無責任賛歌
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ここんとこ、トンガリさんとあまり顔を会わせなくてすんでいるので、精神衛生上、頗るよい。でもやってる仕事はトンガリさんの後始末。トンガリさんが秘匿しているデータを探り出して、経理上、問題がないかどうかをチェックしてるんだが、考えてみればこれってやってることまんまスパイだな。オレ、退職しても探偵社で務まるかも(ムリムリ)。 案の定、会議に挙げてない出費がン万円もあって、これまでのものと合計すると、かなりな額になってしまう。よくよく調べてみれば、不正出費らしきものはあまり見当たらない(かつてはあったらしい)。要するにトンガリさんが「報告」だけしてくれれば何の問題も生じないのだ。結局、全ての元凶はトンガリさんの心のカベなんだよなあ。
迎えに来たしげと、今日は久しぶりに「ジョリーパスタ」で食事。ここのスパゲティー、美味いことは美味いのだが、量が少なくて高いのが難点。しげはスパゲティーというと、いつもクリームソースばかりを頼む(こないだダイヤモンドシティで鴉丸嬢、其ノ他君と食事した時もクリームソースだった)。好みがあるのではなくて、目新しいメニューに飛びついて、自分の舌に合わない場合をひどく恐れているのである。……だったら自分が作る段になって、「創作料理」という名のゲテモノを食わせるようなマネはやめてほしいものだが。私はエビとホタテのウニソース。初めて食ったが、ウニがしつこくならない程度にパスタによく絡まっていて、風味のある上品な味。エビが殻付きなのがちょっと面倒だったが。 そのあと「ブックセンターほんだ」に回ってもらう。昨日見た『箪笥』で、一部映像の意味がよく分からない部分があったので(メイントリックは冒頭で見破ったが、ディテールで見損ないがあったのである)、ノヴェライズを買って確認しようと思ったのだ。 タイトルは映画とは違っていて『姉妹』(吉岡達也・著)。小説として読もうとすると退屈なことこの上ないが、それはそのはずで、これは映画を見た人が「あのシーン、どういう意味だったの?」というのを解説するために書かれているのである。だからくれぐれも映画を見ないで小説だけ読もう、なんて気は起こさないように。『箪笥』は「映像だからこそ成り立つ」トリックなのである。
ほかに読んだ本、マンガ、みなもと太郎『挑戦者たち』、『風雲児たち幕末編』5巻。 井浦秀夫『弁護士のくず』1巻。 山本英夫『ホムンクルス』3巻。
俳優の渡辺文雄氏が、今日、急性呼吸不全のため死去、享年74。 これだけのキャリアをお持ちの方が亡くなったのに、最初に渡辺さんの出演作で真っ先にアタマに浮かんだのが、「『ウルトラQ/カネゴンの繭』のヒゲオヤジ」だったのが、病膏肓である。普通は大島渚監督作品などを挙げるべきだろうにねえ。 ご面相は、似顔絵を描けば全部マルですんでしまいそうなくらい、まんまるとした印象、『くいしん坊!万才』でのリポーターや、『連想ゲーム』のレギュラー、『ソルマック』のCMなんかで、お茶の間への浸透度、好感度もかなり高いだろう。役者さんが亡くなっても、若い人にそれを話すと、一様に「誰それ?」って反応しか返ってこないくらいに彼らはモノを知らないが、さすがに渡辺さんはみんな結構知っている。同じ大島グループでも、故・戸浦六宏さんにはあまりCMの声などかかりそうになかったが(失礼)、渡辺さんには視聴者の購買欲をそそる天性の明るさがあった。 ただ、ドラマや映画では、その「善人顔」で損している面も結構あったのではないかと思う。実は善人役よりも、悪人役のほうが意外にも多いくらいなのだが、あまり極悪人を演じられても似合わないのである。手塚治虫キャラクターシステムに譬えるなら、ボス役のアセチレン・ランプほど悪辣ではないが、卑劣で機を見るに敏なハム・エッグあたりの役どころなら、いい味を出す、といった感じだろうか。『眠狂四郎人肌蜘蛛』の都田一閑とか、『子連れ狼 子貸し腕貸したてまつる』での柳生備前守とかを演じてもどこか不自然で浮いてしまっているのだが、『絞死刑』でレイプの様子を懸命に再現しようとする教育部長などを演じさせると、そのヒクツな小市民ぶりが実におかしくて、ああ、この人の本領はこういうところにあるのかなあ、と思わされるのである。 渡辺さんの代表作と言えば、まさにこの『絞死刑』を真っ先に挙げねばならないのだが、逆に言えばこの役があまりにハマッてしまっているために、あれだけたくさんのドラマ、映画に出演していながら、他に印象に残る役が少ない。必ずしも「うまい」とは思わないが、もっと使いどころのある役者さんではなかったかと思う。後年、役者以外での活躍の方が目立つようになっていったのは、やはり、渡辺さんをうまく使うことのできなかった映画界の不明ではなかろうか。
