無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2001年10月07日(日) 新番紹介お休み・有朋自遠方来/映画『陰陽師』ほか

 オタアミ当日まであと48日!

 今日も『クラッシュギア・ターボ』とかいう新番組が朝早くから始まってたが、『パワーパフガールズ』を見るので、一応録画だけしておく。
 でもなあ、こうやって録画しとくと、実際にはなかなか見返せなくなるんだよなあ。だからできるだけ映画の類は録画しながら見るようにしてるんだけど、こんな風に番組が重なるとどうしても片方は録画するしかなくなるので困ってしまう。
 ……録画しただけで見てない映画、既に千本は越してる気がする……(-_-;)。

 『パワーパフガールズ』第40回。
 前半、『シリアル大作戦』(原題/JEWEL OF THE AISLE)。タイトルは『ナイルの宝石』のモジリだそうな。「aisle」は天王洲アイルの「アイル」だな。「通路」って意味だったのか。
 原典の映画は、テレビで流れてたのをチラッと見た記憶はあるが、あまり覚えてない。でもストーリー上のパロディは特になかった気がする。
 ガールズに追われた泥棒(珍しく名前のないただのヒト)が、シリアルの箱詰め工場に逃げるが、盗んだ宝石を製品の中に落して出荷されてしまう。これだけ見ると、『ナイル』がオリジナルというより、シャーロック・ホームズの『青い紅玉』『六つのナポレオン』が元ネタだよな。
 全てのシリアルの箱を開けつくし(これだけでもスゴイ)、最後の一つを開けようとした瞬間、ユートニウム博士に買われてしまう(博士も周りの開き箱の山に気付けよ)。泥棒は、CMキャラクターに変装して、ガールズからシリアルを取り上げようとする。
 このとき、ガールズは『メカニマルズ』というCGアニメを見てるのだけれど、これがビーストウォーズをコメディ風にした感じで、ガールズたちよりリアルなのがいい味出してる。この、テレビ画面の映像の方がリアルなタッチってギャグもよく使われてるなあ。
 泥棒が変装したキャラクター、「キャプテン・ラッキー・ラビット・キング・ナゲット」(なんかいろんなCMキャラクターを混ぜくったものらしい)、子供たちの人気者ではあるのだけれど、ただの人気者なのではなく、「子供たちにシリアルを取り上げられる」キャラとして人気があるのだ。
 だから泥棒が「シリアルを頂戴」といくら頼んでも、ガールズは「シリアルは子供のもの、オトナはダメよ、キャプテン・ラッキー・ラビット・キング・ナゲット」と言って渡そうとしない。あらゆる手を尽くして、やっと宝石を手に入れたと思ったら……。
 今回は伝統的な定番ギャグで、あまり過激なギャグはなし。

 後半、『タイムスリップ』(原題/SPEED DEMON)。
 幼稚園でミス・キーンに相対性理論を教えてもらったガールズ(何教えてんだよ)、帰り道に1秒でも早くバカンスに行きたくて、「家まで競走しよう」と言い出す。が、なんと光速に近いスピードを出してしまい、50年後の世界にタイムスリップ!
 そこで見たのは、50年の間ガールズが不在だった為に「彼(ヒム)」によって支配され、荒れ果てたタウンズビルの街だった。
 ユートニウム博士はもう何十年もガールズを再生させる実験を繰り返しては失敗し続けている(この辺、いなくなったアトムを再生しようとして失敗するお茶の水博士の影響かな?)。
 老婆となりながら死んだ市長への愛を語りつづけるミス・ベナム(やっぱりそうだったのか)。
 幼稚園の庭で「私は『サヨナラ』って手を振っただけ」と繰り返し呟いているコワレたミス・キーン(自分のせいなのかもって、責め続けてたのね)。
 う〜ん、これ、子供が見たらすげえトラウマになるんじゃないのか。
 「自分がいなくなったら、周りのみんなをどんな悲しい目に合わせてしまうか」っていう。なんだか「暴力的なアニメ」って批判をかわすための「教育的」な面をクローズアップさせようってハラなんだろうか?
 なぜか現代に戻って来れたガールズ、「バカンスには行かない、私たちが街を守る!」って叫ぶのも、何となくキナ臭く感じるのは考え過ぎなのかなあ。


 『仮面ライダーアギト』第36話。
 あれあれ? なんだかヘンな展開になってきたぞ。
 アナザーアギトに変身した木野。
 最初は驚く涼と浩二に向かって、あかつき号の事故とは関係なく、「医師としてもアギトとしても自分を必要とする人々のために戦う」と、その決意を宣言していたのに、翔一がアギトに変身するのを目撃した途端、豹変してしまう。
 「アギトはこの世で俺だけでいい。お前の力では雅人を助けることはできない!」
 雅人とは、木野が雪山の事故で亡くしてしまった弟だ。木野の腕は、実は凍傷で腐ってしまったのを、弟の手を移植していたのだった。
 でもなあ、そのことが自分がただひとりのアギトになろうとすることとどう関係があるの? また思わせぶり復活か?


