無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2003年07月29日(火) ちょっとだけギャグの話/『キャラクター小説の作り方』(大塚英志)

 喜劇俳優ボブ・ホープが、27日、肺炎により死去。享年100。
 つまり今年はボブ・ホープ生誕100年&没後0年になったわけだ。こんなキリのいい死に方をするなんて、あまりに出来すぎ。さすがボブ・ホープというべきか。思い出を語り出したら、全て「あのギャグは」「このギャグは」と言うことになってしまうのだが、「観客に向かっていきなり話しかける」ギャグを一番効果的に活用していたのがこの人だったんじゃないか。
 日本映画はこの手のギャグが一番苦手で、どうしても「照れくさがって」やれないのだが、おかげで観客の方も、こういう文法破壊のギャグを面白がる素養が鍛えられないままである。
 「映画の」ボブ・ホープ最後のギャグは『スパイ・ライク・アス』でダン・エイクロイドとチェヴィ・チェイスのいる砂漠のテントに「何の脈絡もなく」ゴルフボールを追いかけて現れると、“Mind if I through? Doctor,Doctor,Glad I'm not sick.”(失礼するよ。君らが医者? 病気でなくてよかった)と言って去るという、まああんまり面白くはないものだった。
 けれども、公開当時、劇場の座席に座ってたとき「何の脈絡もなく」ボブ・ホープが現れたのには本気で仰天し、思わず呻き声を上げちゃったのだが、他の客には何のことかわからなかったらしく、睨まれまでした。違うんだよ、あそこは「驚く」ほうが「正しい」んだよ(T∇T)。
 考えてみたら、ボブ・ホープを「リアルタイムで」劇場で見たというのはこの一本だけだ。『珍道中』シリーズも『腰抜け』シリーズも、私の生まれる前なのである。なのに私がボブ・ホープを既に何本も見ていて、すぐにそれと気づいたのに、他の客が(私より年上の客が圧倒的に多かったのに)喜びも驚きもしない(多分ボブ・ホープと気付きもしない)、というのはいったいどういう彼我の差があるというのだろうか。


 ようやく梅雨明け宣言が出されて、カラッと晴れたかと思ったら、今度はそこいらじゅう、蝉の声がうるさい。そのへんの岩に染み入ってくれんものか。
 

 大塚英志『キャラクター小説の作り方』(講談社現代新書・798円)。
 内容をヒトコトで纏めちゃうと、「ライトノベル書くんだったら、この程度のレベルのモノは書けよ」ってことである。
 近代文学、特に田山花袋の『蒲団』に代表されるような「私小説」はキャラクター小説であった、という指摘、つまり小説の中の「私」は仮構の「私」であるということ、言い換えるなら、キャラクター小説は文学になっても構わない、との主張は、読みの浅い人間には浅薄な文学コンプレックスと映るかもしれないが全然違う。大塚さんは物語の本質を語っているだけだ。
 面白い小説とつまらない小説の差がどこから生じるかということは、要はキャラクターや世界を「仮構」できるかという一点にかかってるので、それをTRPGを例に語る大塚さんの筆致には説得力がある。やっぱ実際にTRPGやった経験のある人間から見れば、既成のゲーム機のRPGは全然つまんないんですよ。
 本気で小説書きたいって人は、この本必読だよ。私も『木更津キャッツアイ』、見たくなっちゃった。


 『月刊ガンダムエース』9月号(角川書店・580円)。
 表紙はセイラさんだけど、あんまり色っぽくないのであった。
 カラーページで吉祥寺近辺を走ってる小田急の「シャアバス」を紹介。もちろん真っ赤だ。誰かが「赤く塗れ!」と号礼をかけてたような気がするぞ(^o^)。実際には「塗る」んじゃなくてシートを「貼る」んだね。けど、日常の風景の中にこんなのがポンと飛び出したらビックリするんじゃないかと思うが、乗るのもすげえ乗りにくいんとちゃうかな。「モビルスーツの性能の差が、戦力の決定的な差ではないことを教えてくれる!」とか叫ぶバカが出やしないか。出ないな。
 『ガンダム THE ORIGIN』ランバ・ラル編、セイラさん大活躍。まあフトモモの美しいこと♪ けどコズンの「ぐちょぐちょにしてやるっ!!」はないよな。こいつら喋ってんだ(^_^;)。まあこういう「安彦良和セリフ」が時々混じっちゃうのも「オリジン」の醍醐味か。ちょっと違う気もする。
 今号より、長谷川裕一さんの『クロスボーンガンダム外伝』が連載。時代的には正伝の後日談ですね。けど未読でも独立した短編として読めるようにしているのはさすがは長谷川さん。憶測だけど、今回は脚本にトミノさんは絡んでないのではないか(^o^)。未だに『F91』の「アニメの」続編を待ち続けている身にしてみれば、マンガの外伝ばかりが描かれるのはちょっと悲しいんだけど。

2002年07月29日(月) 肉は血となり肉となる/『砲神エグザクソン』5巻(園田健一)/DVD『マジンカイザー』6巻ほか
2001年07月29日(日) いっじわっるはっ、たっのしっいなっ/『竜が滅ぶ日』(長谷川裕一)ほか



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