無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2001年09月08日(土) 半年分の食い散らし/『あなたの身近な「困った人たち」の精神分析』(小此木啓吾)ほか

 今日で外でのお仕事もおしまい。
 長かったなあ。
 入院明けにいきなり肉体労働だもんね、どうなることかと思ったが、なんとかついて行けたのは、一応、体調がよくなっていたからだろう。
 けれど昨日あたりから、早くも一日の疲れがやはり取れなくなってきているのである。風呂に入っても寝ても、次の日起きてみると、カラダの節々が痛い。けれど筋肉痛ではないのだ。
 つまり、退院して気付いたことなんだが、「椅子に座る」って、それだけですごいストレスになるのだ。
 腰は痛くなるし、背骨はイビツになるし、ベッドの上というのがいかに楽か。
 全てのオフィスの椅子をアームチェアやカウチベッドに換えて、ゆったりした環境の中で仕事させるようにしたら、サラリーマンのストレスも随分軽減されるのではないか。
 ……居眠りが増えるだけだって(^_^;)。


 帰宅してみると、やっぱりしげは寝ている。
 土産の弁当を「食うか?」と聞くと、ガバッと起きあがって「食う食う」。
 これじゃまるで川原泉のマンガに出てくる「食欲魔人」だよ。……あるいは『うる星やつら』のレイか?(覚えていますか? あのブタ牛です)
 台所に行ってみると、いい加減溜まりに溜まった食器が異臭を漂わせている。何日か前から、あまりのしげのグータラを叱りまくり、しげも「ごめんなさい」なんて珍しくも殊勝なことを言ってたから、少しは反省して自分から掃除や片付けをするかと思っていたら、やっぱり何もしていないのだ。
 ……なぜそこまで臭いかと言うと、夕べ、しげの枕もとに、半年以上も食い散らかして放置してあった食器の山を見つけたのだ。いやらしくも枕や布団で見つからないように隠してたりする。
 「さっさと台所に出せ!」と言ったのだが、出しただけで洗っていないのだ。
 ……普通、洗うぞ、どんなバカでも。
 私も、どうしてこんなものまで洗ってやらねばならんのかと思うと、やる気がどんどん殺がれていくのだが、放置してたらますます臭くなるばかりだ。しげの鼻はもともと腐っているから平気なのかもしれないが、私はたまらない。
 泣く泣くジョイをドバドバ食器にふりかけて金ダワシで擦るが、こびりついたヨゴレがなかなか取れない。殆ど重労働だよ、これじゃ。
 半分ほど洗ったところで、食器置き場が一杯になったので、残りは明日に回す。どうしてここまでしげに振りまわされねばならないのか。
 これで私がしげを怒ると、こいつは「アンタって優しくない」「私のこと嫌い?」なんて言うのだよ。
 ……虚しいのは私の方だってば。o(ToT)o ダー。
 どんなに言い訳をし、反省したそぶりを見せようと、しげが生まれながらのウソツキであることはこれだけでも証明されてしまうと思うのだが、どうだろう。
 誰かこいつを弁護できるヤツ、いるか?


 神戸市の中国自動車道で、七月下旬に中学一年生の上家法子ちゃんが手錠をかけられ、路上に放置されて轢き逃げされ死亡した事件で、車から転落させた犯人として、中学教師の福本謙容疑者が逮捕された。
 ……また、教師の犯罪か、というのは呆れるばかりだが、やはり知り合ったきっかけはテレホンクラブだったようである。
 事件が起きた当時は、中学生なのにテレホンクラブ、ということで、被害者の少女のほうもやや非難に近い論調でコメントされることも多かったのに、ここにきて、犯人が教師だったことで、少女の不行跡のほうはなんとなく不問に伏された感じになってしまった。
 でもなあ、女の子の親が、インタビューに答えて「教師のくせに……」なんて憤ってるのを見てると、「キサマが言えた立場か」と言いたくなるなあ。
 もともとテレクラ遊びするような状況にまで娘を追いこんだのは親だろうが。自分の責任で娘が死んだとは思わんのか。そういう親だから娘もテレクラに走ったんじゃないのか。
 別に犯人を弁護する気は全くないが、被害者の家族に同情する気も起こらないのである。


 テレビ、8時からの『これマジ!?』をなんとなく見る。
 えなりかずきがUFO信者だとは知らなかったが、自ら「エナリアン」なんて名乗ってんのは何なんだか。
 えなりクン、最近はつんくのプロデュースで歌も歌ったりして、相当勘違いしているみたいだが、多分ナンシー関がどこかでこのイタさ加減を皮肉ってんじゃないかな。マスコミや芸能界がどれだけ役者に対して冷たいかっていうのは、こういうとき本気でたしなめてくれるスタッフがいないってことだと思う。
 同じ顔の弟も登場してきて(笑)、こちらのほうが「UFO否定派」だというのはいかにもツクリっぽいが、ともかく紹介されるフィルムが誰が見ても特撮だっわかるシロモノなのは視聴者をナメてないか。
 ……すごく単純な疑問なんだけど、UFOが目の前を横切っていくのに、カメラがそのUFOを追いかけないというのはどういうわけかね。追いかけてるやつもあるけど、それは弟クンが指摘したように、ただの鳥だし。
 えなりクンがマジで肯定派だとすると、知能の程度が知れるが、これくらい顔と言動が一致してるタレントってのも斎藤清六以来じゃないか。……いや、『渡る世間は鬼ばかり』を見る限り、えなりクンを「役者」とは呼びたくないんだよなあ。