 『コメットさん』第28回、『お手伝いできること』。
 おお、今回からOP、EDが一新。
 『ミラクルパワー スターダスト・バージョン』と『星のパレード』、どちらも何度か挿入歌として流れてたものだったけど、アップテンポになって歌いやすくなった。……って、どこかで歌うつもりなんかい。
 以前のものより、メテオさんの露出が増えて、いかにもライバルっぽくなっているのが実にいい。
 エンディングでは白鳥の湖のスタイルでちゃんとバトンも振ってくれてるし。
 ストーリーのほうも、美味しいところはメテオさん。
 ケースケのオーストラリア行きが決定したある日のこと、コメットさんは、デザイナーの卵、優衣さんから新人発表会のモデルを依頼される。 けれど、発表会の日はケースケの旅立ちの日と重なって……って、前回と全く同じ展開じゃんか。脚本家、ちょっと疲れてるか?
 どうしても優衣さんの発表会を断れないコメットさんは、土壇場でモデルをメテオさんに譲って……。
 そうです、今回、メテオさんのファッションショーがクライマックスなのです! なにしろ、剛くんと寧々ちゃん(4歳だってば)の服まで変身して着るんだからなあ。……バレるって、いくら何でも。


 しげが練習に出かけている間に、部屋を片付け。ゴミが山ほど出るがたいていは古新聞の山。この期に及んでも、夏の入院中の手書き日記を更新しようと、資料として新聞を捨てきれないでいるのである。いい加減、うっかりすると散らばった新聞を踏んでコケちまうので、一部を残してまとめてゴミ袋に。
 ともかく、座れる場所を作らないと、広島から福岡に帰省してきている友達が訪ねてくるのだ。ヘタすりゃ奥さん子供も連れてくるかもしれないので、なんとしても座れる場所を確保せねばならない。来てくれても、ずっと部屋の中で立ち話って……そりゃ、シュール過ぎるわ。

 晩飯にと山菜クリごはんを作ってみたが、見事にシンが残っていて失敗。かき混ぜ方が足りなかったらしい。
 もう一度よく混ぜ、水を入れて炊きなおしたが、今度はオカユになってしまった。
 「山菜クリおかゆ」なんて、こりゃ、とても食えたものではない(でも食うしかない)。一応味見はしてみましたが。

 ……今晩は外食だ(ーー;)。


 2時ごろ友達Hくん、3歳の娘さんを連れて来宅。
 ちょうど駐車場が開いているので、遠慮なく案内ができる。でもネームプレートがまだ切り替わってないので、Hくん、どこに停めていいか迷ったよう。慌てて階下に降りてご案内。いやいや久しぶりに会うのに、のっけから迷惑かけちゃった。
 いつものごとく、段ボールに一杯マンガを持って来てくれたのだが、上まで運ぶのに結構腰に来る。こちらが降りていかなきゃ、Hくん、自分で荷物も運んで子供も連れてくるつもりだったのだ。おいおい、それくらい声をかけてくれってば。
 娘さん、オタクな部屋で泣きだしゃしないかと心配してたが、『ハレのちグゥ』のDVD2巻を見せていたら、食い入るように見入ってる。ギャグは全然わかんないと思うが、なんかイキオイで面白く見れちゃうんだろうな。
 Hくんのほうは、「こんなの出てるとは気付かなかった」と、『ガンダムエース』に見入っている。「単行本出るよな」って、ここにもオタクな親子が(^o^)。
 私は私で貰った段ボールを開けて中を確かめるが、「この手のは持ってないかと思って」と、近藤るるるや二宮ひかる、恋緒みなと、馬頭ちーめいとか、確かに私がカバーしきれてないマンガ家さんのものばかりだ。
 でも、何となくちょっとエッチ系だったりロリ系だったり、「こんなの持ってたら嫁さんに悪いか」って感じで、私に譲ってくれたって感じがするなあ。
 データハウス刊の『危ない!!』、「女がどんなふうにレイプされてるか」とか、「詐欺の手口」とか、完全犯罪マニュアルみたいな本だが、「こんなの持ってたら自分のほうが危ないヤツだと思われる」と考えて私にくれたのかな。……私が持ってる分にはいいのかよ(^_^;)。
 『ガロ』のバックナンバーまであるじゃないか。こっちが何もあげないのはつくづく悪い気がしてくるよ。それとも「本の整理ができていい」と思ってるのかな。
 Hくん、娘さんの頭をなでて、「子供がいると、趣味に走る時間がホントになくなるよなあ」と言いつつ、お子さんは可愛い模様(当たり前か)。
 「DVD借りてくか?」と聞いたら、「子供と見れるものじゃないとなあ」と言いながら、『トイストーリー1&2』、『バグズライフ』、『ファンタジア2000』あたりを借りていく。
 ……で、『ヤング・フランケンシュタイン』も子供と一緒に見るんかい(^.^) 。まあ、そうそうオタクの血が途絶えるはずがないのである。


