無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2002年01月20日(日) それでもアニメだけは見る/DVD『名探偵ポワロ エンドハウスの怪事件』/『フルーツバスケット』3・4巻(高屋奈月)ほか

 日曜の朝、今日はなんとか目覚ましを壊しもせず、8時に目覚める。
 目覚めたと言っても、夕べの夜更かしでアタマはふらふらしているので、『仮面ライダーアギト』の50話を見終わったあと、練習に出かけるしげの車に乗せてもらって、コンビニで飲み物の調達。
 帰宅するなり、また仮眠。でも『コメットさん☆』の始まる9時半にはまた目覚めてくるのだから、業が深いというかなんというか。
 てっきり今日が最終回、と勘違いしていたがまだ一週あった『アギト』と『コメットさん☆』、でもそのわりにはどちらも今一つ盛りあがりに欠けるように感じてしまう。

 『アギト』、2、3回見逃してるうちに、美杉家の人たちはどこかに行っちゃってるわ、G3−Xは北条が装着してるわ、氷川は左遷されてるわ、翔一はレストランのねーちゃんとなんかいい仲になってるわ、今までの話はどこへ行っちゃってんのよ、オイって感じの展開。
 いやまあ、見てなかったこっちが悪いんだけど(いつの間にか木野さんも死んでたらしいし)。
 50話も引っ張っといて、テーマが「アギト」=「ニュータイプ」で、新人類を認めるのか認めないのか、って程度の話なら、やっぱりこれ、『仮面ライダー』じゃなくて『イナズマン』じゃんってことになっちゃうぞ。もしそうなら、アギトのデザインはもっと生物的に、せめてアナザーアギト程度のものでないと、所詮は「仮面」被っただけって感じにしか見えない。
 いきなり翔一の彼女(真魚ちゃんはどこ行ったんだよう。しかも今度の女が「可奈」って……「マナカナ」かい)の顔がアギトになったの見たらさ、まるで「顔だけコスプレ」なんだよな。こんなん笑うしかねーって。

 『コメットさん☆』第42回『サヨナラの仕方』。
 最終回1話前、メテオさん主演の巻。
 ……いや、このパターンになるってことは分ってたよ。なんたって、「さよならするには辛すぎる」んだから。でも、やっぱりやるかなあ、「記憶を消してサヨナラ」。記憶に残してもらえないって淋しさって生半可なもんじゃねーぞ、あんまりあっさりと結末つけてほしくないけどなあ。……これも打ちきりの余波かな。

 メテオさん、星国に帰らなければならないということで、イマシュンとの思い出を強引に創り、風岡夫婦にも幸せになる為に旅立つと別れを告げて、記憶を封印。メテオさんの存在は(コメットさんも含めて)「イマシュンの心の中のマドンナ」ということに。……ああ、そんなふうに「夢」でササッと終わらせるなよ、演出にもう少しタメ持たさんかい! せめて、ふっとイマシュンに空を見上げさせてよ、そこに見えるはずのないメテオさんの面影なんか見せてよ、「今のはなんだったんだろう……」とか呟かせたりとか……。クサかろうがなんだろうが、「愛」の演出ってのはそれくらい大上段に振りかぶったっていいんだよ!
 ああ、もう、頼むからリメイク作ってくれ! 前田亜季主演の実写でいいから!(でもそんときゃメテオさん、誰がやるんだよ)
 今話の発見。メテオさんのあの「ダメだったらダメだったらダメなのよ!」ってリフレイン口調、やっぱりお母さん譲りだったのね。
 ……モデルは誰なんだ。劇作家・演出家の鐘下辰男さんもこんな喋り方するけど。「うんうんうんそうなんだそうなんだそうなんだ」。
 それとも、もしかしたら古川太一郎か。「あらま、これまたそんなことしちゃったりしちゃったりなんかして」。


 またもや睡魔に倒れて、昼過ぎまで爆眠。
 体が重いので風呂に入って汗を流し、またもやゴロ寝。
 日記だの原稿だの、溜まっているのに手をつける元気がないまま、ダラダラとDVDなど見て過ごす。


 DVD『名探偵ポワロ エンドハウスの怪事件』。
 原作は、早川ミステリ版では『邪悪の家』のタイトル。ってことはこのドラマ版『ポワロ』は創元推理版に依拠してるつもりのかな。
 原題は“Peril at End House”で、直訳すれば『岬荘の危機』ってところ。ストレートな邦題が多いクリスティー作品の中にあって、このまま訳すと確かにちょっとインパクトが弱い感じかな。でも『邪悪の家』は凝り過ぎってもんだ。
 原作は未読だったので、純粋に犯人当てを楽しむつもりで見たのだけれど、傑作の評判とは裏腹に、ミスディレクションがうまく利いていなくて、早々に犯人が分ってしまって拍子抜け。犯人の見当がつけば、動機もトリックも芋づる的に見えてくる。
 ただ、これは吹替版で見たせいがあるかもしれない。
 だって犯人の声が、あのヒトなんだよ(ミステリーのエチケットとして、誰かは明かしません)。「善人ぶったフリしてやがるけど、絶対犯人だよな、コイツ」って気がしてしまうのだ。……日本の役者って、層が薄いから(-_-;)。
 仮にもミステリだってことを吹替演出のスタッフも意識してだよ、キャスティングにはもっと気を使ってほしいもんなんだけどねえ。

