無責任賛歌
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2001年10月30日(火) |
ベランダでフラメンコる女たち/『狼には気をつけて』3巻(遠藤淑子)ほか |
オタアミ当日まであと25日! 25日しかないのだ!
今日も職場行きはしげの車で。 細道近道を行くのに自信がないしげは、広い道をゆっくりと田舎のバスさながらのスピードで行く。おかげで時間的、スピード的なことを考えると、自転車とたいして差がない。何しろタクシーで山越え直線コース15分の距離を、山を迂回して30分弱かけて行くのだ。 じゃあ、やっぱりタクシーで行くのがいいのかと言うと、やはり気分がまるで違う。運転は初心者だし、危なっかしくて仕方がないんだけど、しげの隣の方が気は全然楽だ。もっとも、つい寝てしまいそうになるのはこれから仕事だというのにちょいと困りものなのだけれども。
帰りも今日はしげの車で、と思っていたのだが、「今日は練習があるから」と言われて、仕方なく途中までテクで。 職場の近くにテイクアウトの店ができているのだが、ここが新装開店だというのに、いつ覗いてみてもまるで客が入っていない。ちょうどいい機会だからと中に入ってみると、店が狭いわりにはヤキソバ、八宝菜、肉ダンゴ、唐揚げなど、中華を中心にサラダバーなどもあって、品揃えはまあまあ。好きなだけオカズをパックに詰めこめて100グラム百円前後の、手ごろな価格。繁盛してないのは道路ぞいなわりには目立たなくて、車も停めにくいせいだろう。 卵とじとハンバーグ、茄子のスパゲティを買ったときに売り子さんが「どうぞご贔屓に」と挨拶した声に、ちょっと切実さがにじみ出ていた。……できるだけ利用してあげようかな。
結局タクシーで帰宅すると、鴉丸嬢が御来臨。 「なんだ、今日練習って、ウチで練習だったのか」 そりゃ、迎えにも来れないのも当然か。 鴉丸嬢、パソコンの前に座ってパコパコと何やらキーを叩いているが、なんだか妙に機嫌がいい。 「あのねー、さっきまで、ベランダでしげさんと一緒に『星のフラメンコ』おどってたのー」 見ると確かにパソコンの横に西郷輝彦のCDが。確かにねー、今度書いた脚本ねー、ダンスのシーンがやたらとあるんだけど、隣近所に音が駄々漏れな状態で、しかもウチのマンションの真正面にゃ、もひとつマンションがあって、丸見えなのに、そこで踊ったってかぁ? 度胸があるっつーか、何も考えてないっつーか。いや、役者としては実に正しい行為なんだけど。 「……近所から苦情は来なかったのか?」 思わず口にしてしまったが、もしも偶然この部屋のベランダを覗いたヒトがいたとしたら、「なんじゃこりゃ」と思っただろうな。
鴉丸穣が書きこんでいたのはウチの劇団のホームページの日記であった。 彼女自身はパソコンを持っていないのだが、しょっちゅう其ノ他くんちに遊びに行ってるんだから、てっきりホームページの方も覗いているものだと思っていたのに、全く見ていなかったのだ。 話によると、藤田くん(兄の方)が毎月ハンパでない額の膨大な金額をインターネットに注ぎ込んでいるので、ちょっとパソコンが使えないような状況になってるらしい。おいおい、いったいどうなってんだよ藤田くん。 ほかにも藤田君は、ああでこうであんなでそんな状態になってるって話も聞いたが、ああ、もうこれ以上は書けやしない。人間、転落して行く時はどこまでも落ちて行くものなのだなあ。
アニメ『FF:U ファイナルファンタジー アンリミテッド』第5話「シド」。 私は『FF』を全然知らないのだが、しげも鴉丸嬢も、結構詳しいらしく、サブタイトルに「シド」と出た途端、「わあ、シドが出るんだ!」と興味津々な様子。 「なんだいシドって?」 「FFの定番キャラだよ」 ったって、それだけじゃなんだか分からん。いつも思うが、しげの説明は全く説明になってない。まあ、ともかく見てみりゃ分かるか、と思っていたら、出て来たキャラクターは、メカフェチっぽいあんちゃん。自分の作った潜航艇(?)に「キャサリン」なんて名前をつけている。 「ええ? これがシド!?」 しげも鴉丸嬢も途端にハモる。 「なんだよ、シドって、こういうキャラじゃないのか?」 「若い! シドはもっと爺さんじゃなくちゃ!」 「そうそう、無精ヒゲはやして、スパナなんか持ってたりして」 なんだかよくわからんが、どうやら士郎正宗の『ブラックマジック』に出てくるDr.マシューみたいなキャラらしい。確かにカッコつけたあんちゃんとは違う感じだな。 話は毎回、同じ感じで、「風」が郷里大輔さんをふっ飛ばして終わり。『FF』ってそういう話なの? こないだの映画版といい、全く評価のしようがないんだけど。
