無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2002年07月29日(月) 肉は血となり肉となる/『砲神エグザクソン』5巻(園田健一)/DVD『マジンカイザー』6巻ほか

 一年中でいつの季節が嫌いかというとこれはもうまったくもって夏である。
 薄着のねーちゃんが見られるやないか、と目尻下げてるオヤジも多かろうが、私は視力がないので全然嬉しくない(あったら嬉しいんかい)。
 だいたい、夏の太陽を青春のシンボルみたいに言って、のーてんきに喜んでるのは、四季があって、世界でも最も暮らしやすい環境にいる日本人の奢りみたいなもんである。アラブじゃ灼熱の太陽なんて、悪魔の化身だぞ。日本の某食品メーカーが太陽をシンボルマークにしてたせいで、缶詰が全く売れなかったって話もあるくらいだ(ちょっと都市伝説混じってると思うが)。
 暑いと当然汗をかく。
 汗をかけば臭い。
 だから風呂に入る。
 けれど外に出ればまた汗をかく。
 臭い。
 風呂に入る。
 いくら風呂に入っても汗臭いのが取れないような気がする。
 段々イライラしてくる。
 しげも臭いし、あいつはなかなか風呂に入らないからから、ダブルで臭い。
 そのうち、腋の肉と腹の肉を殺ぎ落としたい衝動に駆られてくる。
 頭痛が痛い。目眩がする。
 むやみやたらに他人に当たりたくなる。
 本気で精神に以上を来たしそうな気がして来たので、これはヤバい、と午前中にちゃっちゃと仕事を片付けて、半日で帰宅。

 先日の検査結果を聞くために病院に行く。
 平日の昼だというのに、来院者多し。やたら待たされるうちに喉が異常に乾いてくる。大きな病院だと売店もあるしウォータークーラーもあるんだが、ここにはそんなものはないのでガマンするしかない。
 でも我慢しきれずに、看護婦さんに頼んでコップに水を汲んでもらったのだが、これも随分時間がかかった。看護婦さんたちだって飲み水は必要だろうに、すぐに出せるところに水が置いてないって、どういうことなんだ。水を出せ。出すんだ。そうやって、私を飢餓状態において苦しめて、その様子を見ながらほくそ笑んでいるのだな。だ、だれの陰謀だ。黒幕は誰だ。CIAか、スペクターか。分かったぞ、○○○○だな。あのとき○○○○○が○○○○○○したのを逆恨みして、裏で手を回したのだな。く、く、くそう、こうなったらこの病院の○○○○○を○○○○して○○○○○……。
 ……いかん、暑さのせいで本気で思考回路がショート寸前だ。せーらーむーんか。

 今日も担当はいつもの先生ではなく、院長先生。
 どうしたのかなあ、夏休みでも取ってるのかなあ。いつもの先生、すごく明るく喋ってくれるので、どんなに悪い結果聞かされても気落ちしなくてすむんだが。いや、それがなんの解決にも繋がってないことは重々承知しております。
 「……どうでしょう、血液検査の結果は」
 「よくないですね。……よくないどころじゃありません、ハッキリ言って悪いです」
 「はあ」
 「血糖値が220越えてます。コントロールができてないでしょう。運動してますか?」
 「車で通勤するようになってからはほとんど……」
 「体重も80キロを切るようにしないとね。一気に落とすのはムリだとしても、少しずつでも落とすようにしないと、危険ですよ」
 「はあ」
 「奥さんにも協力してもらって」
 あ、そりゃムリだ。まず確実に不可能。蟷螂の斧、焼け石に水、桃栗三年柿八年、ちょっと違うか。ああ、先は短い(T.T)。こうなると、定期的に入院するしかないかなあ。
 入れ代わりで診察室に入るしげ。と思ったら、ほんの数分で出てくる。
 「どうだった?」
 「ほとんど健康だって」
 「……ほとんどって、じゃあ何が悪かったんだよ」
 「『肉を食べすぎてませんか?』だって」
 何たる慧眼。ここの医者、もしかしたらすごく信用できるかもしれない。まあしげの体型を見れば一発で分かるとも言えるが。
 しげ、「何でこんなに頑丈に生んでくれたんだ」とか親を恨む発言。遠藤淑子の『エヴァンジェリン姫』シリーズのセリフを受けての発言なので、悪気はないのだが、病院で患者さんたちがいるところで口にするコトバじゃないな。

 セガワールドにちょっと寄ったら、UFOキャッチャーでいかにも取りやすそうな位置に『あずまんが大王』のおーさかがあったので一発ゲット。……ああっ、UFOキャッチャーではコップとか時計とか、使えるものしか取らないと決めていたのに、つい……(*・・*) 。
 まあ、おーさかだからいいか(なんでだ)。
 しかしねー、生身の女の子にはねー、あまり癒されるような感覚持たないのにねー、実際、癒し系とか和み系なんてコトバは聞くだに虫唾が走るってのにねー、どうしてアニメのキャラにはほわんとした気分になってしまうのか。おーさか巨乳でもないし。
 人間としてやはり何かがケツラクしているということなのだろうか。

 昼飯はガスト。
 なんだか久しぶりに来たような気がするが、のどの乾きが続いているので、ドリンクバーがある店を選んだのである。
 ここのココアがお気に入りなのだが、今日はお茶やコーヒーにする。糖分を控えるつもりだったのだが、飲んでみると苦いばかりで美味しくないので、ついシロップを入れる。この一杯が死への第一歩。
 注文したのがスパゲティにオムライスだから、もう五歩くらい進んだかもしれない。しげの影響か、私も自分の欲望を押さえ切れなくなってるのである。

