無責任賛歌
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2002年03月09日(土) |
肉ウドンにすればよかったのか?/『南高裏生徒会』(日下部拓海)/『だめんず・うぉ〜か〜』3巻(倉田真由美) …“NEW”! |
マンガ家のあさりよしとおさんが、アニメ『コメットさん☆』の打ち切りについて某掲示板で憤っている。 「(テレビ局が)単に放送枠を切り売りするだけに腐心し、公共のメディアである事の責任を忘れ『何をつくり、何を放送すべきか』という能動的な意思を失った商売オンリーの行為が、このような不幸な事態を招いたのだと思います」。 で、このあとも、延々と愚痴が続くんだけど、いくら『コメットさん☆』が好きだからって、ちょっと大上段に構え過ぎてる気がするなあ。 打ち切りは私だって悲しい。 けど、そりゃ視聴率が取れなかったんだから仕方がないことだ。 スポンサーが商売を優先するのは当たり前で、モノが売れなきゃ、社員を養うことが出来ないのだ。あさりさん、そういうオトナの見方が出来ない人じゃなかったはずなんだがなあ。 やっぱりまだ、立ち直れてないのかな。
朝からのんべんだらりとプレステ2で「いただきストリート3」など。 日記の更新、遅れまくっているのだが、書きたいことがたくさんありすぎて、とてもおっつくものではない。 気力を振り絞ってやるしかないので、気持ちが乗るまで時間がかかるのである。……でもゲームし過ぎて疲れて寝ちゃうんだよな。 処置ナシである。
AIQの会合、今日の8時からの予定。 それまで時間があるので、映画でも見に行こうかと、芝居の練習が終わる3時半に、しげと「パピオ」の前で待ち合わせ。 ところが、時間通りに着いたのに、しげの姿が見えない。 まさか先に行ったのかと、慌てふためく。 練習場や表を二、三度行ったり来たりして、どうしても見つからなくて、パピオ内の公衆電話から、しげの携帯に連絡を入れる。 もしも車中だったら繋がらないのではないかと心配したが、しげ、すぐに出る。 「もしもし?」 「どこに居るん?」 「……パピオの前」 「いなかったじゃん!」 「いたよ。オレの前通り過ぎてったし」 どうやら目が悪いので見逃したらしい。 「……オマエ、それ見てたんか」 「うん」 「声かけろよ!」 表に出てみると、なるほど、しげと鴉丸嬢がぼへーっと立っている。でも「パピオの前」って、前は前でもずっと端じゃん。玄関前にいろよ、待ち合わせしてるんだから。 鴉丸嬢、目ざとく私のセーターのホツレを見つけて、「穴が空いてる」。……いや、それはその通りだけど、今それを言ってどうリアクションしろと言うのか。タイミング外す娘だなあ、この子も。
鴉丸嬢と別れて、しげと二人、天神まで車をかっ飛ばすが、中洲を越えた途端、渋滞に巻き込まれる。 おかげで、天神東宝に着いた時点で、見ようと思っていた『マリー・アントワネットの首飾り』には10分差で間に合わず。 「次に行けそうなのは『ドラえもん』だなあ。これにする?」 それを見るとしても、始まるまで1時間弱ある。 寿司屋に入って、それまで腹ごなし、という予定を立てたまではよかったのだが……。
突然、しげが苦しげに言う。 「……ねえ、アンタ一人で行って来ん?」 「どうしたんだよ、急に」 「気分悪くなった。迎えには行くから」 今しがたまでパクパク寿司食ってたくせに、なるほど、眼の下にクマができていて顔色も悪い。 「具合が悪いんなら、迎えにも行けないだろう。エロさんには断りの連絡入れるよ」 こういうときに、しげをほったらかして自分一人で遊びに行けたらいかにも「アニメのためなら女房も泣かす」って感じで、人非人でヨイのだけれど、どうもそこまで思い切れないところがイマイチ修業が足りないようなんである(^_^;)。
帰る途中で、スーパーに寄って飲み物やウドンを買う。 帰宅するなり、ベッドに寝転ぶしげ。 早速、ウドンを作ってやるが、しげ、「腹にたまらん。肉がいい」などグズグズわがままを言う。 「どうしてオマエはそう、自分のカラダをわざと痛めつけるようなことばかりしようとするんだよ。おとなしく寝てろ!」 でも、私がパソコンに向かった途端、寝室からヒョコッと顔を出してくる。 「……寝てろ」 顔を引っ込めるしげ。 またヒョイと寝室から出て来て、私の隣の椅子に座る。 「寝てろってば」 寝室に戻る。でも5分もするとまた顔をそ〜っと……。 「寝ろ!」 ……「さびしんぼう」だなあ。富田靖子か、お前は(そう言えば、昔、そう言われてたことあったな)。
某チャットで、某会合の打ち合わせ。 なんだかその会合の幹事みたいなことをしなければならないような雰囲気なので、これからチャット行きが頻繁になりそうな気配なのである。 これでますます日記の更新が遅れることになるな、とタメイキ。 まあ、ボチボチやりまっさ。
