無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2004年04月09日(金) うどん談義と『新選組!』低迷

 今朝はまあ、爽やかな目覚めとは言えない、少しばかりシャレにならない事態が起きてしまった。つっても仕事に寝坊したってだけなんだけど。ハッと目覚めて時計を見たら8時半である。もう始業時間になっちゃってるじゃないの! いやもう慌てた慌てた。
 イラク情勢が急変とか、新聞の見出しが真っ黒けになってるときに、この程度のことでオタオタしているというのは客観的には微笑ましいことではあろうが、当人にとってはイラクなんかもうどうでもいい気分である。でももともと寝起きは決して悪いものではなかったし、ここんとこずっと風邪っぴきだったのも、昨日あたりから随分回復していたつもりだったので、まさか目覚まし時計が鳴っているのにも気づかずに眠りこけたままでいるとは思いもしなかった。ともかく服を着替えて、隣で寝こいているしげを叩き起こす。こいつも今朝は通院の日だというのに、すっかり予約の時刻を忘れてぐわげげ、ごごごとイビキをかき、ヨダレを垂らし、鼻提灯を膨らませているのである。
 「寝過ごした! すぐ車出して!」
 「えっ? オレも病院行かなきゃならないから今日は送れんよ!」
 「だったらタクシー代貸せ!」
 こういう切羽詰まった時には人間の本性というものが出るのである。金欠病で手許不如意だったものだから、しげから問答無用で金をふんだくった。そのまましげを顧みもせず表通りまで飛び出していって、タクシーを拾って職場に直行した。全く、とんだ暴力亭主だが、日ごろは私の方がしげにたかられまくって同じ目に会っているので、たまにはいいだろう、と勝手に自己正当化するのであった。

 なんだかんだで仕事もバタバタと息つくヒマもない一日。最近記憶力の減退が激しいので、やらなきゃならない仕事はできるだけ後回しにしないで片っ端からこなしていく。おかげでこの一週間くらいは同僚に「ありがとうございます」と感謝されることがやたら多い。欠勤もあって遅刻もしてるってのに、まるで白い目で見られずにすんでいるのは、一応、その努力が実を結んではいるのだろうが、なんとも面映いことである。
 四月とて、うちの部署に新人さんも入ってきているのだが、今日は上司から「藤原さんを見本にするように」とまで言われてしまった。だから私ゃ病気持ちの欠勤魔なんですってば。そういうことを言われるとくたびれていても休むに休めないのである。もちろん休むときにはどうしたって休んでしまってるんだけど。

 しげもどうやら病院に間に合いはしたようである。夕方、帰りは迎えに来てくれるのかどうか、携帯に連絡を入れてみたが、アッサリと「起ききらん」と寝惚け声で断られた。
 しげ、どうやらもらったばかりの睡眠薬を飲んでいるらしいが、最近は薬に慣れてきたせいか、通常の量ではなかなか寝つけなくなっているのである。で、結局現在は2倍の量の薬を飲んでいるのだが、素人考えだと薬が増えるというのはどうしてもよくない兆候なんじゃないかと思ってしまう。でも、しげに言わせれば、2倍にしたほうがグッスリ眠れて目覚めもスッキリするそうだ。逆に通常の量だと起きてもしばらくはアタマがボーッとして、仕事にならないのだとか。
 帰宅してみると、しげは朝同様、だらしない顔で寝ていた。足をカニのように広げているのも同じだ。前世、カニなんじゃないか。でなきゃ、妖怪寝肥(ねぶとり。ホントにそういうのがいるのである)。一日のうち、しげと会ってるのはこの寝姿の方が多いので、これがコイツの本性なんだよなあとどうしても感じてしまう。
 でも、こんなにグッスリ寝ていていも、「うどん食うか?」と声をかけると「くうー!」と何だか清涼飲料水のコマーシャルみたいな声を出して飛び起きるのである。訂正。前世は戦後すぐに栄養失調で死んだ某作家さんの妹だろう。
 しかし、こう毎日「うどん」「うどん」ではお読みに鳴って頂いてる方々にも「いつまで続くんだ」と言われてしまいそうだが、昨日、しげにカレーを作ってやったら、「やっぱりうどんが好き!」と言われてしまったので、結局今日もうどんを作るしかなかったのである。
 おかげで、某サイトの日記では「うどん職人」という仇名まで付けられてしまっていた(^_^;)。確かに毎回同じうどんじゃつまらないので、麺をしょっちゅう変えるくらいの工夫はしているが、そんなにたいしたことはしていない。なんというか、苦笑するしかない呼称ではある。
 けれど実のところ近所のスーパーでは昔ながらの博多うどんがすっかり姿を消して、讃岐うどんばかりになってしまっていて、あまり選択の余地というものがなくなっている。讃岐うどんにはコシはあるけれど取り柄はそれだけで、うどんとしての個性がない。なにより博多うどんの引くと伸びるモチモチ感がないのが昔ながらの博多の人間には美味くないのである。福岡のうどんはコシもなけりゃ引くとすぐ千切れる柔か過ぎる麺なので、一番うまくない、というかうどん食ってる感じがしない。私が「博多のうどんが一番美味い」と言ったら、若い人から「コシがなくてまずいっスよ」と返されることが多いのだが、これは「博多うどん」と「福岡うどん」と混同されているのである。この二者は全く別モノなので、ここでも「福岡と博多を一緒にするな!」と叫ばなきゃならなくなるのだが、するとまたすぐ「また博多至上主義が」としげに睨めつけられる。でもたとえ「刷り込み」だとしても、美味いと感じるものは美味い、不味いものは不味いんだからしょうがないじゃないの。
 老舗の博多うどん屋もどんどん潰れているし、名店「かろのうろん」も代変わりして少し味が落ちた。ほんの十年くらい前まではあっちこっちに博多うどんの店舗があって、そこで麺も買えたんだが、めっきり少なくなってしまった。博多うどんも絶滅の危機にあるのである。
 という次第なので、「博多うどん」はもう食いたくとも食えない。仕方なくほかのうどんを、といろいろ物色、食いっくらをしてみると、今んとこ一番口にあうのはなんと名古屋の「きしめん」か山梨の「ほうとう」になってしまった。でも、これがほかのうどんよりちょっとお値段が高目になってしまうのがいささかネックなのである。
 いつもは「夕飯はうどん」だけの記述ですましてしまっているが、せっかく「うどん職人」とまで書いてもらったことでもあるし、特に今日はしげから「ンま〜イ!」と藤子不二雄A風のお褒めのコトバも頂いたので、どんな風に作ったか、レシピ風に書いてみることにする。

