無責任賛歌
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2001年12月04日(火) |
「ピー」って口で言わんでも/『ワンピース』21巻(尾田栄一郎)/『うまんが』1巻(新井理恵)ほか |
映画『ハリー・ポッターと賢者の石』が、公開二日間で興行収入の16億円を抜く新記録を達成したとか。これまでの1位が『スターウォーズ エピソード1 ファントム・メナス』の15億円、というから、抜いたと言っても大した差はないが。 「あれ? 『千と千尋の神隠し』は?」という疑問が出そうだが、子連れが多い『千と千尋』は入場者数で勝っても興行収入はおっつかないのである。……だって、子供二人分でもオトナ料金に届かないんだぜ。 となると、『ハリー・ポッター』、どの程度『千と千尋』に迫れるか、ということだけれど、結構、抜いちゃう可能性はあるんじゃないか。今んとこ、口コミで入ってくる情報は「まあまあ」。試写会時の提灯記事よりこの「口コミ」ってのの方がよっぽどアテになる。少なくとも退屈するってことはなさそうだな。 原作を買ってるけど、「映画見るまでは」と未だに読んでないんで、どの程度原作と違うかも分らないし、本当に「画期的なファンタジー」なのかどうかも見ないことにはなんとも言えない。
今日は定刻に仕事が終わる。 なのに、しげの携帯や自宅に何度コールを入れても、呼び出し音がなるばかり、ウンともスンとも返事が帰って来ない。 「ただいま、電話に出ることができません。“ピー”という発信音の後に、メッセージをどうぞ」 留守電なのは仕方がないとしても、なんかこの「ピー」というコトバを聞くと、ただそれだけで、なんだかむかっ腹が立っちゃうのは私だけかな。 あんちくしょう、朝、送ってきた時に、「帰るときは連絡入れてね、きっとだよ」とか言っときながら、しっかり寝入ってやがるな(-_-メ)。 「……迎えに来れないみたいだけど、今から帰るよ」 どうせメッセージ入れたって、聞いてやしないんだろうなあ、と思いながら、それでもピー音の後にヒトコト入れないといけない気がするのは、留守電のマナーを守れる人間が世の中にムチャクチャ少ないことがわかったからだ。 以前はウチの電話も外出する時は必ず留守電を仕掛けていたのだが、最近は全く仕掛けなくなった。ともかく、メッセージ入れずにそのまま切っちゃうやつが多いんだね。どうせセールスの類だからだろうな、と思ってたんだけど、ある時父親もなにも言わずに切ってることがわかって、留守電仕掛けるのをやめた。 なんで肉親から無言電話かけられなきゃならんのか(`m´#)。
しかたなくタクシーで帰ると、やっぱりしげは巨大な大根足をほっくりだして寝汚なく寝ている。声をかけても「んがっ」とイビキを返すばかり。 腹立つな−(`m´#)。せっかくコンビニでハンバーグを買ってきてやったというのに。しげを気遣う自分のほうがバカバカしくなって、レトルトカレーを温めて、買ってきたハンバーグを乗せて食う。 ストレス&暴食って、糖尿に一番悪いんだよなあ(ーー;)。
ようやく、アニメ『しあわせソウのオコジョさん』をマトモに見られる。 今日は、第10話「雪とゆうたとカラアゲと」「オコジョ番長!登場編」の2本。 なんだなんだ、この「オコジョ番長」ってのは、と思ったら、この原作、完全な続きものじゃなくて、オコジョさんがいろんなキャラクターに扮して、たくさんの別々なアナザーストーリーを作ってるわけなんだね。 『パタリロ』と『猫間天狗』と『パタリロ西遊記』の関係みたいなもんか。ってタトエが古いな(^_^;)。 スゴイ番長が来ると思ったら、ちびっこいオコジョだったってのはギャグとしてはあまりにミエミエで笑えない。教師がやたらと生徒を見捨てて逃げたがるのも、よくあるパターンだから、もう少しキョーレツな演出を考えないとねえ。 まあ、無理して早く帰って見なけりゃならんほどのものでもなかったなあ。
『FF:U ファイナルファンタジー・アンリミテッド』第10話「屋敷〜サギソウのおもいで」。 「サギ」のキャラクターデザインがなかなか面白い。FFもずいぶんたくさんのシリーズがあるようだから、毎回こういう形でゲストキャラが出てくるんだろうなあ。 しげに言わせると、世界観がデタラメ、ということだけれど、つまりだからこそタイトルが「アンリミテッド」っていうことなんだろう。もとのFFがどんなものか知らないから、かえってこのシリーズ、CGの使い方の下手さ加減を除けば、結構楽しめてるのである。