中国で開催中のサッカー・アジアカップ、中国人の観衆が日本人選手への反日感情剥き出しの抗議行動(アジなんてもんじゃない)をエスカレートさせている状況に、ついに日本政府も中国政府に対して正式に抗議を申し入れたとか。ま、受け流されそうな気はするけど。 最初はああいうお国柄だし、多少はあるよなあ、とか軽く考えてたんだけど、さすがに最近のニュースを聞くにつけ、ちと度を越していると思わざるをえなくなった。これはもうマナーが悪いとかそういうレベルではない。明らかな政治活動だし、規模は小さいが実質としてはテロである。……小泉さ〜ん、これ、テロなんですよ〜、認識してますか〜? それにしてもこれを政治問題としてキチンと取り上げようってマスコミは少ないねえ。やっぱりみんな、この問題、軽く見てない? 「歴史を直視し、アジア人民におわびし、釣魚島(尖閣諸島・魚釣島の中国名)を返せ」と書かれた横断幕を掲げる、『君が代』演奏のときにはブーイング、日本の勝利が決まり日本人サポーターが日の丸を取り出して歓声を上げると、周りの観衆が紙コップなどのゴミを投げつけて「帰れ、帰れ」とヤジを飛ばす。うっかりすると人死にまで出そうな気配なんだけど。テレビでは「小泉首相の靖国参拝反対」とか「こんなに何万人もの人と一緒に不満を表せる機会はなく、とても楽しい。けけけけけ」とか言って喜んでた若い男女が映ってたけど、どうにも気が狂ってるとしか見えない。 言うまでもなく、スポーツは「政治」である。まあ、政治とスポーツは切り離されるべきだという「理想」はあるだろうが、そんな理想がこれまで現実化したためしはない。「親善」という美名はあれども、スポーツは、どの時代にあっても常に、クニとクニとの関係を象徴する政治・外交の道具として使われてきたし、場合によっては「代理戦争」の様相すら呈してきた。「政治」と「スポーツ」がイコールのものでなければ、どうして「靖国参拝」と「サッカー」という、何の関係もないものがあっさりと結びつけられるものだろう。日本人だって、これで日本が優勝すれば「ザマアミロ中国」と、「親善の気持ちなどどこかに吹っ飛んで中国人を嘲笑する」に決まっているのだ。 それがイカンとは言わない。私は別に理想論など述べたいとは思わないから、スポーツが政治にどう利用されようが、知ったこっちゃないのである。ただ、あちらが明らかに政治的に「運動」を行っているのに、こちらがそれを傍観しているのでは、そりゃいつもの「弱腰外交」「負け犬外交」とののしられても仕方がない、ということなのである。抗議を申し入れたと言っても、「あくまでも平静に対応し、スポーツの交流なので反日感情をあおるようなことになってはいけない」なんてコトナカレなことを述べている程度で、まあ、何もしていないのと同じである。こちらが煽らなくても、向こうが勝手に反日感情募らせてるんだから平静に対応したって状況が改善されるはずがないじゃないの。何らかの報復措置を取らない限りは事態は悪化しかしないと思うんだが、なんで中国人観客をつまみ出すくらいのことができないのかね(政治とスポーツがあくまで別だと主張したいなら、少なくとも横断幕張った連中は追い出してしかるべきだろう)。結局は中国政府だって、内心、「日本人ごときが何を偉そうに文句つけてくるのか」とナメてかかっている、ということに日本の政治家は気付いているのかいないのか。 中国人があれだけ根拠のない優越感でもって抗議ができるというのも、彼らの中に未だに「中華思想」が存在しているからであろう。ならば、彼らの「歴史を直視せよ」との主張を鑑みて、「中華思想」などという愚劣な思想も古代の遺物にすぎないという「歴史」だって、ちゃんと「直視」してもらわなければならないのではないか。このままでは北京でのオリンピック開催は不可能だ、という理由で、開催国を変更させるくらいのウラ工作を謀るくらいのことを日本政府もしてみたらどうかと思うんだけど、そこまで「強腰」に出られますかねえ。
2003年08月04日(月) 映画の話いくつか/『モンティ・パイソン・スピークス!』(デヴィッド・モーガン)/『だめっこどうぶつ』1巻(桑田乃梨子) 2002年08月04日(日) 爆走……できねーなあ(^_^;)/『スーパーロボット烈伝』(石川賢)/『光の島』3巻(尾瀬あきら)/『黒ベエ』1巻(藤子不二雄A)ほか 2001年08月04日(土) やっと入院準備/映画『猿の惑星』/『20世紀少年』6巻(浦沢直樹)ほか 2000年08月04日(金) 特許成金、夢じゃない?/『20世紀モノがたり』(紀田順一郎)ほか
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藤原敬之(ふじわら・けいし)
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