 1,鍋にお湯をたっぷり、キャベツ、ニンジンの千切り野菜と一緒に、うどん玉を湯がく(こうするとうどんがあまり鍋の底にこびりつかない)。
 2,ドンブリにアブラゲ、ネギ、天カスを入れ、「水」で混ぜる(しげは猫舌なので)。あと、カツオだしのつゆを少々、ノンオイルの青じそドレッシングを少々、醤油を少々。量は適当(^o^)。それぞれあまり入れすぎないように注意して、味をととのえる。
 3,冷凍コロッケを予め電子レンジで2分間、温めておく。それから充分に熱した油でサッと表面がちょっと黄ばむ程度に揚げる。
 4,ドンブリに麺をあげて、軽く混ぜ、上に油をよく切ったコロッケを乗せてできあがり。

 まあ、いかにもな男の手料理で、たいした工夫っちゃないんである。
 それはそうと、一昔前のマンガで、さいとう・たかをの『うどん団兵衛』というのを覚えてる人はいるかな? 今思うに、あれは隠れた「うどんグルメマンガ」の嚆矢であった。


 ここんとこ、時間が合わないこともあって、NHK大河の『新選組!』もここ数回は見ていなかったのだが、当初は20%近くあった視聴率が、最近は15%程度で低迷しているのだとか。脚本家の三谷幸喜はコメントを求められて、「15%は自分にとっては高視聴率」と言い訳をしていたようだが、こんな誰にでもあっさりと「苦しい弁解」だと見抜かれるようなことを言ってる時点で、相当追いつめられてるんだろうなという見当はつくので、まだまだ先は長いというのに大丈夫だろうかという余計な心配までしたくなるのである。
 言っちゃなんだが、「新選組」の見せ場って、結局は「池田屋」しかないのである。あれが『忠臣蔵』の「討ち入り」の縮小版であることは昔から指摘されていることなんだが、『忠臣蔵』には他にも冒頭に「松の廊下の刃傷・内匠頭切腹」という見せ場があって、この二つの「見せ場」の「サンドイッチ状態」の間をエピソードで繋いでいくことでドラマを持たしているのである。ところがその「冒頭の見せ場」を作ることに『新選組!』は失敗しているなあと、最初の数回を見た感じでは思わざるをえなかった。これまで作られてきた『新選組』ドラマの根底には常に「狂気」が介在しており、それは三谷幸喜が私淑しているみなもと太郎のギャグマンガ『冗談新撰組』においてさえそうなのだが、これが『新選組!』では見事にケツラクしてしまっているのだ。土方があんな「不貞腐れたヤンキー坊ちゃん」じゃ、『新撰組血風録』や『燃えよ剣』(どっちもドラマ版の方ね)のファンは納得しないでしょ。前にも書いたが、『風光る』の少女マンガファンを取りこもうという意図の方が強く出た失敗じゃないかと思うが、だとしたら、新撰組は既に壬生にあるものとして、キャラクターが確立した前提でドラマを始めるべきであったろう。少女マンガが最も忌避するものは、実はキャラクターが「揺れ動いてしまう」ことなのであり、個人が「成長」するドラマなのである。『ガラスの仮面』とか『エースをねらえ!』とか、ありゃ主人公は実は全く「成長」なんてしてないんだからね(念のために言っとくが、少年マンガのキャラの大半も成長なんてしない)。

2003年04月09日(水) 最近日記に書けないことが多いなあ/『エンジェル・ハート』6巻(北条司)
2002年04月09日(火) 正義なんて要らない/DVD『指輪物語』/『UAライブラリー10 すごいけどヘタな人』
2001年04月09日(月) ハートブレイカー/『DRAMATIC IRONY』(藤崎竜)ほか



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