小此木啓吾『あなたの身近な「困った人たち」の精神分析 パーソナリティ そのミクロな狂い』(新潮OH!文庫・650円)。
 明確な精神分裂症でなくても、ちょっとオカシイ、という類の人間はいつの世もいるもので、まあ、危険がない限りそういうオモロイ人はいても全然構わない。
 ところが別に精神的にヘンとはとても言えないのに、いつの間にか周囲に迷惑をかけてしまう、という人間のほうが、現実的には「困ったちゃん」であることが多いのだ。
 ここで取り上げられているのは、意地悪な人、いじめる人、冷たい人、酒癖の悪い人、暴力をふるう人、嘘をつく人、冷酷な人、意志の弱い人、無気力な人である。
 なんだ、全部私だ(^_^;)。
 でも、実際、現代社会なんて、こんな人たち「だけ」で構成されてると言ったっていいくらいなのだ。作者の小此木さん、こういう人たちを片っ端から容赦なく「ブンセキ」してくれるのだが、タイトルに「職場や家庭のアノ人たちにどう対処するか?」ってあるのは全くの看板に偽りアリで、対処法なんてこれっぽっちも出て来ない。
 例えば、依存型のパーソナリティーを持っている女性が、恋人に捨てられないだろうか、という不安から情緒不安定になってヒステリーを起こし、鬱病になり、アルコールに溺れ……なんて書いてあるから、てっきりその女性をどう治したかってことが結論として書かれてるんじゃないかと思ったら、結局「恋人と別れました」。……コラ、全然治療できとらんじゃないか。
 全てがこの調子で、精神分析関係の本でこれくらい役立たずな本を読んだのも初めてである。
 作者は、こういう「困ったちゃん」のサンプルを集めて、「自分はこいつらより人間的にエライ」と思い込んでるだけじゃないのか。この作者が一番「困った人」だったという陳腐なオチでありました。 


 マンガ、園田健一『砲神エグザクソン』4巻(講談社・530円)。
 「ガルフォース』以来、園田キャラは好きなので『ガンスミスキャッツ』に続けてかってるんだけど、どうもスカッとした侵略者撃退ものにならないのがモドカシイんだよなあ。
 主役の砲一、前巻までは、敵と戦うことをためらったりして、どうにも煮えきらなくて、それがドラマのノリを悪くしてたんだけど、今巻じゃ逆にキレまくって敵を殺してる。この変貌ぶりにどうにも説得力がないのが結構大きな欠点。ヒーローって、基本的にエールを送りたくなるようなキャラじゃないとマズイと思うんだがな。アムロやシンジ君みたいなうじうじキャラに予め設定されてたのならばともかく、もとから猪突猛進型である砲一には、もっと早い段階で、覚悟を決めた行動とっててほしかった。
 インベーダーのリオファルド人も、最初のころはキンバー先生のように、侵略そのものを否定的に見る人物なんかを出したりして「人間」であることを強調してたけど、もう最近はただの悪役だ。
 ……だったらもっとスッキリと、単純な勧善懲悪モノにしてたほうがよかったと思うけどねえ。


 マンガ、有希うさぎ『グルメな情事』(秋田書店・410円)。
 しげがいきなり衝動買いしたマンガだけど、これが意外に面白い。掲載誌は……『ボニータCUBE』?
 滅多なことじゃ手にすることもないな。
 「父は一流料理人、姉は女子アナ。美食と美人に慣れきった高校生、譲史には、どんな女の子も『埴輪』に見える」……わはは、こういうバカバカしい設定は大好きだ。
 まあ、「埴輪」ってところが少女マンガらしくていいやな。男が描くと、まず間違いなく「イモ」とか「ダイコン」になるだろうし。
 そんな譲史の家の隣に引っ越してきた料理上手の美少女、いつき。
 もちろん一目ボレしてしまった譲史、偶然の事故でいつきとベッドインしちゃったのはいいものの、なんといつきのアソコには見なれたモノが……。
 さあ、究極の選択。
 可愛くて料理上手の「男」と、料理上手で女の子だけど「埴輪」。
 どっちを選ぶ?
 ……まあ、「見える」だけで中身は「女」なんだから、「埴輪」を選べばいいように思うかもしれないけどね〜、やっぱ、リビドーに「視覚」は重要なのよ(^^*) ホホホホ。

2000年09月08日(金) 這えば立て、立てば歩めの夫心/『ビーストテイル』(坂田靖子)ほか



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