マンガ、尾田栄一郎『ONE PIECE ワンピース』巻二十一「理想郷」(集英社・410円)。 カバーを外すと、クロコダイルがパンダマン(^o^)。ジャンプコミックス系でこの手の遊びは昔はさせてもらえなかったのに、太っ腹になったなあ。とゆーことは、古本屋にカバーが外れた状態で並ぶ時はパンダマンが背表紙(^u^)。 初めて読むやつが、「このキャラはどこに出てくるんだ〜!」とか騒いだりしてな。こういうお遊びはメチャクチャ大好きだ♪ ジャンプ本誌の方は、どうやらやっとこすっとこアラバスタ編が終わってるみたい。 どうせなら、ビビとここまで旅してきてるんだから、彼女を音楽家ってことにして、フネに乗せてもよさそうだけれど、なにしろ相手は王女だしなあ……。 パターンとしては、次代の国を支えるために、ってことでルフィたちとはお別れってことにしちゃうんだろうけれど、そうなるってーと、確実に話がつまんなくなるのな。キャラクターがパターンに殺されちゃうってことなんだよね。 本気で面白いマンガは、キャラクターが作者も予想外の行動を取って、パターンをぶちやぶるくらいのパワーを見せるもんなんだよね。
まあ、それはそれとして、21巻の内容。 バロックワークスなんてものを出しちゃったおかげで、今まで積極的には戦闘に参加してなかったナミまで「対決モノ」のパターンにハマっちゃったんだけど、面白いことは面白いのな。 果たして作者がそういう方向の作品を書きたかったのかどうかは別として、『リングにかけろ!』あたりから始まったジャンプお得意のグループ対決形式、これは誰が書いても確実にウケる。『幽遊白書』なんて、作者が手を抜いててもウケてたんだから悲惨なものだ。 ビビとミス・ダブルフィンガーの戦い、話としてはよく工夫されている。ウソップからもらった「天候棒」が最初は役立たずか、と思わせる展開も楽しい。「まあっきれいなお花(はあと)」には笑ったし。 でも、「せめてみんなに迷惑かけないくらいの強さは欲しいし……」とかいうキャラだったか? ナミは。いや、ナミも成長してるんだって言い訳はできるだろうけれど、結局、ナミを対決ものに巻き込むための後付けのリクツなんだよね。 ナミだけじゃない、主要キャラクターの性格がここんとこパターンの中に取りこまれて、どんどん「薄く」なってることに気付いてる読者がどれだけいるのだろう? このパターン、一回やると後の話も全部それでいかなきゃならなくなるって大きなリスクがあるのよ。下手をしたら次の連載まで……。 つい最近も、『るろうに剣心』の和月伸宏が、『ガンブレイズウェスト』でツブれてるだろ? このままいけば尾田さんも確実にツブれるぞ。どんなに面白くっても、編集部に強要されようが、「グループ対決パターン」は絶対やっちゃいかんのだ。 ……ホントに尾田さんのファンなら、これから先、似たような話の拡大再生産が続いて、どんなにツマラナクなっても、決してファンをやめないくらいの気概が欲しいんだけど。それが「作家を育てる」ってことでもあるんよ。
マンガ、新井理恵『うまんが』1巻(小学館・590円)。 カバーを外すと続きマンガ……って、『× −ペケ−』でもやってたな、この人。きょうは「表紙めくりマンガ」ばかりだ(笑)。 まあ、私も唐沢なをきと椎名高志のマンガを買う時には必ずカバーを外すようにしているのだけれど、買った全てのマンガ、いちいちそんなことしないものな。これもふと思いついてめくったらあったし。 気がつかずに見逃してる表紙ウラ漫画、まだまだあるかもしれない。
それはそれとして、相変わらず性格の悪いキャラばかり出すマンガを描き続けている新井さんだけれど、4コマよりこっちの続きものマンガのほうが合ってるとは思う。 しかし一歩間違えればエロになりそうなギリギリの線で成り立ってるよなこのマンガ。まあ、謎の幻獣(って馬のぬいぐるみじゃん)「まくまく」がどこから来たかなんてのは実はギャグマンガなんだからど−でもよかったりする。ともかく主役の皐月がどれくらいまくまくに振り回されるかを見るのが眼目なんだから、もっと舞台を町内だけに留めずに広げていったら面白くなるんじゃないかな。