 夕方、しげと天神の福家書店で待ち合わせをして、新刊をいくつか買う。
 アニメ化、ドラマ化のコーナーがあって、よしひと嬢がお気に入りの『西洋骨董洋菓子店』なんかが置いてあったのだが、しげに「買うか?」と聞いたら、「1巻はよしひと姐様に借りて読んだからいい」だと。そりゃ、お前は読んだかもしれないけど、おりゃあ読んでねーんだよ。
 「面白かったか?」と聞いたら、「まあまあ」とのことだったので新刊で買うのは見送る。そのうちBOOKOFFででも探してみよう。

 そのあと、ビブレの地下で食事。テンプラ定食がフェアで550円と安かった。
 映画を見るまで時間が余っていたので、まずそこで1時間ほどヒマを潰してマンガを読む。
 柴田昌弘『クラダルマ』3・4巻(少年画報社文庫・各620円)。
 敵のシンシアの過去もきちんと描いて、単純な悪役にしないところはいいのだが、設定が『ブルー・ソネット』に似過ぎてないか。
 
 しげの話によると、今日の練習、久しぶりに塩浦嬢が来ていたとか。
 私に会って聞きたいことがあったらしいのだが、わざわざ会ってまで聞かなきゃならんってどんなことかと思ったら、「君が代」の由来だそうな。なんでも大学の課題レポートでそんなのが出されたらしい。
 なんか以前もこのムスメは、「ベーゴマってなんですか?」とかいきなりなんの脈絡もない質問をカマしてくれたことがあって、日頃何を考えてんだかわからんところがあるのだが、だいたいどうして歴史にもコトバにも門外漢な私にそんなことを聞いて来るのだ。大学に通ってんだから、誰かセンパイや専門家に聞くか、パソコンで検索するぐらいしろやあ。
 もちろん私だって、この歌詞のモトが『古今和歌集』の賀の歌であることくらいは知ってるが、更に詳しいことは自分で資料にあたったほうがいいに決まってる。どうせキョージュは「君が代の君は天皇を指すのか否か」とか、下らん論議を生徒にさせたいんだろうから、キョージュが右のヤツだか左のヤツだかは知らんが、満足しそうな説を資料ツギハギしてでっちあげときゃいいのだ。

 ゲーセンでちょっと遊んで「おじゃる丸電動ハブラシ」(しげは鴉丸嬢にプレゼントするつもりらしい)をゲットしたあと、G−SIDEに寄って、「オタクアミーゴス」会場のNTT夢天神ホールを覗いてみる。
 ……なんだ、本屋の「リブロ」と同じ階にあったのか……って、今まで何度もこの本屋に来てるのに全く気付かんかったぞ。むちゃくちゃ目立たんやないか。
 前がFMホールみたいになっていて、その奥まったところの更に奥にあるんだものなあ。廊下も狭いし、客の行列が出来ると、整列させるのにちょっと骨が折れそうだ。オタクは、廊下のハバ取っちゃいそうなヒトが多いだろうし(←偏見ではない)。
 本屋の方まで列が流れて行かないようにしないとまずかろうし、そのあたりのことをエロさんたちと充分相談しておかないと、ウラカタもやりにくそうだなあ。


 天神東宝で映画『陰陽師』。
 少なくともテレビ版よりは出来がいい。役者に余裕があるのがいいのだ。晴明と博雅が酒を飲み交わすシーンも何度かあって、原作の雰囲気はよく伝えている。
 けどなあ、やっぱり脚本にアラがあちこちありすぎるし、キャスティングに疑問ってのも結構多いのだ。

