今週はずっと風邪をひきずっていたので、ゾンビのようでしたよ。 ようやく今日になって"起き上がれるような気持ち"になったところ。 本気で起きていられる状態まで回復してません。 さらに花粉症も併発している気配…。 ズビズビしてます。と、書くと妙に楽しげですが。 健康な青少年もビックリなティッシュ消費量を誇ってます。 (ちょっと下品ですなぁ、すんません)
"読み"から遠ざかってましたが、久々に復活。毎日のように何かしらは読んでるんですがね。 今日は今更ながら隠れた名作をおススメしときます。 いわゆる"BOY'S LOVE系"でございます。ダメな人は読み飛ばしてください。 (しかしこのジャンル名はどうよ? オヤジスキーのワタシとしては常に心を痛めてます)
(注)以前は"評価"としていた星印ですが、なんだか偉そうでイヤになりました。 今回からワタシのおススメ度合で星をつけることにします。 ★★★★★:最高におススメ。つーか、買え。そして、読め。俺的殿堂入り作品。 ★★★★☆:それなりにおススメ。本棚に並べたい。 ★★★☆☆:そこそこ。図書館で借りたり、友達に買わせて借りよう。あるいは中古で。 ★★☆☆☆:うーん、何かが違うんだなぁ。買ってしまったら悲しい部類。 ★☆☆☆☆:トホホ…。なんだかわからぬもの。速攻で売る。 ☆☆☆☆☆:出会いたくはないのですが、怒りのあまり上げるかもしれない。 そんなに前と変わってないけど、まぁこんな感じを目安にやってきます。シクヨロ。
「ロロロロマンチック/猫田リコ」(BambooComics:竹書房:\562) おススメ度:★★★★★ ちょっと歪んだヒト向き
7編入っている短編集。 あらすじはそれぞれ相当変わったおハナシのため、まとめるのは無理っス。
タイトルは"ろ"が四つですよ。初め見た時どう読むのかしばらく考えてしまいました。 絵柄はちょっと切り絵みたいな、不思議な強弱の入ったペンタッチで良い感じ。 画面は割と書き込み系(背景やら脇のキャラとか細かく入ってる)のようですが、中には意識的に白い作品もあります。 コマ割が変わったパターンで面白いのです。掲載誌は"麗人"ということでヤオイもかなりアレでございますが、その見せ方とそこに至るハナシの持って行き方がメチャうまいのですね。
どのハナシも登場人物全て"何か変"です。
例えばワタシが最も好きな"囁く者たちの部屋"というハナシの場合。 登場人物:桃山先生(受。常に鬼平にコキ使われているがなぜかは知らない) 鬼平先生(攻。桃山を愛しく思うが故にコキ使う逆説的な男) 紅子先生(英語担当。いわゆるオールドミスで、しかもかなりのヤオイスキー) 校長(演歌っぽいキモノ着用)・理科担当・社会担当(脇キャラの名前不明)
とあるシーン:どこかの学校。放課後行われている"校則改正会議"。 「変更箇所なぞナイですな!」という校長のひとことで会議が終わろうとしたその時、「<不純異性交遊を禁ず>について物申したい」という者がいた。鬼平である。 その頃桃山は会議のための買出しと称して鬼平から一方的に買物を押しつけられ、酒やツマミを大量に抱えて学校に向かっていた。日頃からコキ使われているばかりか、会議に出席しなければならないはずの桃山がどうしてこんな目にあっているのか? 憤る彼は今日こそ鬼平にガツンと言ってやると心に決め、会議中の教室の扉を力強く開けたのだが…。
鬼平:「例えば桃山先生! こういうカワユイ同性がこうも身近に居たら、どう思いますかね?」 先生たち:「居たらって…別に…」 「なぁ…」 「人間、顔じゃありませんわ!」 鬼平:「あなた方は、枯れていらっしゃる。私なんかざっとまあこんなモンです」 (ここで鬼兵の後姿がupに。無論前面では大変なモノが御披露されていると思ってください) 校長:「男相手に欲情するもんかね」(へ〜っと感心しながら鬼平の下半身に視線を向けている) 鬼平:「あらゆる想像を展開しまして」(まるで動じていない) この間、桃山は何がなんだか理解できずアワアワしているだけ。
ここから鬼平の華麗(?)なワザにより、桃山はメロメロにされてしまうのですが、紅子先生が本性を剥き出しにして「ああ、今度はあんな角度ッ。カメラ持ってくりゃー良かったちくしょう!」などと叫ぶわ、果ては「久方の光のどけき春の陽に、静心なく花の散るらん」(か、漢字OKですか?)に合わせて鬼平と桃山がヤオっていたりと大変なことになってます。(先生方も一緒に復唱してたり) 結局それで鬼平が何を言いたかったのかというと。
鬼平:「<異性>だけでなく、<同性>も対象だという事です」 先生たち:「それはイカン! 改正せねば!」 "校則改正"…「<不純異性交遊>及び<不純同性交遊>を禁ず」となって一件落着。 虚しく響き渡る桃山の叫び。「だから一体何だったんだよ〜!」
果たして原作のオカシサが皆様に伝わるかどうか。 ハナシ的にはよくあるパターンなのだけれど、その展開が絶妙なのです。 鬼平の強引な愛の告白とも取れる行いに、桃山が全く抵抗できずに流されてしまう様子は微笑ましい限りですね。
基本的にどのハナシも最後はハッピーエンドになるところも好感持てます。読後感は非常にサワヤカ。 掲載誌を毎号チェックしている訳ではないので現在の掲載状況がわからないのですが、続刊が待ち遠しいです。
ちょっと歪んだ愛の表現が好きだというヒト。 そのようなヒトにはたまらなく魅力的な本だと思います。 去年出会った新人サンの中ではイチオシですね。今年も頑張ってほしいっすね!
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