無責任賛歌
日記の表紙へ昨日の日記明日の日記




ホームページプロフィール掲示板「トーキング・ヘッド」メール
藤原敬之(ふじわら・けいし)

↑エンピツ投票ボタン(押すとコメントが変わります)
My追加


2003年02月04日(火) 予想通りに世の中が動くって味気ないね/DVD『パパ・センプリチータ』/『名探偵コナン 10+PLUS SDB』(青山剛昌)

 スペースシャトル・コロンビア号の事故のために、本当なら三面記事のトップを飾ってたかもしれないいくつかの記事が、アオリをくらって小さな囲み記事になってしまっている。
 一つは『千と千尋の神隠し』のアニー賞(国際アニメ映画協会賞)授賞式なんだけど、長編アニメ映画、監督、脚本、音楽の全4部門を制覇したのに、西日本新聞じゃ社会面の右ページの端、朝日新聞に至っては、5センチ四方の囲み欄に数行での紹介。宮崎駿に恨みでもあるみたいだ(^o^)。
 中田秀夫監督の『仄暗い水の底から』も、フランスの「第10回ジェラルメール国際ファンタスティック映画祭」でグランプリ・批評家賞・審査員賞の三部門を制覇したんだけれど、これも全くと言っていいほど新聞報道されていない。
 私ゃいい加減、この国のとってつけたような宮崎駿フィーバーぶりにも飽き飽きしてるし、中田秀夫も『リング2』で見捨てちゃったから、記事が小さくなったってかまいはしないのだけれど、事故についての過剰報道のせいでこちらの知りたい情報が無視されてしまうのがどうにも業腹なんである。
 事故は要するに事故なんだから、報道するったって事実を提供しちまえばそれで終わりである。原因の究明だって、調査が進展しないことにはたいした話は報道できない。なのにマスコミってさ、こういう純然たる事故についてまで、「犯人」や「悪人」を探し出して追求したがるんだよねえ。
 例の9.11・ツインタワーテロの時も、アラブの人たちが大喜びしてる様子を何度もテレビで流して、反アラブの感情をかきたてさせようと姑息なことしてたけどさ、今度もニュースソースがはっきりしてない時点でアラブの誰かが「天罰だ」と口走ったとか、テキトーな情報を流してた。けれどイランかどっかの首脳は、「事故は事故」ということでコロンビア号の七人に哀悼の意を表明していたぞ。
 アメリカ人の一部には、「あんな上空で起こったことだからテロじゃないとは思うけれど……」とかアホなこと言ってるやつもいる。テロの可能性なんて、0.01%もねえよ(ーー;)。
 百歩譲って、テロ組織がスペースシャトルに時限爆弾か何かを仕掛けるとしたらだよ、離陸前か離陸直後に爆破するようにするってば。時間が後になれば後になるほどチェックや爆弾自体の事故で爆破が失敗するかもしれないじゃん。
 それともまさか、ツインタワーのときみたいに、あの七人の中にテロ組織のスパイがいて自爆したのかも、とでも言いたいの? アメリカは自由な国だからねー、何言ってもいいんだろうけどさー、勝手な妄想が他人の神経を逆撫でする可能性もあること、もちっとばかし考えた方がよかないかね。
 テロのせいで心が病んじゃってる人がいるってのはわかるけど、なんでもかんでもアラブのテロに結びつけようって心理ってさ、エスカレートしてきゃ、関東大震災の時に「朝鮮人の暴動が起きる」とデマを飛ばした連中のと似たような事態を引き起こす危険だってあるんだよ? そんな臆病な猜疑心がアメリカ人や日本人の一部に根付いちゃってるとすると、何かのきっかけで戦争のスイッチが押されちゃう危険も確かにあるよなあ、と思うんである。
 私のこの考えのほうが「疑心暗鬼」で「被害妄想」だったらいいけどなあって願うけどね。

 今回の事故で、NHKの朝の連ドラ『まんてん』の内容が変更されるんじゃないか、と心配された向きもあったようだ。
 ……って、誰がどうして、何を心配してるってえのよ。
 宇宙飛行士を夢見るって、もともとキレイゴトで描けることじゃないでしょ。既に「チャレンジャー号爆発」という「事故」はこの番組が始まる前に起きてんだからさ、主人公が「命をかけてでも」って決意でその道を目指すんじゃなきゃ、初めからウソになるじゃん。「また」事故が起きたからって、路線変更しなきゃならない必然性は全くない。
 小見山佳典チーフプロデューサーは「この番組のテーマである宇宙に飛び立つ内容を変えることはない」と、改めて表明したとのことだけれども当たり前のことだ。
 番組内容が変わるって、主役が「宇宙は怖いからもう行くのやめる」ってオチになるとでも思ったの? それって、「おしん」が苦労の果てに報われることなく最後に野垂れ死ぬようなものじゃないの。朝の連ドラでンな結末にするかどうかちっとばかし頭を捻って考えてみりゃわかるだろう。やっぱり妄想入っちゃってるよなあ(~_~;)。
 もっとも私は『まんてん』を見たことがないので、もしかしたらキレイゴトだけで作られてるのかもしれないけれど(^o^)。