 ともかくキャラクターの行動原理が殆ど描写不足なのが最大のネック。
 陰陽頭・道尊(芦屋道満がモデルか?)が平安京を鬼の街と化して支配しようとする動機が、最後まで分らないままなのが頗る痛い。これ、『帝都物語』でも加藤保憲がなぜ帝都を破壊したがってたのか分らないままだったのとよく似てる(『帝都』は一応、原作のラストでその理由がわかる仕掛けになってんだけど、映画では語られずじまいなのよ)。
 そういえば、早良親王の霊を利用しての都の破壊って手段も、『帝都』そっくりだな。でもなんつーかさあ、歴史考証について余りやいのやいの言いたくはないけどさあ、平安時代最大の怨霊と言われる早良親王を、たかが女一人の「愛」で浄化させちゃうってのはどうだかなあ。
 しかもその女がすっかり老けたキョンキョンだし(それを言えば、早良親王が萩原聖人ってのも違うべえよ)。

 更には安倍晴明が都を守ろうとする動機も希薄なままだ。
 一応、博雅のためってことになっちゃいるけど、博雅、原作以上にアホヅラ晒してるだけで、足手まといにしかなってない。なんで晴明がこんなやつのためにカラダ張ってやらなきゃならんのか、画面上からはどうにも納得ができないのだ。
 まあ、晴明を陰、博雅を陽とするなら、博雅が明るいだけが取り得の間抜けであるほうが、呪術的には正しいのだけれど、別にこれは陰陽道の解説映画ではなかろう。あくまでこれは時代劇という名の、現代人である我々が見るものとして作られたドラマなのだ。現代人として納得できるロジックが描かれなければ、我々は感情移入ができるはずもない。

 もひとつ言えば、蜜虫役の今井絵理子がもうただのブ○でよう(-_-;)。見るに耐えねえったらありゃしない。
 これ、ストーリー上は全く必要でないようでいて、実は一番重要な役なんだがなあ。つまり、安倍晴明の陰陽師としての力というか、その存在を象徴する役割なのよ。何もせずただそこにいるだけで意味を感じさせねばならない、むちゃくちゃムズカシイ役なのだ。
 よくもまあ、こんな大根の、存在感のカケラもないヤツを振ったよな。事務所の力か?
 ……これ、私の勝手な予想だけどさ、最初製作者側が狙ってたの、上原多香子じゃなかったかと思うんだよ。はっきり言って、ルックスからいけばSPEEDの4人の中じゃ上原の美形ぶりが突出してたしな。
 けど、残りの三人もなんとか売りたいってのがプロダクションとしてのホンネだろうから、「上原ダメだけど今井なら」って話になったんじゃないかと。
 そんな話蹴って、加藤夏季にやらせればよかったのに。……って、そこに落ち持っていきたかったんかい(^_^;)。

 けれど、大いに不満だったかっていうと、そうでもなくて、クライマックスの晴明(野村萬斎)と道尊(真田広之)の立ち回り、ワイヤーワークにところどころ頼っちゃってる欠点を除けば、日本の殺陣史上、屈指の名シーンと言っても過言ではない。他の全ての欠点がこのシーン一つで消し飛ぶほどだ。
 狂言の足さばきと、JACで鍛えたアクションとの異質のアンサンブルが、こんなリズムと緊迫感を生むとは。「殺陣」ファンはこのシーンを見に行きなさい。そうでない人にはお薦めしません。

 個人的に気に入っちゃったのが、石井愃一演じる藤原兼家。ご承知の通り、摂関政治によって最大の権力を得た藤原道長のお父っつぁんで、歴史上、晴明のパトロンだった男だ。
 側室の藤原道綱母(『蜻蛉日記』の作者ね)が、この父っつぁんに浮気されて、「なげきつつひとり寝る夜のあくるまはいかに久しきものとかは知る」(=アンタが他の女とイチャイチャしてる間さあ、アタシは一人で布団に入ったまま、ずっと夜明けまで眠らないで待ってんのよ。オ○ることもできないのにさあ、どれだけ長く感じるか、わかってんの?)って歌を詠んで締め出したら、
 「げにやげに冬の夜ならぬ真木の戸もおそくあくるはわびしかりけり」(=君が怒るのは解るよ、ボクが悪いんだから。でもさあ、いくら冬の夜が明けるのが遅いからって、君の家のドアまで開くのが遅いなんて、あんまりじゃない?)と返歌して謝っときながら、でも浮気はやめなかったという、ツワモノである。
 ……まあ、女の一人や二人に祟られてて当然ではあるわな。
 晴明に「祟られる心当たりは?」と聞かれてぶんぶんぶんと首を横に振るあたり「ウソつけ」と思わず突っ込み入れたくなるような名演♪
 東京ボードヴィルショーのファンは、兼家と博雅(伊藤英明)の二人ボケ漫才を見に行きましょう(^o^)。

2000年10月07日(土) V2/ムック『本多猪四郎全仕事』ほか



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藤原敬之(ふじわら・けいし)