無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2002年07月14日(日) 劇団始動……か?/『電人ザボーガー』1・2巻(一峰大二)/『カムナガラ』4巻(やまむらはじめ)ほか

 あ、気がついたら明日で山笠も終わりじゃん。
 先祖代々ど博多民でありながら、ここまで山笠に冷淡な人間というのも珍しいんじゃないかと思うが、四十年見続けてりゃたいがい飽きるよ。進歩ないし(伝統芸は進歩しちゃイカン面はあるけどね)。
 でもなあ、あっちこっちに飾り山立てて、追い山であっちこっち山笠かついで走り回ってって、それだけの祭だよ? どんたくにしろ山笠にしろ、どうして全国各地からこうも博多に人間が集まってくるのか、地元民にはさっぱり分らないのである。
 あの、他地方のみなさん、そちらには地元の「祭」ってないんですか?
 今年も、偶然博多駅を通りかかった時に、一つだけ山笠を見たのだけれど、見返しがなんと『ONE PIECE』だよ。
 ……似てね〜(~_~;)。
 似てないだけじゃなくて、作り手、マンガ読んでないよな。ゾロ、二刀しか持ってないし。しかも歌舞伎みたいに見得切って、目の回りには隈取りまであるぞ。こんなゾロ見たら、熱狂的なワンピファンは激怒するんじゃないか。


 「ねえねえ、聞きました? 黒子さん。『スター・ウォーズ エピソード2 クローンの攻撃』が先々行公開、先行公開、そして昨日の公開初日の動員の合計が約40万人、興収5億7000万円を記録したんですって」
 「まあ、それってスゴイことなの? 白子さん」
 「もちろんよ、なんたって、あの『ハリー・ポッターと賢者の石』を抜いちゃったんだから。このまま行けば、最終的に1200万人の動員、興収170億円、『千と千尋の神隠し』『タイタニック』に次いで、歴代3位の記録を達成するんじゃないかって、配給元の20世紀フォックスは考えてるみたいよ、黒子さん」
 「まあ、でもそんなに都合よく行くかしら、白子さん」
 「そうねえ、雑誌なんか見てても、見た人が誉めてるのはラストのヨーダとドゥークー伯爵の決闘シーンばかりだから、2時間近くもアナキンがヒネクレてくだけの退屈なシーンを見せられ続けるのはつらいかもね、黒子さん」
 「雑誌って言ってもアナタが読んでるのは『アニメージュ』とか『Newtype』とか、オタク雑誌ばかりじゃないの。フツーの人はアナキンとパドメの恋のやりとりが楽しかったりするのよ、白子さん」
 「ええ〜? 身分違いの恋とか言いながら、あの二人の恋に反対する姑とか家来がいるわけじゃなし、二人の恋が歴史に大きな危難を呼んだりしてるわけでもなし、のんびり草原で抱きあってゴロゴロしたりしてて緊張感のカケラもないじゃない、あんなドラマの基本も知らないようなおバカで演出不在のストーリーのどこに感動するって言うのよ、黒子さん」
 「まあ、いろんな人をテキに回したがってるような発言ね、白子さん」
 「だってホントなんだから仕方ないじゃない、黒子さん」
 「でも、『タイタニック』に感動しちゃう程度の単純で呆けたメンタリティしか持ってないのが今の若い人たちじゃないの。それにあの二人の恋が大変な事態を呼ぶのは次のエピソード3だから、今はあれでいいのよ、白子さん」
 「納得いかないわね、けれど、じゃあ、あなたは『クローン』が『タイタニック』並にヒットするって言いたいの? 黒子さん」
 「そこまではムリだと思うけれど、イイ線までは行くんじゃないかしら。だってSF映画って、それだけじゃ絶対ヒットしないけど、付加価値があるとバケることがあるじゃない。『E.T.』がヒットしたんだって、「感動の名作」ってことでウケたんだし。『クローン』の目玉はやっぱりアナキンとパドメの恋よ、前半なのよ、白子さん」
 「ああ、あんな幼稚な恋物語で感動できるくらいなら、オママゴトしてた方がマシだわ、どうせなら、『猫の恩返し』の方を見に行ってほしいわね、黒子さん」
 「なんだ、結局それが言いたかったのね、もう、ホントにオタクなんだから白子さんったら」