マンガ、日下部拓海『南高裏生徒会』(実業之日本社/MBコミックス・400円)。 「エンピツ」の「ぽんぽこ日記」でもお馴染み、日下部拓海さんの一つ前の新刊。『純情!鈴鳴学園探偵部』の1巻も発売されてるはずだけどどこの本屋に行っても見かけない。これもあっちこっち探してやっと見つけた。 福岡はイナカだなあ……(ーー;)。 日下部さんにはこの日記も「お気に入り」に入れていただいてるので、この記述も読まれちゃうわけである。正直な話、読む前は読んでみてつまらなかったらどうしようかなあ、私は身内だろうが誰だろうが、批判するときは批判するって決めてるので、ヨイショするのだけは死んでもイヤだなあ、と思ってたのだ。 でもまず、絵が私の嫌いなタイプでなかったのでホッとした。 つーか好みだった。 清潔な絵柄だけれど、線に艶がある。誉め言葉になるかどうかは解らんけど、「セクシー」でイイぞ。主人公の緋芽、ストレートのロングヘアで、モロ私のタイプだったりする♪ 男二人はどうでもいいが(←正直)。
……余りフザケタ誉め方しちゃいかんな。マジメに行こう。 学園モノで「裏」生徒会パターンってのは決して目新しいものではない。 ただ、その「裏」のベクトルが正義か悪かのどちらに向かうかによって、ドラマ展開はガラリと変わる。 ラクなのはもちろん、「裏」が影の悪の組織である場合。もう70年代の学園モノって、たいていこのパターンだったよなあ。実は主人公のすぐ側にいた気弱なメガネ君が影の総番長だったりしてな(^_^;)。 「裏」を影の正義の組織にするって設定は、意外と少ないんである。 というのも、なぜその組織が「裏」でなければならないかってことに説得力を持たせることが難しいからなんだよね。……「正義」なんだから、わざわざ陰で暗躍しなくったって、表で活躍すりゃいいじゃん、って言われたらそれまでだし。ヘタに「暗躍」させちゃったら、「正義」のイメージが崩れるってこともある。 だから、登場人物たちが「裏」として行動するための一本筋の通ったポリシーみたいなものが必要になってくるのだ。一番簡単なのは、「タテマエ」でしか動けない「表」に対して、多少、倫理に引っかかる奴らであっても、「本音」で生きるやつら、という設定にするのが妥当なところだろう。 野間美由紀さんの『パズルゲーム☆はいすくーる』なんかは、その「裏」にあたる「ミステリ研」が、決して一本気な正義じゃないって設定にしてあって、結構ヤバげなこともしているのである。
本作も、初めはそのセオリーに則ってドラマが展開する。 まず、舞台となる南校、橋本淳という1年生の不良に牛耳られている。オモテの生徒会はすっかり弱体化していて、一般生徒は「あえて校則を無視しなければかえって危険に陥る状況」が生まれている。この設定はリアルだ。 つまり、非行に走ってるのは一部の生徒に過ぎないんだけど、マジメにしてるとそいつらの標的になっちゃうわけだね。だから、制服があるにもかかわらず、誰も制服を着て来ない。着て来れない。 しかも、その状況を教師もなんとかしようという気になってない、という設定が紹介される(ここはもう少し説明がほしかったところだなあ。教師がそれだけ無気力なのに、PTAはどうして動かなかったのか、とか、やや疑問が生じる。現実の学校では、イジメや非行が放置されてても学校の評判が落ちるのを気にして、PTAもだんまり決めこむって例、結構あるから、そういう説明がちょっとでもあればね)。 そこにやってきた転校生の佐藤一星と鈴木輝流。 この二人も転校初日に私服登校、校舎裏で喫煙するあたり、橋本と一脈通じるところがあることが明示される。でもそのへんが許されちゃうのはやっぱり「美形」だからだな(^o^)。 生徒会長は、二人の喫煙現場を抑えて、橋本の「更正」を依頼する。 毒をもって毒を制する、ということだろうけれど、展開としては正しくても、設定としてはここんとこがちょっと弱い。生徒会長のメガネくん、いかにも「いい人」っぽくて、そこまで悪辣なことを考えるようなキャラクターには見えないのだ(結構「裏工作」してるって設定はあるみたいだけど)。 あるいは彼をもっともっとイジケた卑屈なキャラにして、もっと二人を脅迫しているような印象を与えたほうが、キャラクターの対比がハッキリして、次のやりとりがグッと生きたと思うのである。 「君たちなら学校を変えられる!」という生徒会長のセリフに対する二人の返事。「おまえが変われ!」。 いいセリフなだけに、惜しかったなあ。 物語は、まさしくこのセリフから始まっているのだから。
