無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2001年11月03日(土) 10000HIT!o(^▽^)o /映画『エボリューション』/『電脳なをさん4』(唐沢なをき)ほか

オタアミ当日まであと21日! 21日しかないのだ!

 え〜っと、おかげさまで、10000HITを達成することができました。
 これもひとえにみんな私のおかげでございます(←もうだれが元祖かわかんなくなってるギャグ)。
 見事10000番をゲットされた方には何か粗品を差し上げようと掲示板に告知までしていたのですが、残念ながらご連絡はありませんでした。この日記の読者の半分は、Googleやgooなどで検索をかけてくる人なのですが、ここ何週間かは、「フルメタル・パニック!」で検索してくる人が異常に多い。日に数件は必ずあるという状況。
 そんなん私は「放送延期はなんでなんだ」と喚いただけだっちゅーのに、それ以上の情報提供には答えようがないっスよ。こういう人がキリ番ゲットしても、連絡して来ないだろうことは仕方のないことではあります。
 ましてや、10000番をゲットした人はどうやら「あずまんが」で検索してきた人らしい。日記のタイトルにオタクアミーゴスを入れちゃったせいか、よっぽど濃いあずまんがネタを期待したものか。
 んじゃ私は「ちよちゃん解剖図」とかをイラストにして載せとかなきゃならんのでしょーか。どっちかっつ〜と私は榊さんかおーさかを描きたい(もっとも私の絵だとどれもこれもラムちゃんになってしまうのがネックだが)。せーふくで随分抑えられてるが、アイツら結構張りのいいムネをしていると見ている(見てどーする)。

 それにつけても、つくづく、ホームページ立ちあげなきゃならんなあと思うこのごろである(と言いつつ、もう1年が経とうとしているのであった。はっはっは)。この日記にはホントに毎日、好き勝手なことばっか書いてるけど、オタクな情報の発信地には全くなり得ていないのだよねえ。

 
 さて、今日は朝からキャナルシティで映画『エボリューション』。
 公開初日の第1回目から行こうってんだから、リキ入ってるように思うだろうが、もちろん入っているのはしげである。
 雨降りだし、今日もロドリゲス(今度、正確な車種をしげに聞いておこう。軽だってことはわかるが、形状をうまく説明できん)で行く予定だったのだが、ウィンカーの調子が悪いということでいきなリ車検に出しているので、バスと徒歩である。
 キャナルシティ、交通機関を利用すると非常に便が悪い。博多駅から10分ほど歩かねばならないのである。
 もっともしげは私と相々傘で並んで歩けて嬉しそうだが、しげとの身長差が15センチあるので、歩幅を合わせるのがヒト苦労なのである。しかも、私が一生懸命同じ足を出そうとするのに、しげは逆の足、逆の足を出そうとする。
 「コラ、左足から出せって言ったろ?」
 「え? でもそれじゃ二人三脚にならないじゃん」
 「そりゃ、足を結んでる場合だろうが!」
 言っとくが、並んで歩くの、今日が初めてじゃないからね。この会話を私はしげともう何十回もしているのだ。なのに、10年一緒に過ごしてて、しげは未だに寄り添った歩き方一つ覚えない。なんで私ゃ自分の妻と雨ん中、おしくら饅頭しながら歩かにゃならんのか。
 ……雨はヤだねえ。

 映画『エボリューション』、『ゴーストバスターズ』のアイバン・ライトマン監督だけに、そう外したものは作らんだろうと思ってたら、筋立てが全く『ゴーストバスターズ』だったのには呆れた。
 つまり、進化していくエイリアンを退治しようとする主役チームを、おバカな軍幹部が自分たちのメンツのために排除するけれど、最後の土壇場で主役たちが見事エイリアンを撃退、大逆転の勝利ってパターン。
 キャラクター配置もまんまで、女に手が早くて陽気なオーランド・ジョーンズをビル・マーレイに、学究肌のデビッド・ドゥカブニーをハロルド・レイミスに、抜け作ショーン・ウィリアム・スコットをダン・エイクロイドに置き換えたら、あらビックリ『ゴーストバスターズ』のできあがり……ってことは、つまりこれもドナルド・ダック、ミッキー・マウス、グーフィーの『おばけ退治』と同趣向ってことになるのだな。
 もっとも、余りにそのまんまじゃいくら何でも芸がないと、多少のアレンジはしていて、ドゥカブニーが、研究熱心な余り、かつてワクチンの開発に失敗して国防軍の男性数万人をインポにしてしまった、という輝かしい経歴を付け加えてはいるが、このギャグが余り利いていない。
 ともかく、主役のドゥカブニーがどうしようもないくらいの大根、これがもう映画のテンションを下げてることったらないのだ。コメディ演技が基礎から全くできていないのである。もちろん、これはふざけて大仰な演技をしろということではない。動きにリズムが全くないので、ギャグの間をことごとく外しているのだ。『Xファイル』ではたっぷり観客を笑かしてくれたけれど、あれは本人だけはマジメな演技をしてるつもりなのを勝手に観客が笑ってただけなのであって、ドゥカブニー自身に客を笑わせるだけの演技力があったわけじゃない。
 やっぱりシロウトをコメディに使っちゃいかんよ(-_-;)。
 だから、ダン・エイクロイドが市長役で登場してきて、きっちり抑えたコメディ演技をしてくれると実に安心して見れるのだけれど、それで映画が面白くなるかと言うとそこまでにはならない。ああ、ともかく一つ一つのギャグが浅くて笑いにまで至らないのがもどかしいったら。
 ああ、あともう一つ、エイリアンをシャンプーで倒すってオチ、ゆうきまさみの『鉄腕バーディー』のパクリでした。つくづくハリウッドって、オリジナルな芸がなくなってきてるのな。