 けど、映画がヒットするのは不況の証拠(遠出できるカネがないから)って言われると根っからの映画ファンとしては悲しいなあ。日頃からもっと映画を見とこうよ。


 しげは朝から劇団の練習。
 私は脚本だけの参加なので、肉体訓練には参加せず、午後を回ってから顔を出す。
 参加者は相変わらず少ない。よしひと嬢、穂稀嬢、つぶらや君のみ。ホームページに載ってるメンバーは10名以上いるのにどうなってんだか。パソコン持ってる連中も更新させようって気があるやつ少ないしなあ。
 キャストに使えるのは結局女性三人だけ。全く、毎回これだけの小人数で脚本を書けってのは酷ってもんだよ。私だってスタッフでもキャストでも協力したいのは山々なんだが、しげがヒステリー起こすのも毎回なものだから、今回はきっぱり断る。いい加減、私もしげのワガママに付き合うのは疲れた。
 脚本は、みんなの考えたものを寄せ集めて、九月、十月ごろまでに完成してほしいとのこと。それだけの期間があればできなくはないが、日記の更新と重なるんだよね、これが(^_^;)。
 とりあえず、シノプシスを再来週までにあげよ、との指令。へいへい。

 練習は今、エチュードを中心に練習しているそうだ。テーマを決めて、一対一でディベートを行う。つぶらや君はしょっちゅう負けてるそうだが、弁の立たない男って多いよな。これって、やっぱり男系社会の中で男が甘やかされて育ってるって証拠じゃなかろうか。男が男であるってことだけで自分の主張を押し通せることが多いものだから、日頃は何も考えなくてもやり過ごせるのである。ところがいざ、自分の発言に根拠を持たせようとすると、たいていうまく言えなくてシドロモドロになってしまう。
 よりによって、穂稀嬢とつぶらやくんのディベートのテーマは「私としげの結婚は正しかったか否か」。で、「正しい」派に回ったつぶらや君、負けてやんの(~_~;)。現実になんとか10年持ってる夫婦だというのに、なんで負けるかね、つぶらや。

 ブックセンターホンダで本を買ったあと、夕食は浜勝。
 実はヒレカツとロースカツの区別があまりついてないので、ミックスカツを頼む。ジューシーなほうがロースなのかな。
 いつもは一緒にトロロを頼むのだが頼み忘れる。こうなると、トロロが無性に食いたくなるので、帰りにスーパーに寄ってトロロイモを買う。けれど米を炊き忘れていたので、トロロ食いは明日以降に持ちこされるのであった。
 トロロだけすすって食えばいいじゃないかと言われそうだが、博多にトロロだけを食う習慣はない(あるかもしれんが私はしない)。
 熱々のメシの上にトロロをぶっ掛けて、醤油をちょっとだけ垂らして、余りメシとかき混ぜずに食うのが一番美味い。昔は生卵を混ぜたり豆腐を混ぜたりオクラを混ぜたり、いろいろ工夫していたものだったが(悪食とも言う)、最近はトロロだけで食うのが好きになった。
 単純な味が一番美味いって気持ちだけれど、単に味覚が淡白になっただけかもな(^_^;)。

 
 マンガ、うしおそうじ作・一峰大二画『電人ザボーガー』1・2巻(完結/角川書店・各1470円)。
 今はなき『冒険王』に連載されていた、ピープロ特撮ヒーロードラマの一峰大二による最後のコミカライズ作品。これがなんと28年ぶり、初の単行本化である(毎回思うが、いくら復刻とは言え、この高価は何とかならんか)。
 当時はもちろん、番組の方も見ていたのだけれど、『スペクトルマン』や『快傑ライオン丸』は好きで夢中になって見ていたから、細部もまあまあ覚えちゃいるのだが、『ザボーガー』あたりになると、どうも二番煎じ三番煎じ、ドラマに迫力不足を感じていたせいか、細かい設定はすっかり忘れてしまっているのである。
 もともと私は、ヒーローものは悪役が好きかどうかで判断してるところがあるのだが、『ザボーガー』の場合、「悪之宮博士」ってネーミングでもうダメだった記憶がある。そんな名前のやつがおるか、ガキだからって舐めんなよって印象を受けていたのだった。
 番組自体、視聴率的に苦戦してたんだと思う。ザボーガーがストロングザボーガーに改造されたかと思ったら、あっという間に終わってしまった。……テコ入れに失敗したことが露骨にわかる終わり方だった。

