無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2002年08月08日(木) モラリストは読まないように(^_^;)/『軽井沢シンドロームSPROUT』1巻(たがみよしひさ)ほか

 朝のニュースで、『少年ジャンプ』に『世紀末リーダー伝 たけし!』を連載中の漫画家、島袋光年が女子高生を買春した容疑で逮捕されたとか。
 一応、まだ容疑の段階ではあるけれども、本人は正直に罪を認めたんだと。認めたからって罪が軽くなるわけではないが。知り合ったのは出会い系サイトという、なんだかもうお定まりのパターンだけれど、っつーことは、女子高生の方もモトモトその気だったってことだな。男の方が罪に問われて、女の方は未成年ってこともあってか被害者扱いってのはなんか不公平な気もするが、このヘン突き詰めて語ると怖いおねえさんが絡んでくるので止しとこう(^o^)。未成年と美女の犯罪には寛大な国だからね、ここは。
 『たけし』は読んでなかったので、あまりショックは受けなかったのだけれど、これは当然連載中止、単行本の出版も同様だろう。それどころか、島袋氏の漫画家復帰自体ありえなくなる可能性が大だ。
 作家や芸能人だと、人を殺しても刑期を終えてカムバック、という例がないではないが(箔が付くって見方すらある)、マンガ家だと同じ扱いは難しかろうからなあ。いや、私がマンガ家に偏見持ってるってんじゃなくて、過去の例から想定してるんだけどね。賭博や銃刀法違反なら、「禊」もありえようが、買春だとどうだろう。復活するとしても「実録漫画」の道しかありえないのではないか。
 少なくとも『ジャンプ』が拾ってあげないことは確実のように思う。ほかの少年誌もほぼムリだろう。サブカルチャーと言われてはいるものの、実質上、少年マンガの世界はコチコチの保守なのである。『ガロ』なら拾うか?
 なんだか随分先の話をしているようだが、本当に島袋氏にマンガ家としての実力があるなら、各出版社は「復帰」を前提としてこの事件を考えねばならないのではないか。道徳がどうの倫理がどうのは関係ない。島袋氏が真実「作家」であると考えるなら、逆に世間の道徳で彼の存在を縛ってはならないはずである。
 ……まあ、結局は島袋さんがホントに面白いマンガを描いてるかどうか(今後も描けるかどうか)がポイントになるんだけどもね。

 それはそれとして、今『少年ジャンプ』の発行部数って、毎週340万部なんだってね。一時期700万部に迫ってたころを考えると、半分に減ってるんだなあ、やっぱり。あれだけアニメ化攻勢を仕掛けていながら、これが限度なのか。つまんなくなっても、『ワンピース』が終われないわけだ。


 今日も昨日に引き続き、小倉に出張。特急で行こうか新幹線で行こうか迷ったが、たいして料金が変わらないことに気づいて、新幹線に乗ることにする。
 おかげでゆっくり朝寝ができました。
 実は出張とは言っても、寝ていても仕事がこなせてしまう種類のものなのだが(どんな仕事や)、どうも生真面目なタチで積極的に働いてしまう。ムダな仕事はしたくないが、調子に乗ると必要以上に仕事をしちゃうのだが、上司にしてみれば、こういう人間が一番使い勝手が悪いんだろうな。
 昼は、昨日と同じAIMでジャージャー麺を食べる。全体、味のわりに値段が高いぞ。

 仕事は4時ごろに片付く。
 せっかく北九州に来たんだから、と、よしひと嬢と塩浦嬢に、夕食でもご一緒に、と声をかけていたのだが、よしひと嬢の仕事が引けるまでまだ2時間ほどある。観光施設の類はもう閉まっているので、回れるところなんて本屋くらいしかない。
 商店街に入るなり、いきなり○○○○○人が○○していたが、全く小倉の治安は昔からちっとも変わってない。
 博多はなんだかんだ言って、アブない通りが区分けされてるからなあ。ヘタに入りこまなきゃ危険はないのだが、北九州はどこで誰にどんな目に合わされるかわからないところがあるんだよなあ。
 10年以上前、北九州に住んでたころ、小倉駅前でヤクザに絡まれたこともある。女の子連れだったので(妻ではないが怪しい仲でもない)、逃げるに逃げられず、ニコニコ笑って歓談して、みぞおちに一発入れられた程度で赦してもらった。痛くないふりをしたのがよかったのだろう。でもあんな目にはもう二度と会いたくない。