 帰りに福家書店と博多駅の紀伊國屋に寄って、買い損なってたマンガを何冊か買う。
 本題にカネを使って貧乏になったので、昼飯はバスセンター地下の安い定食屋で、私は400円のカツ丼、しげは同じ値段の天丼。もっともこれを二人で半分分けするのだから同じことだが。
 ここのカツ丼、安いだけで汁が甘ったるくべとついていて実に不味い。天丼に至っては、ネタの不味さだけが舌に残るひどいもの。なのに堂々と看板に「某マンガでここが美味しいと紹介されました」と謳ってある。そのマンガも結構有名なグルメマンガなのだが、作者は実はとんでもない舌バカじゃねーのか。それとも昔は今より美味かったのか。


 夕方、ずっと『カスミン』の裏番組で見れなかった『バンパイヤン・キッズ』を見る。久しぶりの愛川欽也の声優復帰作品だが、すごく面白いと言うほどではない。
 偶然、写した人を一番本人の嫌う姿に変えてしまう呪いのカメラを作ってしまった吸血鬼のパパが、人間を困らせてやろうとするが、そのカメラをトラックの上に落としてしまい、その行方を追ってドタバタを繰り広げる、という定番ギャグ。
 でも、「呪いのカメラ」ってネタと、その「オッカケ」ネタとを合わせるのはそれぞれの面白味を相殺しちゃう結果にしかならない。ギャグってものをライターが分かってないのだ。それとも子供向けギャグだから、ホントに呪いのカメラを使用するシーンを作っちゃいけませんなんて規制があるのか。
 絵柄は確かにマンガチックで可愛いけど、これも毎週追いかけるほどじゃない。


 マンガ、唐沢なをき『電脳なをさん4』(アスキー出版局・1470円)。
 今回の新ネタは『マクマクアザラク』『まっく道』『ブラック・マック』など。考えてみたら、一巻で出て来てもいいくらいのネタじゃないか。まさしく「世に元ネタのタネは尽きまじ」だなあ。また、1巻から延々と続いているネタも『マッキントッシュあらし』『Macロボiマッキーン』などがあるが、逆になぜこんなマイナーどころを延々と続けてるのか、という疑問が感じられるところがいかにもなをきさんらしくてよい。でもついに『あらし』もネタが尽きたか最終回。ということはこのマンガ自体、次巻で終わるのかなあ。残念だなあ。
 やり残したネタはなかったろうか。っつーか、余りに有名過ぎて、これやってないっての、まだいくらでもあるとは思うが。
 今巻でちょっと残念だったのは『クレヨンしんちゃん』の模写が絵柄を似せて描かれてなかったことである。まあ別にいいんだけど。


 『コミック伝説マガジン』No.3(実業之日本社・380円)。
 今度のメインは望月あきらの『ゆうひが丘の総理大臣』だったけど、なぜこれが「伝説」で復活なの?
 望月あきらなら代表作は『サインはV』か『ローティーンブルース』のほうだろうし、先生もので考えても『ドカドカドッカン先生』のほうが先で、マンガとしての完成度もそっちの方が高い。『総理』が選ばれたのは単にテレビ化されたやつだからってことなんじゃないのか。
 やっぱり復活させるマンガの選択が特定の世代に阿ってる印象は拭えないのはこういう雑誌の宿命か。
 しかも新作は毎号往年の輝きがすっかり褪せたものばかりで、かえって単行本未収録の坂口尚『ウルフガイ』や山上たつひこ『岩風呂くん』の再録などの方がよっぽど面白い。でもこういうイヤごとばかり言ってること自体、No.1の『鉄腕アトム』みたいな珍品が描かれる根を断つような行為になっちゃうので、まあ、「もちっとマンガの選択に気をつけようよ」くらいに留めておくのが無難かな。
 夏目房之介が熱狂的なツツイストだったってことは知ってたけど(『伝説巨神ツツイング』を覚えている人はいるかな)、実際に筒井康隆のマンガのアシストをしてたんだなあ。『ワイド仇討』の下描きは全部夏目さんによるものだそうな。言われてみると、陸蒸気の中での歌舞伎風の演出なんか、夏目さんっぽい(っつーか、手塚治虫の影響なんだろうけど)。
 実のところ、この雑誌で一番読み応えがあるの、『筒井康隆全漫画』の再録と解説だったりするのだ。この機に、また筒井康隆の新作マンガを、というところまでいってくれると面白いんだがなあ。

2000年11月03日(金) 文化の日スペシャル/映画『マン・オン・ザ・ムーン』ほか



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