CSファミリー劇場『火曜日の女・ある恋人たち』第1回。 なんつ−か、こーゆー昼メロっぽいの、そうそう見ないんだけどね。 ふとタイトル字幕見たら、原作がノエル・カレフじゃないの。『名も知れぬ牛の血』なんて、読んだこともない。 どうやらこの『火曜日の女』シリーズ、知る人ぞ知るミステリーシリーズだったらしい。アンドリュー・ガーブ、ウィリアム・アイリッシュ(コーネル・ウールリッチ)、ビル・S・バリンジャー、シャーロット・アームストロングという海外作家(しかしアイリッシュを除けばマイナーどころばかりだ。原作権料が安いからかな)、松本清張、夏樹静子、笹沢左保、小峰元、横溝正史などの日本作家の原作を脚色したものと、オリジナル作品とで構成、ほぼ5年に渡って、今で言う「ミニシリーズ」を製作している。 しかも、オリジナルの脚本家たちも、現在の目で見ると驚くようなラインナップである。 生田直親、松木ひろし、石松愛弘、佐藤純弥、松田寛夫、小山内美江子、菊島隆三、池田一朗(隆慶一郎)、鎌田敏夫、市川森一、山田正弘、佐々木守、津田幸夫、降旗康男、澤井信一郎、倉本 聰、中島丈博、松田寛夫、池田一朗、桂 千穂。 なんちゅーゼイタクなシリーズ。当時もう少しトシ行ってたら絶対ハマってたよなあ。
しかし放映されてたのが昭和46年じゃ、さすがに私もまだ子供で、大人向けのミステリー番組を見るにはムリがある。このころはせいぜい乱歩の少年探偵団シリーズくらいしか知らなかったし、横溝正史に出会うのは翌年だ。多分、クリスティーだって読んじゃいない。NHKの『明智小五郎事務所』も、何回かは見ていたが、ちょっとオトナのムードについていけなかった。 それがいきなリノエル・カレフに惹かれるわきゃない。 主演の大空真弓の息子役が竹尾智晴なんだが、これってバイキンマンの中尾隆聖だよな。この手の番組って、結構、昔の声優出演度が高いんで、なんかそっち方面で見てしまう自分がちと情けない。 なんか大空真弓の息子が事故にあって、それから家庭に不協和音が……って感じの出だしだけど、第1回だけじゃまだ先が見えないので、筋の感想は全話見てから書こう。
『ファミリー探検隊』 金子修介。 ああ、しまった、もうパート3だ。前2回、金子さんが何を話してたか、聞き損なっちゃったなあ。 もうあちこちのメディアで語ってるとおり、「今回は悪役としてのゴジラをキチッと書こうと」とか「前々から新山千春を狙っていた(主演女優としてね)」とか、なかなか挑戦的な喋りを披露してくれてるが、肝心の特撮映像の紹介が少ない。 特に今回、「あまり見どころを見せすぎても」って判断なのか、それとももう「ゴジラの取材なんて」という反応なのか、メディアへの露出が少ない気がするんだがどうだろうか。イメージが固定化してる作品をヒットさせるには、「以前とどれだけ違うか」ってことをガンガン宣伝していかないといけないと思うんだけど、その辺、東宝はよくわかってないんじゃないか。
『劇画ゴルゴ13』第7話「キャサワリー」。 これは、実写の高倉健版でも千葉真一版でもなく、ましてやただ角ばっただけのヘリコプターが飛んでた自称CGアニメとやらのヘタレ作品でもない。 劇画の原画にコンピューター処理を施して、セリフや効果音などの文字部分を消して背景を書き足し、さらにコマを彩色した上で、テレビ用に撮影したっていう珍品なのだ。 まあ、大島渚の『忍者武芸帳』に近い作りだね。アニメにするより安上がりって発想で作ったのがミエミエだ。 でもゴルゴの声が小川真司ってのは外れすぎてないか。 平田博士だぞ幻夜だぞプロフェッサーギルだぞ(実写のチョイ役、数知れず)。あまり骨太な役は似合わないよ。 「キャサワリー」とは、ヒクイドリのことで、ゴルゴの命を狙う女殺し屋の仇名。ああ、そう言えばこんな話も原作にあったなあ、と思い出す。死んだお袋が『ゴルゴ』好きだったんで、多分百巻くらいまでは原作読んでたのよ。 原作でも比較的、早い時期の作品なんで、もう絵が荒い荒い。脚本も今見るとチャチで「ゴルゴでなくてもキャサワリーがレズだってこと、誰でも見ぬけるぞ」って気になってしまう。 どうせこういう形で映像化するなら、もっと絵が安定したころの作品を選んだほうがよくはなかったかなあ。
CS見続けるうちに気がついたら深夜。『秘密戦隊ゴレンジャー』で、一つ目仮面が「交通ルールを守らない虫は?」とか「目で見ないで舌で見るものは?」とかしょーもないクイズばかり出してるのを見ながら寝る。 ギャグがつまらないほど、脱力感がドッと得られて睡眠には役立つのだな(^o^)。
2000年12月04日(月) 仕事休んでマンガ三昧(^_^;)/映画『戦場のメリークリスマス』ほか
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藤原敬之(ふじわら・けいし)
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