 駅前の商店街にヤバイ店がチラホラあるってこと自体、どうかと思うのだが、アニメ絵のキャラクターが看板になってる「メロンブックス」という本屋があったので覗いてみたらエロマンガ屋でした。店の名前で気づけよ、オレ。
 冷やかしで帰るのも悪いので、エロでないマンガを探して買い、慌てて外に出る。口直しに福家書店に行く。福岡も小倉も、福家だけはオタク少年のためのメッカである。福岡で探して見つからなかった『軽井沢シンドロームスプラウト』の1巻をめっけた。他にも何冊かマンガや小説を買いこみ、ロッテリアで時間を潰す。


 マンガ、竹本泉『ねこめ〜わく3』(宙出版・600円)。
 え〜、百合子様がろーにんになりました。新しくオスカ・ヨーリスがやってきて猫の世界の人間は二人になりました。……ってもう『ねこミックス』で読んじゃった話ばっかだから今更感想はないな。
 うん、ねこに軍隊はいらないねってことを再度確認。


 マンガ、たがみよしひさ『軽井沢シンドロームSPROUT(スプラウト)』1巻(秋田書店/ヤングチャンピオンコミックス・540円)。
 兄貴兄貴、薫平の野郎、メッシュ入れてますぜ(^_^;)。
 今、昔の『軽シン』読み返すと、もうカッコつけ過ぎててクサイばかりで、ようこんなんにハマッてたもんだなあと自分が情けなくなるのだが、多分、今この『スプラウト』(「芽」の意味だそうな)にハマる若い連中も、20年経って同じ思いをすることだろう。
 筋はまあ、なんつーか、もうバカな自己中のガクセイが、でもカッコだけつけてりゃ世間サマが許してくれるっていう内容の勝手なもの。
 18歳の相沢薫平くんは、腕っ節が強くてモテモテくんなので、葛西綾愛ちゃんというかわいい彼女がいるのですが、つい吉田芙美恵ちゃんという後輩の女の子とエッチしてしまいました。でも正直な薫平くんはそのことを綾愛ちゃんに告白するのでした。正直に喋ったので、綾愛ちゃんから嫌われずにすみました。よかったですね。
 ……あほ?
 昔と変わってねーよ。たがみさん(-_-;)。
 現実に「おれの運命やいかに?……てか」なんてキザったらしいセリフを口にしてたら、誰ぞにボコにされても文句は言えないと思うけれど、なんだか軽井沢が舞台だと別に構わないような気が昔はしてたんだよなあ。いや幻想幻想。けれどその幻想に乗せられて大学時代、仲間うちで軽井沢で合宿までしたんだよ、私。
 「ら・くか」にも行ったよ。「ピクシー」には行かなんだが(^_^;)。
 ううう、忘れたい過去って、私にもあったのだな。

 で、20年経っても「ら・くか」も「ピクシー」も潰れてねえ。そんでもって、耕平も絵里も全然老けてねえ。なのに薫と純生だけジジババになってやがる。たがみさん、キャラにエコヒイキしてないか?
 いや、そのヘンはまだいいのだ、ともかくどうしようもなくイタイのが、欄外の書き込み……。うわあ、あれだけ楽しかった書き込みがたかだか20年弱でこんなにイタイものになっちゃうとは……。
 ああ、しかし、このままいくと40歳の久美子にも出会わなきゃならんのだろうか。つらい。つらすぎる。
 

 待ち合わせ時間になったので、よしひと嬢に連絡を付けようとするが、携帯の番号が変わってて繋がらない。塩浦嬢の番号も変わっている。繋がらないだけならまだしも、どちらも謎の人に繋がる(^_^;)。
 こりゃ、向こうから連絡がなかったら、今日はこのまま帰るしかないか、と心配していたら、ようやくよしひと嬢から連絡あり。小倉駅の改札前で待ち合わせすることにする。
 7時ちょうどによしひと嬢到着。塩浦嬢に連絡を取ってもらったら、もうこちらに向かっているとのこと。暑い中、けっこうな時間待ち続けていたので、喉が乾いてたまらない。塩浦嬢が来るまでと、キオスクに飲み物を買いに行く。
 改札から少し離れたところにある階段を降りたところの売店でお茶を買って飲む。戻ってきてみると、もう塩浦嬢も来ていた。
 「あの、どこへ行ってたんですか?」
 「飲み物買いに行ってたんだけど?」
 「売店、すぐそこにありますよ?」
 見ると、改札のすぐ隣が売店。こりゃ癪だった。でも実際、よく見えてないんだからしゃあないやな。塩浦嬢の案内で、インドカレーの専門店で食事。