鴉丸嬢、「最近寝ながら読む本がない」と言うので、江川達也の『源氏物語』を貸す。妙齢のお嬢さんにこういう淫靡で背徳で猥褻なマンガをお貸しするのは全く気が引けることでも何でもないので堂々と貸す。 鴉丸嬢はウチの榎本加奈子でエロばなし全然オッケーなので、こういうこともできるのだが、つつしみもちょっと持っててほしいとも思ったりはするのである。少なくとも、ページ開いていきなリ「お〜、やってるやってる♪」なんて言わないようにね。
鴉丸嬢を送ってロドリゲス(フルネームは「ダニエル・ロドリゲス」に決まったようである。そんな名前の車に乗ってて楽しいのか?)で香椎へ。 途中、黒木書店という本屋で買い忘れてた文庫本などを買う。 なんとこんなところにも「オタクアミーゴス」のチラシが。いろんなところで販促してるなあ。もう私は手持ちのチラシを配り切ってしまったので、あとは予約の申し込みを待つのみなのだが。 車中ではいろいろ面白い話もしたのだが、鴉丸嬢のプライバシーに関わることなのでまだ書けない。そのうちホトボリが覚めたら(表現がワルイな)書けることもあろうから、そのときまでのネタに取っておきましょ。
鴉丸嬢から『フルーツバスケット』のマンガを借りる。そのうち古本屋で買おうかと思ってたんだが、持ってるヒトがいたならちょうどいい。面白いマンガはできるだけチェックしたいが、すべて買い揃えるというわけにもいかないから、こういう「仲間の輪」ってのは非常にありがたいてのである。
帰宅して、パソコンを開いてみると、女性の名前でメールが来ている。 身に覚えがないので、一瞬どぎまぎして開いてみると、唐沢俊一さんの『一行知識』に私がレスの書き込みをしたのを、わざわざメールでお礼をくださったのであった。 いや、何をそんな大層なことを書いたのかって言われそうだが、「『源氏物語』は『雲隠』の巻を含んでも含まなくても五十四帖」っていう、ちょっと古典をかじったことのあるものなら知ってておかしくないことを書いただけ。ただの知ったかぶりで、落ちついて考えたら赤面ものなのである。 なのに、『源氏』のファンらしいその女性、私のなんの気なしのそのレスに、いたく感激なされたらしいのである。 かえって私の方が恐縮してしまうのだが、こういうことがきっかけでメールのやりとりができるというのは嬉しいことである。早速メールをお送りする。 劇団ホームページやこの日記の方も、楽しんで頂けたら嬉しいのだが。 そんなことをしていると、しげがいつものように「お友達ができてよかったねー」なんてヤキモチを焼いてくる。こういう「人間の器の狭さ」を自分のアイデンティティだと勘違いしている輩が多くなったよなあ。恥ずかしいことだから、いい加減、しげにもやめてもらいたいんだけど。
そう出歩いたわけでもないのに疲れてすぐに寝る。おかげで日記の更新ができず。ああ、また一日遅れか。せっかく追いついたばかりだと言うのになあ。
マンガ、遠藤淑子『狼には気をつけて』3巻(白泉社・410円)。 やっぱり遠藤さんは長編より短編の方がグッといいなあ。 意地悪な見方をすれば、登場人物はみんなかつて心にキズを受けたことがあって、意地っ張りで素直に心を開くことができなくなってる少女(or少年)で、彼女たち(彼たち)が、「君はそれでいいんだよ」と言ってもらえるまでのマンガ、ということになっちゃうのだが、その枠組が変わらないからこそ、安心して読めるともいえるのだ。 よく読みこむと、キャラクターたちが結構恥ずかしいこともしょっちゅう言ってるのだが、照れ隠しの突っ込みギャグがいい味になっていて、クサくなる一歩手前でうまく抑えている。そこは相変わらず遠藤さんのうまいところだ。 つまりこんな感じ。 「あのね、耳のあたりで息が凍るとき聞こえる音を、星のささやきって言うんだって」 「へーえ、でもニューヨークじゃたとえマイナス50度になっても聞こえそうもないな」 バックにはもちろん車の騒音(^^)。
2000年10月30日(月) 仕事がたまっているのに眠いぞコラ/ドラマ『名探偵金田一耕助・トランプ台上の首』ほか
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藤原敬之(ふじわら・けいし)
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