さて、1話はともかく、2話以降、「半不良」な一星と輝流を、どう「裏」として活躍させるか、ここが難しいところだけれど、日下部さん、そこを見事に開き直った(^o^)。 つまり、「裏」とか言っときながら、「校長公認」の「裏」にしちゃったんである。もう、裏でもなんでもないやん(^_^;)。まあ、これなら「オモテ」でも「本音」で行動できるしね。 でも現実では、校長がこの作品のように、たとえ「裏」であろうと「半不良」の二人の生徒会活動を認めたりすることは、まず絶対にありえないことだろう。実はそれこそが「現実の」学校が今や閉塞的状況にあるってことの証明なんだけれど。
親であれ教師であれ生徒であれ、現実に教育問題が彼らの口から語られる時に、私がどうしても胡散臭く思ってしまうのは、ともかくその主張が「正義」に基づいてると、彼らがみんな思い込んでいるように見えることだ。 他の問題では「曖昧さ」が認められるのに、「教育」に関する限り、「白か黒か」どっちかしかない、そんな風にみながみな思いこまされているように見える。 例えば、本作でも語られる「制服」の問題。 「制服はあった方がいいのか悪いのか」って問題提起はやたらされてるけど、その問題が出された時点で、イエスかノーか、それしか答えられないようになってはいないだろうか。 「別にどっちでもいいから投票で決めよう」とどうしてならないのか。 賛成派であろうと反対派であろうと、常に自分たちの「理念」=「イデオロギー」を優先させている。どんなに「生徒のため」とお題目のように唱えようと、生徒の現実を見ずに理念だけを優先した教育に、教育としての価値がどれだけあるというのだろう。 教師も親も、自分では「本音」で喋ってるつもりかもしれない。 けれど、実際には「理念」や「伝統」や「常識」に躍らされてるだけではないだろうか。本当に自分の望んでいるものが何なのか、そこから無意識のうちに、目を背けてしまっているように思えてならない。
日下部さんはそこから目を逸らしていない。 そこが一番、好感の持てるところだ。テーマ的にマジメではあるんだけれど、固っ苦しい展開になってないのもいい。副会長の沙織ちゃんとかもいい味出してるし。できればクリちゃんがも少し活躍してくれたらよかったな♪
日下部さん、シツレイを顧みず批評させていただきました。 ちょっと批判めいたこと書いてる部分もありますが、素直に楽しめる御本でした。また、他の御著書も探させて頂きますね(^^)。
マンガ、倉田真由美『だめんず・うぉ〜か〜』3巻(扶桑社/SPA!コミックス・900円)。 毎巻のことだけど、カバー裏もちゃんと見よう。 くらたまさんのとっても恥ずかしいお姿が見られるよん♪ けどこれなら巷間デブったとウワサされる(って本人が言ってるんだが)体型も気にならないね。 でもついに3巻かあ。ここまで出れば、くらたまさん、もう極貧生活からは抜け出してると言ってもいいだろうな。どうやらゴクツブシの旦那とも別れられたようだし、めでたしめでたし。巻末で岡田斗司夫さんも言ってるが、結婚のあと子供が出来たら離婚に至るのは自然の流れなんである。絶対に離婚しろっていうわけじゃないけど、現実にただのゴクツブシと化す亭主が圧倒的に多い現実を鑑みると、そう主張されてもしかたないやね。 片親の家庭が、両親揃ってるとこより劣ってるなんて偏見を打破するためにも離婚はどんどん増えたがいいな。 でもくらたまさん、なんだか凄くサビしそうではあるんだよなあ。まだ傷が癒えてない感じで。ゲストマンガ家さんにやたら寄稿してもらってたり、西原姉さんに噛みついたり。これって明らかに「かまってほしい」症候群だものね。 つーか、もともとそういう性格だから、“だめんず”に引っかかっちゃってんだろうなあ。自分では尽くしてるつもりで、実はかまわれたがってる女性って、“だめんず”の格好の餌食になっちゃうんだよね。やっぱ女性は結婚が女の幸せなんて考えずに自立してた方が幸せだろうって思うんである。 少子化はどうするかって? あのさ、出生率が低下してるのは堕胎してる女性が増えてるからなの。 堕胎を法律で禁止すれば一発で解決するよ。こっそり流したら重罪ってことにしとけばイヤでも覚悟するしかなくなるしね。 だったら避妊する、あるいはエッチもしない若者が増えたらどうするかって? でもそんな親ばかり増えた日本に未来があると思う? そんなクニ自体、続けたってしかたないじゃん。つぶしちゃえつぶしちゃえ。 ……『だめんず』の感想じゃなくなっちゃったな(^_^;)。
2001年03月09日(金) ふうふのしんしつ/『掌の中の小鳥』(加納朋子)ほか
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藤原敬之(ふじわら・けいし)
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