 塩浦嬢、久しぶりに会うのだが、それほど雰囲気は変わってない。ちょっと期待してたのだが(何をだ)。
 知ってる人は知ってるあんなことやこんなことがあって、そんなのが芸のコヤシになってればなあ、と思ってたのだが、中身はともかく、見た目がそうガラリと変わるものでもないか。まあ、ヘンにスレた感じになるよりゃいいってか?
 今は北九州の大学に通いつつ、「うずめ劇場」という劇団で、ドイツ人のペーター・ゲスナー氏の指導のもと、女優目指して修業中の身なのだが、ホームページの役者紹介のところに名前はまだない。板の上に立つにはまだまだのようだ。
 「ドイツ人が面白いんですよぉ、私のバッグ勝手に開けて、アメ取り出して袋を開けたあとで、『このアメくださ〜イ!』とか言って。もう開け取るやんか!」。
 うーん、ドイツ人のギャグって深淵だなあ(^_^;)。
 突っ込んでる塩浦嬢のノリは、まるでヨシモトであるが。入る劇団、間違えてないか(^o^)。
 大学生活も楽しそうでまずは重畳。
 思想的にカブレたやつがいて、「ゴーマニズムがどうの」と騒いでいるとか。ガクセイの分際で政治に関心持ってるやつって、実はアイデンティティを確立できてないのを誤魔化そうとしてるだけってのが多いからなあ。だから言ってることがどんどんわけのわからん方向に向かって、ただわめいてるだけになっちゃうってのも昔からよくある話。シューキョーと変わらん。時代は移ってもバカは相変わらずいるってことかね。
 よしひと嬢は「大学に行きたいなあ」としみじみ語るが、年齢制限はないんだから、今からでも働いてお金貯めて、入っちゃえばいいのである。私が大金持ちならパトロンになるのだが(こればっか)、そういう僥倖は滅多にあるものではないので、自分でがんばってね。

 三倍だか五倍だかのカレー、美味。よしひと嬢も、「ちゃんとしたカレー食べるの久しぶり」とか言ってたが、私もそうだ。いや、「ちゃんとしたカレー」以前に「ちゃんとした料理」が食べたいよ。
 塩浦嬢、以前バイトしていた鰻屋は辞めて、今はCOCO一番屋で働いているそうである。カレー屋で働いてるのに、カレー専門店で食事をしたがるというのはどういう了見だって感じだが、まあ、COCOはねー、具はいろいろあるけどねー、肝心のルーの味がねー、ムニャムニャ。
 塩浦嬢、「不味いです」。
 おいおい、従業員が自らそれを言うか(^_^;)。でもホントにそうだからしかたがないんだなあ。もう少しコクを出すにゃどうしたらいいか考えてほしいよ。市販のカレーマルシェとかの方がよっぽど美味いんだもの。

 ロッテリアに移動して、埒もない駄弁り。
 ここでも気がついたら、「『クレヨンしんちゃん』はいいぞ」とか「『パワーパフガールズ』はいいぞ」とか喋りまくる。ほかに話題はないのか。
 よしひと嬢が、最近『サイボーグ009』にハマってるとか、塩浦嬢が『ガンダム』を“初めて”見始めた、とか聞くと、全く、世代の格差を実感しないではいられない。
 私「こないだのルパン(『ファーストコンタクト』のこと)、つまんなかったな。原典に返ろうとして失敗してるし」
 よ「私、クリカンの声がダメです」
 私「目黒祐樹よりはマシだけどね」
 塩「誰ですか? それ」
 私「実写版ルパンだよ。しらない? 次元が田中邦衛で銭形が伊東四朗。『ルバンょぉ〜、オレたちのルパン帝国はどうなっちまうんだよぉ〜』ってな感じで」
 すみません。8月7日、午後9時ごろ、小倉駅のロッテリアで田中邦衛の次元のモノマネしてたおかしなやつは私です(-_-;)。

 気がついたら10時近くになってたので、辞去。
 塩浦嬢、「しげさんに会いたいな」を連発してたが、元気でいればまた会える日もあろう。
 特急に飛び乗ったら、なんか特別列車だったらしく別料金を2千円ほど取られた。ううう、イタイ出費だ。

2001年08月08日(水) 代打日記
2000年08月08日(火) ボケ老人の夕べ/『カランコロン漂流記』(水木しげる)ほか



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