無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2001年06月24日(日) マンガ読みのマンガ知らず/DVD『地球防衛軍』ほか

 新創刊の週刊マンガ誌『コミック・バンチ』が青年誌としては画期的な部数(70万部くらいだったかと思う)を記録したと言う。
 いったい誰が読むんだという意見を以前、この日記に書いたが、実際に読んでる人が継続しているということなら、それはそれで不況に喘ぐ出版業界が少し活性かしたということでもあるので喜ばしいことだ。
 『北斗の拳』や『シティー・ハンター』のパート2にどんな魅力があるのかと揶揄したのも、私にマンガの魅力を見る目がなかったということになるのであろう。一般的には。
 でもやっぱり面白くないんだよねえ。
 いや、もともと『ジャンプ』の従来のヒット作については、鳥山明を除けば私は全く興味が湧いていなかったのだ。『リングにかけろ!』『キン肉マン』以降、ストーリー的にも作画的にもヘタクソとしか言いようのないマンガが続々とヒットを飛ばしていて、かつては永井豪、ジョージ秋山を擁し、星野之宣や諸星大二郎を世に送った雑誌の質がどうしてここまで落ちるものか、と愕然としていた。
 年1回の愛読者賞でも、作品として完成度の高いコンタロウの『東京の青い空』や江口寿史の『GO AHEAD!』なんかが2位以下に留まり、池沢さとしの『誓いのチェッカー』とか車田正美の『リングにこけろ!』なんて手抜きマンガが受賞するような状況にあって、『ジャンプ』の読者って馬鹿ばかりかと憤慨していたものだった(後に愛読者賞は廃止されるが、これは価値のないマンガが連載作の人気のみで受賞してきた結果だろうと思う)。
 今、冷静になって考えてみれば、それはマンガドランカーとなってしまった私のいしかわじゅん的偏愛のなせる感想にすぎないということにも気がつく。例え完成度が低くとも、破天荒なエネルギーを発散していたそれらのマンガが読者層を広げた功績は否定できないからだ。
 それでもやはり私はまだ首肯し難い。
 例えば私は「つまんねえな」と思いつつも、そこにマンガとしての面白味が少しでもあれば『キン肉マン』だろうが『キャプテン翼』だろうがともかく読みはする。しかし、これらのマンガを本気で面白いと思ってる連中は他のマンガを一切読まないのだ。
 そして大人になれば「いつまでもマンガでもねえしな」と「卒業」していく。
 ……それはホントにマンガファンか?
 そのマンガを本気で好きだったと言えるのか?
 そんな一過性のファンにしか読まれないマンガを送り出していくことが、本当にマンガの将来を考えることになるのか?
 『リンかけ』あたりから始まった「やおい」読者の少女たちに対して私がやや批判的になってしまうのも、その辺に理由がある。
 『聖闘士聖矢』の氷河や瞬、『幽遊白書』の飛影や蔵馬、『るろうに剣心』の剣心や左之助にラブシーンを演じさせている少女たちは、見事なくらいに他のマンガを読む力がない。自分たちの読んでいるマンガの魅力を他人に語る術すら持ってはいない。「やおい」がいけないと言っているのではなく、もともとマンガファンでもない者がマンガファンのフリをしている状況が、マンガの未来を狭めていると言いたいのだ。
 『コミック・バンチ』が人気、というのもどうにも宣伝臭さを感じる。本当に売れているなら、なぜ創刊1ヶ月を経てテレビCMを作る必要があったか。その時期のズレが気になるのである。

 疲れが溜まっていて朝起きられず、テレビ番組も殆ど見逃す。
 朝方、父から電話がかかった時(冷蔵庫の調子を心配しての電話であった)だけ目覚めたが、練習と仕事が連続しているしげとは一日会えず。
 おかげで日記のネタがない(^_^;)。
 日記と同人誌の原稿書きで1日を過ごす。体重は83.4キロ、昨日よりちょっと下がったが、82キロ台に戻すにはまだまだだ。

 夕方、外出して生ビデオテープを買いこむ。買い損なっていたマンガを、博多駅のメトロ書店で探し、何冊か見つける。
 帰りにザ・めし屋に寄ってチキン南蛮と筑前煮にワンタンスープ。今日の食事はこれだけ。これで明日も太ってたら泣くよ。
 今日はようやく晴れたので、散歩に出ようとした瞬間、また土砂降り。
 とことん雨に祟られるなあ。