 南イングランドに休養にやってきたポワロは、エンドハウスの美しき女主人、ニック・バックリーと知り合う。ところが、彼女はこの数日で、三度も命を狙われていた。そしてなんと今度はポワロの目前で,何者かがニックを狙撃した。ポワロは自ら謎の解明に乗り出すことを決意するが、名探偵の注意も虚しく、人違いか、パーティの最中、ニックの従妹マギーが射殺されてしまった。殺人者の魔の手は更にニックに忍び寄って行く……。
 途中、あまりにも謎の糸口がつかめないために、ヘイスティングスが根を挙げて、ゴルフをしに逃げようとするシーンがあるが、これはNHK放送の吹替版ではカットされていたもの。確かに本筋には関係ないとこだけどさ、こういうとこがドラマの美味しい部分なんで、できるだけテレビ放送の際もカットは少なくしてほしいんだけどねえ。
 アテレコテープがないために、その未放映シーンだけ、字幕スーパーになるんだけれど、予算をケチらずにちゃんと声優さんにアテてほしかったなあ。わざわざ大枚叩いてDVDBOXまで買ってるんだよ? 『コロンボ』はそうしてるんだし、できないことないと思うんだけどなあ。


 『サイボーグ009』第14話「再会の地で」。
 予想通り、原作の「ベトナム編」は、設定を008の故郷、ムアンバ共和国(原作じゃどこかボカしてたなあ)に移殖。ちょっと『黄金のライオン編』なんかも混じってるかな。
 現実にベトナム戦争が終わっている以上、舞台を変更するのはやむを得ないとしても、戦争の描き方があまりにも単純に過ぎないか。独裁者と独立戦線という単純な二項対立じゃ、結局は加害者と被害者、正義と悪との対立としか戦争を描けないのではないか。原作の凄さは、政府軍にもベトコンも、どちらにも正義はないとした点にあったんだけどなあ。
 「ベトナム編」は、後年、宇宙にまで舞台を広げることになり、「死の商人によって改造されたサイボーグ」という本来の設定が意識されなくなっていったことを考えると、もっとも『009』らしいエピソードだったと言える。なのに、アニメ版はそのあたりの描写が、カルピスウォーターを更に水で薄めたような表現に留まってしまった。……「ベトナム編」のプロローグの「戦争は人間の宿命なのだろうか?」というナレーションは、ぜひともピュンマに語ってほしかったんだけどなあ。それともラストに回したのか?
 ウンババ大統領(このネーミングもなんとかならんか)の「独裁」ぶりも全く描かれないのはどういうわけか。虐殺のシーンなんかはやっぱりテレビコードに引っかかるのか。DVDで出すなら、止め絵のカットでもいいから、実際にベトナムで行われた虐殺や空爆も描いてほしいもんだが。
 ついでに言えば、「サソリとカエル」の詩の朗読も。


 マンガ、高屋奈月『フルーツバスケット』3・4巻(白泉社・410円)。
 ああ、ちょうどアニメ見て、初めておもしろいなあ、とか思ったあたりだ。
 もちろん、綾女さんとゆーか「あーや」の高校時代のエピソードのことね。
 もっとも、長髪を咎められて「実は私は王族なんです」と校長を言いくるめようとするシーンや、歓楽街にしけこんだ生徒を弁護しようと「ボクに欲情したまえ!」と嘯くシーン、好きなんだけど、演出的には、アニメの方がずっとおもしろかった。
 これはギャグとしては誰でも思いつくネタなので、「間」が肝心なのである。高屋さんのコマ割り、残念ながら今一歩。
 あーやへの「アホかー!」のツッコミを、校長ほか二名にだけさせてるんだけど、そのせいでその場にいたほかの人たちの反応はどうだったの?(小さく描いてるけど)という疑問が起きてしまって、笑いを阻害している。
 そこを大地丙太郎監督は、一瞬で場のムードがどん底に落ちる演出をキチンとしていた。
 アニメ版、ずいぶん原作を補完していたのである。
 しかしこの「あーや」のキャラ、誰かに似てるなあ、と思っていたら、川原由美子『前略・ミルクハウス』の「涼音さん」なのだ。つーことは透は「芹香」か。……そっくりじゃん!
 そーかそーか、なんかいまいち『フルバ』にハマれねえ、とか思ってたら、川原由美子の二番煎じだったからか。いや、そう言っちゃ高屋さんに悪いかもしれないけれど、「十二支」の設定がなけりゃ、「男ばかりのいる家に貧乏な少女が転がりこむ」って設定、まんまなんだもの。
 高屋さんが『ミルクハウス』読んでることは間違いなさそうだし、『ミルクハウス』との差別化を図ろうとして、かえってストーリーに無理が生じてるところがあるのかも。うーん、こうなると、草摩一族にダークな影を落としている当主・慊人をいかに演出するかが、この先の展開が面白くなるかつまらなくなるかの分かれ目になりそうだな。

2001年01月20日(土) 英雄、果つる島/映画『アヴァロン』ほか



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