 しげ、検査結果がよかったせいなのか、いつにも増して機嫌がいい。
 ただでさえうるさいやつがさらにうるさいので、助手席に座っていると鼓膜が痛くてたまらない。
 何しろ乗ってる間、謎の言語で歌いまくっているのである。
 「ぴゃぴゃぴゃぴゃー、ぴゃぴゃぴゃぴゃー、ぴゃっびゃっぴゃっぴゃっ、ぴゃぴゃぴゃぴゃー」
 狂ってるよなあ。
 近所のベスト電器で生ビデオテープを買い込み、マルキョウに寄って帰る。
 しげがなぜかそうめんに拘ったので、山ほど買い込む。誰が食うんだそんなに。


 マンガ、園田健一『砲神エグザクソン』5巻(講談社/アフタヌーンKC・540円)。
 これだけ超爆乳の女の子出しまくってて、砲一の初体験の相手が微乳の茜だってのも趣味に走ってるよなあ。巨乳と微乳のどちらがいいかというのはそれこそどうだっていい問題なのであって、巨乳には巨乳の、微乳には微乳の醍醐味が……。
 おっと、それがメインのマンガじゃないって(^_^;)。
 エグザクソンでのハデな戦いはいったん休止、表面的には戦いが沈静化した中での権謀術数の情報戦が繰り広げられる。こっちの展開のほうがドンパチやってるより面白いな。
 砲一は姿を変え、甲弾として学校に戻る。エグザクソンの活躍で、生徒たちも以前ほど砲一のことを阻害するような雰囲気はなくなりつつある。その間、勇華の分身が砲一に変身し、各地の人命救助にあたっている。地球人の諦めムードがこれで少しずつ変わっていく。リオファルドの地球人処理工場の様子がリークされ、反リオファルドの動きが少しずつ高まっていく。
 細かい描写を積み重ねてリアルさを表現しているのは、リオファルド側も同じで、シェスカを死んだものとして英雄として祭り上げるあたりや、実際には生き延びたシェスカが造反していく過程は、この先戦いが三つ巴、四つ巴の複雑な様相を呈していくことを予感させる。
 もっとも、読んでいて息苦しく感じる面があることも否めない。随分面白くなってきたし、リアルになることがいけないとは言わないけれども、なんだかまだまだムダに血が流れそうな(流れないわけにはいかない)雰囲気が漂ってるのは、ちょっとツライのだ。まあスカッとしたヒーローものを描こうってワケじゃないからそれは仕方ないんだけれども。キンバー先生は死んでほしくないなあ。もう充分苦しんでるんだから。


 DVD『マジンカイザー』6巻。
 あと1巻で終わりってことで、クライマックスになるはずだけれど、どうもイマイチ盛り上がらない。甲児がマグマに飲みこまれる程度じゃ、今更スリルもサスペンスもない。マジンカイザーに乗ってるんだから平気でしょ? ってなもんで。マグマ程度で溶けるんなら超合金(今はなんて名前になってるんだ。ガンダリウムか?)の意味がないじゃん(それにしても兜十造博士は超合金をどうやって加工したのか)。
 1・2巻で盛り上げ過ぎたんだなあ。ありったけ機械獣導入するわ、ダブルマジンガー絶体絶命になるわ、マジンカイザー暴走するわ、クライマックスの連続(日本語になってないな)。
 これを更に盛り上げるのが至難のわざというのはわかるが、でも作った以上、グレードを落としちゃいかんよなあ。合体機械獣ガラダブラなんて、ギャグでしかないじゃん。ブロッケンやゴーゴン大公出せよ、ローリィ&ロールはどうして
ミリオンαに乗らないんだ。最終回、マジンガー軍団出さないのか。
 ホントに第2シリーズ作ってくれるんじゃなきゃ、物足りないぞ。私ゃあしゅら男爵の「なぜだブロッケン!」の断末魔のセリフが聞きたいのに(悪趣味)。


 夜、NHK『桂米朝 最後の大舞台』の再放送を見る。
 米朝さんをテレビで見るのも久しぶりなので、急に老けこんだ印象。もう銀髪で顔色もよくなく、確かにもう昔日の溌剌とした面影はない。
 ただ、口跡もはっきりしていないし、老いは確実に米朝さんの芸に影を落としてはいるのだが、眼光だけは濁っていないのだ。恐いというか、鬼気迫る印象すらある。噺家としてはそれはもう余裕がなくなっているということで、あまりよいこととは言えないのだが。老いと戦い、追いつめられているのである。
 桂枝雀の思い出を語る米朝さんの表情はあまりに痛々しい。
 米朝さんの後を継ぐのは、枝雀さんと誰もが思っていた。「枝雀が生きてたらなあ」。米朝さんは本来そういう泣き言を言う人ではなかったと思う。
 番組の途中だったが、居たたまれなくなってテレビのスイッチを消した。……芸人のこういう裏事情を伝える番組は、感情的には不要に感じてしまう。記録として残しておく意義があることは理解できるのだが、噺家は笑わせてナンボじゃないのかなあ。

2001年07月29日(日) いっじわっるはっ、たっのしっいなっ/『竜が滅ぶ日』(長谷川裕一)ほか



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