 絵本、たかはしみき『こげぱん パンにも出会いがあるらしい…。』。
 『こげぱん』シリーズ第3弾。
 キャラクターグッズの絵本化にもかかわらず、いい出来なんだよな、このシリーズ。
 たれぱんだよりもだんご三兄弟の流れにあると思うんだよね。「こげぱん」って。更には意外なことに正統的なメルヘンの流れに位置していたりするのだ。つまりは「永遠」の物語。
 だんご三兄弟もほったらかしてたらカチカチになるが別に死なない。
 こげぱんもこげたまま売れ残ってるけど別に腐らない。
 ふてくされてもすねててもこげぱんはこげぱん。まあ人生そんなもん。

 マンガ、八神健『ななか6/17』2巻。
 時折6歳のななかが、17歳に戻る瞬間を作っているのはいい演出だ。
 果たして17歳のななかは6歳に退行している時の自分を認識しているのか? 完全に意識が戻った時、ねんじとの関係はどう変化するのか? など、読者の興味を惹く方法として実に効果的。
 今巻は更に雨宮さん(名前がゆり子と判明♪)のオンステージでもあり、すっかりフリークになってる私は大満足なのであった。
 でもネタ的にもう面白そうなエピソードは使い果たしちゃったような気がするなあ。あまり引かずに5巻くらいで終わった方がまとまりよくなると思うんだが。

 マンガ、北崎拓『なんてっ探偵アイドル』4巻。
 毎回同じ感想しか書けないのになぜ毎回買うかな(^_^;)。
 だからトリックが成り立ってないってば。
 もういいっスよ、ミステリがどうのこうのじゃなくて、トリコロールの三人娘のエッチなポーズ楽しむのが目的で見るってコトでいいから。

 DVD『ウルトラQ』2巻。
 『ペギラが来た!』、ヒゲの越冬隊員の声を内海賢二がアテてるが、これもクレジットなし。声優に対して全く無頓着なのは時代のせいもあるかもしれないけど、こうやって現在復刻してるのに、なぜ改訂しないかな。
 しかしペギラはいつ見てもいいなあ。
 『育てよカメ』、中川晴之助作品は今見返すとなんだか切ない。子供を主人公にしたブラックユーモアがこの監督の持ち味なんだが、それより何より、主役が子供だと私のココロはこの昭和40年代に容易にタイムスリップしてしまうのだ。
 大泉滉みたいな先生もほんとにいたし(^^)。
 『SOS富士山』、先日亡くなった金井大が警官役で出演。このころから印象が変わってない人だったんだなあ。でもよく見ると野生児タケルの服、きちんと縫われている。……金井大に縫ってもらってたのか?(^o^)
 『甘い蜜の恐怖』、モングラーを巨大化させてたのは「ハニーゼリオン」という名前になってるが、撮影時の名称は「ラゼリー・B・ワン」という名の薬品。もちろんこれは『ウルトラQ』の提供がタケダ薬品になったためのやむない変更だが、だからよく見ると、アフレコでは「ハニー」と言ってるのに口の動きは「ラゼリー」のまま。
 これも有名な話だけど、ラストの火山爆発は『空の大怪獣ラドン』のフィルムを流用したために、よく見ると炎の中に羽ばたくラドンのハネが見える。おいおい、モグラにいつハネが生えたんだ(^O^)。
 円谷英二が妥協を許さない完全主義者だったってのはやっぱりただの伝説だと思うな。

 DVD『地球防衛軍』。
 特技監督、川北紘一と樋口真嗣の対談コメンタリーがなんと言っても白眉。
 樋口真嗣の映画へのツッコミが激しく、それに対して円谷英二を信奉する川北紘一が「なにを言っとるんだこいつは」とムッとしながら、なんとかその感情を抑えているのだけれども、結局は怒ってるって様子が声の端々からわかるのがもう楽しくて(←悪趣味)。
 樋「なんでこの当時の映画ってみんな踊るんスかねえ? そういう時代?」
 川「……かねえ」
 樋「モゲラって迷子になってただけなんじゃないスか?」
 川「……」
 特撮の専門用語をいちいち字幕で説明してくれるのも嬉しかった。

 しげ、夜中の1時に帰宅。
 「疲れた疲れた草臥れた」とウルサイのでどうしたのかと聞くと、練習のあと志賀島までみんなで遊びに行ったんだとか。
 そりゃ疲れるに決まってる。そのまま仕事だと分かってて遊んでるんだから同情なんかしてやんないのだ。



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