 晩飯は久しぶりに「ザ・めしや」で食事。
 ここは福岡転勤と相成ったZUBATさんも利用されているらしいので、もしかしたら今日、ここで会えるかな、とか運命の出会いを想像してみたが、そんな偶然はそうそうあるわけないのである。
 好きなおかずを取って食べられるバイキング方式なので、肉・豆腐・刺身・サラダなどまんべんなく取る。
 しげは初め「丼もの丼もの」と言ってたのに、取ってきた皿を見るとカツ丼でも牛丼でもなく、肉を中心にしたおかずが何皿か。
 「ドンブリにするって言ってたじゃん?」
 「ああ、肉の皿を見てるうちに忘れた」
 ……って、それ言ってたのほんの3分前なんだが(-_-;)。
 とりあえず目の前に肉が見えたらその直前の記憶が消えるのか、おまいは。
 だったら、仮に私が、超グラマーな女性とうへへへへと浮気したり、会社のおカネをガバカバ使いこんでクビになったり、競馬競輪バカラにポーカー、ありとあらゆるギャンブルに手を出して借金まみれになったり、「へへへ、ねえちゃん、ええもん見せたろか」と道端で淫らな行為に及んで警察にとっつかまったりしても、「肉おごるから許して?」と言ったら許すんか。
 ……許しそうだから怖いよなあ(^_^;)。


 DVD『シティボーイズミックス パパ・センプリチータ』。
 これまで発売されてたDVDのケースは全部小さなCDサイズだったのだけれど、今度はトールサイズ。やっばりそうしないと売れないのかな。
 DVDシリーズは毎回マルチアングル仕様で、できるだけ舞台の雰囲気を再現しようと工夫してくれているのが嬉しいのだが、今回はなんと四分割画面が選択できるという、前回の『ラ・ハッスルきのこショー』が単なる画面切り替えだけだったのに対して、より複雑になっている。
 その分、眼がチラチラしてどこ見ればいいのかわかんないって感じになっちゃってるけれど(^o^)。
 考えてみたら、「シティボーイズはいいぞ」とやたら書いてるわりにはどんなギャグがあるのか、あまり紹介したことがないな。でも舞台のギャグくらいコトバで説明するのが難しいものってないのよ。書き手としてはエッセンスを解説したつもりになってても、単に小難しいコリクツこねてるだけにしか見えないしねえ。
 というわけで、わかりやすいセリフのギャグを一つ。
 客からクレームをつけられて謝りに来た納豆会社の社員どうしの会話。
 大竹「心から謝らないのに謝ったってしょうがないでしょ!?」
 きたろう「キミは学生か! 心から謝るオトナなんていないよ!」
 ……うーん、やっぱり難しいなあ。卑劣な小心者を演じてるきたろうさんがこのセリフを言うから、すげえ説得力が生まれて笑えるんだが。
 ……うーん、確かに私も心から謝ってるオトナになんか会ったことがないな。いいのか、そんな世の中で(^_^;)。
 毎回恒例になっちゃった(+_;)「放送させないよ〜ん」カットは、版権に引っかかる関係で、「宝塚コント」での「ゴッドファーザーのテーマ」がP音処理。全面カットにはならなくてホッとしてるけど、WOWOW放送時からカットされてたかなあ?


 青山剛昌『サンデー公式ガイド 名探偵コナン 10+PLUS SDB(スーパーダイジェストブック)』(小学館/少年サンデーコミックス・600円)。
 「テンプラス」ってどういう意味かと思ったら、10巻ごとに内容をダイジェストして紹介するってことなんだな。……普通、こういうムック本って、設定資料の紹介とか、キャラクターの分析をするものなんじゃないのかね。ただのダイジェストだけで中身がえらく薄いぞ。
 青山剛昌のインタビューが唯一のウリみたいなものだけれど、子供のころからのミステリファンであることを表明していながら、その語ってる内容が図らずもこの人のウスさを露呈させてしまっている。
 「仕掛けもののトリックを作るのが昔から好きですね。かもいに糸を通して、どっかのドアを開けると何か落ちるとか」。
 ミステリファンなら即座に指摘できる問題点が二つ。一つは機械的トリックはミステリのトリックとしては下の下だという認識がないこと、もう一つは、「それ盗作じゃん」ということ(-_-;)。こういう基本的な知識もわかっちゃいないから、ミステリファンはみんな揃って『コナン』を罵倒してるんだよ。
 「DVDの棚には探偵もののソフトがギッシリ!」ってんでその写真を見てみると、『探偵物語』『刑事コロンボ』『ヴィドック』『名探偵登場』『私立探偵濱マイク』『シャーロック・ホームズの冒険』『名探偵ホームズ』『名探偵ポワロ』『TRICK』などなど。
 私とかぶってるのが多いな(^_^;)。でも一見濃そうに見えて、海外の本格ミステリ映画や、ヒッチコックの諸作なんかは無視してる感じだね。松本清張や横溝正史や江戸川乱歩もないな。このラインナップの中でまあミステリの王道と言えるのは『ホームズの冒険』と『ポワロ』くらいじゃないのよ(『コロンボ』は倒叙ものだからね)。よくもまあ「ミステリファン」なんて威張って言えたものだ。
 作者本人の気に入ってるエピソードはこないだスペシャルでも放送された高木と佐藤の爆弾事件だそうな。あんな出来の悪いバカ話を自画自讃してるんだから、これはもう処置なしである。もっともどのエピソードを選んでもアホ話ばかりだから結論は同じなんだけど。「推理小説を星の数ほど読んだ」? 誰が信じるそんなの。せいぜい建国時のアメリカ国旗についてる星の数程度じゃないのか。
 ミステリファン、もっとこの人に怒ろうよ。「ミステリはあの程度でいい」なんて若いファンが増えててさ、マジで百害あって一理なしの状況を作りだしてんだよ、この人。

2002年02月04日(月) チョコレート一本勝負/『何だかんだと』(ナンシー関)ほか
2001年02月04日(日) HOME,SWEET HOME/『犬の気持ちは、わからない』(押井守)



↑エンピツ投票ボタン
日記の表紙へ昨日の日記明日の日記

☆劇団メンバー日記リンク☆


藤原敬之(ふじわら・けいし)