無責任賛歌
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2001年08月05日(日) |
ちょっとさよなら/『シルバー仮面・アイアンキング・レッドバロン大全 宣弘社ヒーローの世界』ほか |
いよいよ明日から入院である。 ゆっくり休めていいですねえ、なんて言われることが多いが、静かに本が読める以外には楽しいことなんて何もないのだ。勉強だの運動などは強制的にさせられるし。 とりあえず必要なものはなんとか買ったのだが、出かける前に片付けとかなきゃならないものや、持っていく荷物をまとめたりと、しなければならないことは結構残っているのである。 映画でも見に行こうかと悠長なことを考えていたが、その余裕もない。 今日は一日、出かけないでいよう……と思っていたら、しげが「腹減った、メシ食いに連れてけ」と騒ぐこと騒ぐこと。 「今日で最後なんだよ。もうお別れなんだよ。明日はもうアンタはここにいないんだよ。一緒にお出掛けしようよう」 ……なんだか、今生の別れみたいじゃないか。縁起でもない。 でもまあ、食事をするに吝かではないので、麦野のロイヤルホストまで、朝から出かける。 モーニングメニューのサンドイッチとホットケーキを二人で分ける。 ……しげが最近「日記に私の悪口ばっかり書いて、全然ラブラブじゃない」と文句を垂れているので、一応、仲が悪いわけではないことも書いておこう。 あまり自分の女房のことをよく書く夫もいないと思うがなあ。
本屋と文房具屋を回って、入院中に読む予定の本や、暇つぶしにスケッチでもしようと画材なんかを買うが、さて、本当に使う暇があるのだろうか。 蒸し暑い外と、クーラーの効いた中を行ったり来たりしていたので、しげがだんだん気分が悪くなってくる。 仕方なく、耳掻きや爪切りなんかも買おうと思っていたのだが、あとで病院の近所で買えばいいかと断念して帰宅する。 しげは風呂に入って、「寒い」と言って寝てしまう。 風邪でも引いたのかなあ。そう言えば私もなんとなくからだがだるい。 片付けを途中でやめてひと寝入りしたら夜になってしまった。
積み重ねた本の山を片付けようと思って、ふと、読みかけのまましげが勝手に山の中に沈ませてあった岡野玲子の『陰陽師』10巻を見つける。 ……ちょっと取り出そうとしたのが失敗であった。 たちまち山は雪崩を起こし、何百冊という本が床に散乱したのである。
……はい、そうです。さっきまでそれを片付けてて、明日の入院準備、何もしてません。 これからしますって。
朝9時半からのアニメ『コメットさん/もう一人のコメット』。 おおおおお! ついに、ついに登場したぞ、大場久美子のコメットさんが! 一端は星の国に帰っていたコメットさん(本名はスピカと言うそうな)、地球のことが忘れられず舞い戻り、人間と結婚していたのだとか。 ちゃんと、前作の設定を壊さずにつなげているところは良心的でいいなあ。 何よりオバQ(そういうアダナだったのよ)、声が若い! 私より年上だと言うのに、あの若さはなんなんだ! しかも上手い!(考えてみりゃ前作の『コメットさん』、オールアフレコだから上手くて当然なのだった) 地球に来て、楽しいこともいっぱいあったけど、ちょっぴりつらかったこともあっただろうとちゃんと見ぬいてコメットさんを慰めたり、魔法を使おうとして、バトンを落とすドジも披露してくれたり、まさにこれは大場久美子のコメットさん! しかも今回だけのゲスト出演じゃないぞ! 予告編のナレーションも担当して来週も出演だ! 来週も楽しみだ! ……って病院で日曜の朝から『コメットさん』……?
岩佐陽一編『シルバー仮面・アイアンキング・レッドバロン大全 宣弘社ヒーローの世界』読む。 宣弘社のヒーローと言えば、誰が考えたって『月光仮面』と『隠密剣士』だろう、と思うのはもうオールド世代なのだなあ。視聴率的に振るわなかったにもかかわらず、上記の三作をメインに仕立てているということは、もう『快傑ハリマオ』も『光速エスパー』も忘れられてるってことか。 そりゃ、私だって、『月光仮面』とか再放送でしか知らないけど、それがテレビのみならずその後の文化にどんなに大きな影響を与えたかはわかる。 タイトルにそれがはいってないってのは、どうも納得がいかないぞ。 でも内容は素晴らしく濃い。古い作品など、資料も殆ど残っていないだろうに、よくもかき集めたものだと感心する。『月光仮面』の悪役どくろ仮面、テロップには「?」としか書かれてなかったのだが、あれ、謎めかす演出じゃなくて、予算がないので宣弘社の社員が手弁当で出てたんだと。今だから話せる秘話ってところか。
マンガ、和田慎二原作・伊藤伸平作画『ネメシスの剣』。 まあ、和田慎二の世界は和田慎二にしか描けないよなあ、ということが実感できるマンガ。 主役の設定がいくら「役者」だからって、「誰の目にも映らないように演技できる」って、そりゃ北島マヤ以上ではないの。和田慎二の絵でそう言われたら納得するかもしれないけど、伊藤さんの絵じゃちょっと説得力に欠けるよなあ。 ……和田さんの絵の「古さ」が、実は荒唐無稽を逆にリアルに見せてたんだってことに初めて気づいたよ。
マンガ、奥瀬サキ原作・目黒三吉作画『低俗霊DAYDREAM』2巻。 ……いやもう、なんちゅーか。 エッチだなあ。 『エースネクスト』って別に青年マンガ誌じゃないよね? フツーの少年マンガなのに、SMプレイで女王様がイクとこまで描いたってのは史上初めてではないのかな? クレームが来ないかと心配である。 もしかして、奥瀬さん、「ヤケ」になってるのかも。人間社会に充満してるどす黒い欲望に、いい加減嫌気がさしてるのかなあ。
マンガ、ほったゆみ・小畑健『ヒカルの碁』13巻。 ようやく「佐為VS塔矢行洋」にこぎつけたところまで。連載中に立ち読みしてるので、改めて述べるほどの感想はないのだが、人気投票で伊角さんが1位ってのにはちょっとビックリ。 ……女の子のファンが好きそうなキャラではあるけど、ダントツなんだものなあ。やっぱり、最後の最後でプロになれなかったというところが、女性陣の涙を誘ったのかもしれない。 でも雪辱戦は1年後だけど、そこまで連載引くかなあ。 佐為がいなくなっても人気が続くかどうか、ジャンプの読者って結構きまぐれだからそこんとこがちょっと心配なのである。
この日記をいったいどうするかということは随分考えたのだが、何しろ病院内で携帯を使うわけにはいかない。メールを送るようにちょっとずつでも更新して行こうかと考えていたけれど、多分、その程度じゃおさまらないだろう。 書きたいことはどんと増えそうな気がするのだ。
……というわけで、病院にいる間、日記は手書きでつけておきます。 しげが見舞いに来たら、それを渡して何日か置きにUPしてもらおうかと考えています。 でも、読んだ本の感想まで書いてたら、多分ホントに何十枚にもなっちゃうから、しげはきっといやがることでしょう。一応、日々の雑記だけにしようかとは思ってますが。 外出許可が出て、一端ウチに帰ることがあれば、そのときにでも内容を補填するようにしようかと思っています。
というわけで、数少ない当日記の読者のみなさま。 しばしのお別れです。
はいちゃ。
2000年08月05日(土) しまった、翌日になっちゃった/『人喰いの滝』(有栖川有栖・麻々原絵里依)ほか
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藤原敬之(ふじわら・けいし)
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