている。
     ライアルも歌使いになろうとしている少女。
     しかし能力が不安定なため、いつもびくびくしているのだった。
     ある日、海の向こうの国から歌使いが必要とされる争いが起こり、ライアルは赴く
     ことになる。
     だが虐待される人魚や政権争いなどに巻き込まれ、ライアルは辛く厳しい試練を
     受けることになるのだった…。

ファンタジーです。
歌が人々の感情や思考を変えられる力を持っている世界なのです。
そこでは歌使いは恐れをもって敬われており、その能力にやっと目覚め始めたライアルにとっては非常に不安な日々を送っている訳です。
何しろ歌使いの卵達は、全て離島に集められて教育されているという状況です。
しかも能力が足りないとなれば、従者や産婆のような役割などの下働きの身分にならねばなりません。
結構、シビアな話です。
そして"歌使い"ということやその能力はモロに"ソングマスター"(オースン・スコット・カードの不朽の名作!私も大好きで読み直すと涙せずにはいられません…)の影響を受けているような気がします。

能力が高くても声変わりで資格をなくす少年や、離島に属さずとも能力を持っている少年。
能力があるのに評価されないことでライアルに嫉妬し執着する少年。
病気を理由に権力を奪われ、傀儡と化した王子。彼をないがしろにする大僧正。

登場人物たちはなかなか良いです。それぞれが心に悩みや思惑を抱えながら生きている様子がうまく描かれています。
主人公はライアルですが、私はまわりの少年達が気に入りましたね。
「初戦で倒した相手の小指の骨を髪に結んだ…」という描写があるので、歌使い以外はかなり蛮族な方々が多いのですが、王子サマは病み上がりなのでほっそりしているはずです。
ちょっとお馬鹿さんな人魚の群れや、海賊の悪人らしさも魅力的。

イギリスの児童文学賞受賞作なんだそうです。
個人的には"ハリーポッター"より、こちらの方がずっと好き。
非難されるのを覚悟で書きますが、"ハリーポッター"って面白いですか?
私には出来そこないのRPGみたいに思えて全然楽しめませんでした。
キャラクターもありきたりだし。
フクロウの郵便(?)は面白かったけれどね。

とにかく"ライアル…"はドラマティックなお話です。
そして、ちゃんと彼(女)らが成長していくので読んでいて気持ちが良いのです。
"ゲド戦記"(ル・グイン)が好きな人ならおススメですよ。