 マンガ版はもう、あの一峰大二のアクの強い絵柄でも平気、という人でないと楽しめないんじゃないかなあ。私などはあの腰を妙にツイストさせた絵柄見ると、「おお、一峰!」とか思って嬉しくなっちゃうんだけど。
 悪之宮博士が、アリを飼っていて、その手足を潰して楽しんでる描写などは、『スペクトルマン』にも同様のシーンがある、一峰さんお得意のモチーフ。要するに弱い者イジメなんだけれど、これはピープロの、というより一峰さん自身の正義感が生み出した描写だろう。
 「悪」とは何か、「正義」とは何か。悪とはつまり、弱者を虐げるものであり、正義とは弱者を守るものである。それだけを聞くと、随分単純な絶対悪、絶対善の価値基準の世界のように思われるかもしれないが、必ずしもそうではない。それは、正義が悪に破れるパターンを描く時、一峰さんの絵に特に力が入るところでもわかる。
 『スペクトルマン』で、蒲生譲二はしょっちゅう宇宙猿人ゴリに破れている。ムーンサンダーの回では、一度、完全に死んだ。その回のラストのコマは1ページを使ったゴリの高笑いである。絶対的な悪の前では正義は往々にして無力であること、正義はただ汗を流し、うなだれ、歯噛みして悪の哄笑をなすすべもなく聞いているしかないこと、それは当時は実にリアルな描写であった。
 また、善もまた悪をなすことがあることを、「ダストマン」や「クルマニクラス」の回では、テレビ版以上に一峰さんのオリジナルな解釈を加えて描いていた。実を言うと、私は『スペクトルマン』に関する限り、オリジナルであるテレビ版よりもマンガ版の方を圧倒的に評価している。
 『ザボーガー』でもそういった描写がないわけではないのだが、残念なことにページ数の関係もあったのだろう、安易な結末、ダイジェスト的な展開で終わる場合が多く、マンガとしての完成度は『スペクトルマン』『ライオン丸』に一歩も二歩も差をつけられている。物語が単純に見えるのは、『スペクトルマン』に比べて、主人公が幼く描かれているせいもあるのではないか(大門豊がストロングザボーガーを作るために、松江健に向かって「きみのマシーンとザボーガーを合体させれば鬼に金棒」なんて頼みこむのもちょっと発想が幼稚なんじゃないか)。
 それでも『ザボーガー』には、見捨てるに躊躇する魅力が多々残っている。悪之宮博士に利用され、主人公の大門豊をおびき出す囮にされてもなお、悪之宮を慕うミスボーグの健気さとかね(やっぱさあ、歯を食い縛って流す汗の描写がイイんだよ)。
 一峰大二なんて知らない、という若い人も多いと思うけど、食わず嫌いしないでちょっと手に取って見てみてほしいのである。マンガ喫茶やネットカフェででもいいからさ。


 マンガ、やまむらはじめ『カムナガラ』4巻(少年画報社/YKコミックス・520円)。
 「侵略者」の正体、「さとがえり」の真の意味が今巻で明かされるが、侵略者と被侵略者の関係が実は逆であった、というパターンはもう、枚挙に暇がないくらい見て来ているので、ちょっと拍子抜け。
 斎野が語っていることが真実なら、今は記憶をなくしている九谷、剣の一族としての記憶を取り戻したら、現代人としての倫理観との間で葛藤が起こると思うんだが、そこを今後どう処理するかな。
 面白くなるかどうかはそこをうまく描けるかどうかにかかってると思う。
  

 東京のこうたろうくんからお中元が贈られて来たので、お礼の電話をかける。お中元と言っても、中身は野菜ジュースの詰め合わせ。「栄養偏らせてんじゃねーぞ」という意味で、贈答品というより見舞い品である。しげ、ちゃんと飲めよ。
 久しぶりに声を聞くので、期分が高揚したのか、気がついたら発言がいささか暴走する。オタク話だの、ここには書けないヤバい話など(^o^)。
 『クローンの攻撃』を「スゲエぜヨーダ、クリストファー・リー!」と、思いきり誉めて話しておいたので、こうたろうくんもきっと見に行ってくれるであろう。私一人が前半の「アナキンいじいじ物語」に付き合う苦痛を味わうというのは不公平というものである。

2001年07月14日(土) シナリオ完成!/『クレヨンしんちゃん』30巻(臼井儀人)ほか



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