無責任賛歌
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2003年07月17日(木) |
本能に逆らえないやつっているのな/『なんてっ探偵▽アイドル』13巻(北崎拓) |
しげがまた具合が悪いというので、タクシーで出勤。 ラジオから流れてきたニュースが「痴漢えん罪被害者ネットワーク」の代表・長崎満が、地下鉄車内でOLの下半身をカメラ付きの携帯電話で盗撮したとして、現行犯逮捕されたというもの(関係ないけど、「冤罪」くらい漢字で書こうよ)。 この人、『日本の論点2003』にも「痴漢冤罪はなぜ起きるか」の項で、「こうして私は痴漢の犯人にされた――『疑わしきは罰する』司法の恐怖」というタイトルの文章を発表している。こういう事件が起こったあとでモノを言うのも何なんだが、以前読んだときから「この人ホントに冤罪なんかいな?」と疑いを抱きたくなるような文章を書いていたのだ。 現物が本の山の中に沈んでいるので正確に引用はできないが、まあ「わ〜た〜し〜は〜潔白だ〜、や〜ってな〜い〜♪」に繋がる胡散臭さが感じられるものなんですね。自分はやってないという主張、逮捕されたときの状況や警察の理不尽さは語るけれど、身の潔白を証明しようという姿勢、その論拠を示す記述が殆どないのである。「相手が悪いから自分が正しい」ということにはならんのだが。 文体もどうもネチッこいし、言っちゃ悪いが、掲載されてるお写真を見てもどこか腺病質で目がイッちゃってて、いかにもソレっぽい。そんな決めつけしていいのか(^_^;)。 いや、人間ってどうしても見た目で判断されちゃうものだから、気を付けないといけないってことが言いたいだけです。疑わしきはホントに罰せられがちなんですから(なんか経験があるのか)。 「こーゆー人って疑われる素因があるんだよなあ」とか思ってたのだが、今度は完全な現行犯逮捕である。もう言い逃れができないと言うか、前回の「冤罪」も実は冤罪じゃなかったのでは、という疑問は誰しも感じるであろう(ラジオでもパーソナリティーがそんなこと言っていた。つか、実は証拠が有力で有罪が確定しているのである)。 本人は「酒に酔っていて覚えていない」と話してるそうだけど、その場にいた男性二人に取り押さえられたときに、盗撮に使ったカメラ付き携帯電話を壊し、画像も消去したとか。酔ってようが酔っていまいが、こうも明白に証拠隠滅図ろうとしてちゃ、さすがに彼の言い訳をマトモに聞こうって人間はおるまい。 「痴漢えん罪被害者ネットワーク」に参加している人たちの全員が「疑わしい」人だとは思わない。その殆どは本当に潔白な人たちなのだろう。けれど、「そういう冤罪被害者の人たちに混じれば、自分の痴漢行為をカモフラージュできる」と考えるモノホンの痴漢がいてもおかしくはないのだ。木は森に隠せというヤツか(森に擬せられる方はとんだ迷惑である)。 こういう組織って、「入会審査」とかしないのかね。してなさそうだけれど、裁判までして争ってれば、本当にやってないんだろうってつい信じちゃうのも分らないではない。でも、今回の件がこの会の活動に支障をきたすような事態にならなきゃいいがなあとは思う。だって、「痴漢にあったフリをして男性から小遣いせびり取る」馬鹿女だっているんだから。
それはそれとして、この事件でもう一つ特筆すべきなのは、カメラ付き携帯の多用な使用方についてであろう(^o^)。 これまでにも盗撮してた連中は小型カメラをカバンに仕込むなど、涙ぐましい努力をしていたのだが、カメラ付き携帯というのは、実に盗撮をしやすくしたようだ。不自然な姿勢を取らなくても、別のモノを撮っているフリをしてパッと誰かを撮るとか、それくらいのことは可能になっちゃったのである。 何か便利なものが発明されるたびに、それがもたらす弊害が云々されるが、この発明はその手軽さからほかにもいろんな「誘惑」を誘発しそうな気がする。私も最近、カメラ付き携帯に買い換えたい気分になってるんだよねえ、道端歩いてて、トマソンだのVOW物件やトンデモ物件だの見つけたらつい撮っておきたくなるもの。でも、うっかりヤバイもの撮っちゃってトラブル、とかいう事態にもなりかねない。 いや、女の子盗み撮りとかそんなことはしませんよ。しませんけどね、偶然映りこんじゃって疑われたらどうするんですか(^_^;)。
晩飯は博多駅バスセンター8階の「ぎおん亭」で牛タン定食。 ここのウェイトレスさん、注文を取るとき、例の過去形での「よろしかったでしょうか」という間違いをせずに、普通に「以上でよろしいでしょうか」と言った。最近はレストランに入るたびに苦々しく思っていたのだが、それだけで気分がよくなった。 朗らかな気分で「すみません、お水をお願いします」と言ったら、「おひや?」と聞き返される。一瞬こちらも口篭って、「お水です」ともう一度繰り返したら、また「おひや」と確認される。いや、「おひや」でも悪くないんだが、それは商売用語だから、基本的に店の人間は使えても、客は使えないのである。「お勘定」とは言えても「お愛想」と言えないのと同じだ。再確認されても困るのである。 よくそのウェイトレスさんの様子を観察してみると、どうやら日本人ではないようだった。珍しく日本語がちゃんとしてると思ったのは勘違いだったか。なんだかちょっと浮かれた分、興醒めの度合いも大きくなってしまった。
マンガ、北崎拓『なんてっ探偵▽アイドル』13巻(小学館/ヤングサンデーコミックス・530円)。 今回はアレですねー、「女だらけの水泳大会」とか「TVジョッキー」とか、、70〜80年代テイストのえっちバラエティのノリが楽しかったですねー。梨奈ちゃんやかおりんはべとべとになっちゃうし〜、サービスのシャワーシーンはあるし〜、アキラちゃんの半チチはモロ見せするよりウハウハしちゃうし〜、ミステリーマンガとしての設定なんてどっかに行っちゃってるし〜、なァ〜んにも考えないで読めますね〜、もう、私も脳がトシちゃん状態、あは、あは、あはははは〜(゜∇、°)。 ……ホント、私ゃなんでまだこんなの買ってんだろ(-_-;)。 バーチャルアイドル話のトリックは、「それやっちゃダメだよ〜」ってネタだったけど、まあそれはいつものことかなー。
2002年07月17日(水) それさえも平穏な日々/『脱ゴーマニズム宣言』(上杉聰)/『潜水艦スーパー99』(松本零士)ほか 2001年07月17日(火) 何年ぶりかの酒の味/『水木しげる貸本漫画傑作選 悪魔くん』上下巻
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藤原敬之(ふじわら・けいし)
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