無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2001年06月13日(水) とんでもございません(←これも誤用)/『少女鮫』6〜9巻(和田慎二)ほか

 文化庁が今年1月に全国の男女3000人を対象に実施した「国語に関する世論調査」の結果、こういうの、何年か置きにやってるみたいだけど、さて、いったいどういう目的があるんだろうね。

 以下、ア○ヒ新聞よりの引用(^^)。

⇒ ことわざでは、「情けは人のためならず」を「人に情けをかけて助けてやることは、結局はその人のためにならない」という誤用が48.7%で、本来の意味である「人への情けは結局は自分のためになる」の47.2%を上回った。
 「一姫二太郎」(正答=子どもの一人目は女、二人目は男が理想)でも「子どもは女1人男2人が理想的だ」が33.7%、「かわいい子……」(正答=子どもは甘やかさず世間に出して苦労させた方がいい)でも「子が望めば、希望通りに旅をさせてやるのがよい」の選択者が7.8%いた。
 「やる」とその丁寧表現「あげる」の使い分けでは、「植木に水を――」「相手チームにはもう1点も――(ら)れない」の2問で、ほぼ7割が「やる」を選んだ。ところが、「うちの子におもちゃを買って――たい」では、「やる」46.8%に対し「あげる」44.8%、残りは「両方使う」だった。5年前にも同じ質問をしており、3問すべてで「あげる」派が増えていた。

 言葉がなぜ変化するかってことだけど、誤用と言ってはやや言い過ぎかもしれないけれど、発音にしろ意味にしろ少しずつ「ズレ」が出て来るせいだってことは理解出来る。
 さて,気になるのはその「ズレ」がなぜ生まれるかってことなんだけど。
 ここでフロイトを出すのは定番すぎて固陋な見方かもしれないけれど(^_^;)、「無意識の願望の現われ」と考えれば確かに殆ど説明がついちゃう。
 ……となるとごく一般的な日本人って、「他人に同情することなく、子供は男の子が多い方がよくって、子煩悩、というより子供にヘイコラ低姿勢でいる」ってことになるねえ(^o^)。
 まあここから日本人は堕落している、という結果を導き出すのは簡単だけど、文化庁、そう思わせるように大衆を意識誘導しようとしてるんじゃないの? つまりは「言葉の乱れは心の乱れ」と大衆を説教したいわけね。
 でなきゃわざわざこんないかにもな言葉を選んで訊いてる理由が解らない。
 でも、例えば童謡『赤とんぼ』の「負われて見たのはいつの日か」を「追われてみたのはいつの日か」、『ふるさと』の「うさぎ追いしかの山」を「うさぎ美味しかの山」と勘違いするのなんて、どう分析するんだ? 現代人が「とんぼに恐怖を感じて、肉食を望むような野性に戻りたがっている」と考えてるとでも分析するか?
 あまりフロイトには頼らんほうがいいよな。

 それはそれとして、単純によく解らんのは、この手の誤用、余りにも有名で、恐らく学校の授業などで正解を聞かされたこと絶対あるはずなのに、どうしてこうも誤答率が高いのか。小学生相手にアンケート取ったわけでもなかろうに。
 単に記憶力のない馬鹿が増えたってだけデータのようにも思うな(^^)。

 福岡発信の朝のニュース番組、『やじうまワイド』でもこの問題を取り上げていたが、そこでコメンテーターの一人が、「最近、レストランのウェイトレスが注文取ったあとで『以上でよろしかったですか?』って言ってるの、おかしいよなあ、『よろしいでしょうか?』だろ?」と言っていた。
 確かに、ここ2、3年、ファミレスも喫茶店も、ほぼ9割の店で若い子が「よろしかったですか?」と過去形で喋るようになっているのだ。料理を運んできたあともやっぱり「以上でよろしかったですか?」だ。
 なんだか、「もう注文は終わりか? これ以上余計な注文するなよ」と暗に言われてるようで、聞いていてむなくそが悪くなるのだが、若い人は別に違和感を感じていないようなのである。
 どうも東京のほうでこんな喋り方は流行っていないようなのだが、いったいこれは福岡だけの現象なのだろうか?

 ネットやメールの「顔文字」も年代を超えて受け入れられているというニュース。
 あまり使いすぎると却ってくどい気はするが、私もけっこう重宝させてもらっている。ただこれも数ある「専門用語」「術語」同様、セクトを作るだけのものになりかねない危険性は孕んでいるのである。何しろ、長い年月の間に練られて多様な表現力を獲得している言語に比べて、まだまだ記号性が強すぎるのだ。
 日本語を使えた上で、硬い文章の緩和剤的に使うような配慮がないと、ただむやみやたらと使ったところでただのバカにしか見えなくなるのだ(^_^;)。


 体重84.6キロ。ううむ、昨日より600グラム増。
 でも85.0キロを越えてないのでホッと胸をなでおろす。ほんとにチビチビとしか体重減らないなあ。70キロ切るのは1年先か?(-_-;)

 まあ、体重増加の原因は解っているのだ。昨日の晩飯の春雨丼である。
 市販の「ゴハンがススムくん」の具にネギと卵を加えて飯にかける。カロリーとってくれと言わんばかりだが辛味が卵の甘味で適度に中和されて、これが実に美味いのよ。
 しげに作ってやったら、どんぶり一杯「こんなに食べきらん。おなか苦しい」と言いながら全部きれいに食べました。
 で、今日も晩飯は春雨丼。本気でダイエットする気あるのか?

 『パワーパフガールズ』、『セキララ白書』などテレビを漫然と見る。
 『パワパフ』は最初はずっと録画をしていたが、場所を取るばかりだし、DVDが出れば買うんだろうしで、時間が合えば見る、程度になっている。
 でも今日のはちょっと録っておいてもよかったかな、と後悔した。
 終日雨で(ちょうど現実にも今日は雨だ)事件も起きず、仕方なく部屋の中で「パワーパフガールズごっこ」をするパワーパフガールズ。でも暴れるモンスター役をバブルスが演じてるものだからバブルス役がいない……ああ、博士、そんなあられもないお姿を!
 『セキララ』、身長158センチの女性、62.5キロまではデブではないそうである。ホントにどーでもいーことばかり調べてやがんなこの番組。
 今、一番視聴率を稼いでいるのは、みのもんただそうだが、別に何かでブレイクしたわけでもないのに、いつの間にかあの顔が見えないとテレビが寂しく感じられるようになってるってのは、一種の中毒症状なのか。いや、私は別にハマってないんだが、なぜかしげにはみのさんがマイブームらしいのである。
 ……なぜ?(@_@)

 CSで映画『ひばりの三役 競艶 雪之丞変化 前編』見る。
 最初に美空ひばりの口上で始まるのが気が利いてる。
 でも見ながら一番ドキドキしたのは波路役の北沢典子だったりする(^。^)。
 ……いや、やっぱり「清楚」って言葉を体現してた女優さんが昔はいたんだよねえ。
 「タメイキ出るくらい美しい」ってホントに思うもの。……雪之丞、なんで振るかな、こんなにキレイなのに。
 

 宮澤賢治の弟さん、宮澤清六氏死去。
 97歳で老衰、ということだが、賢治没後50年で著作権が切れ、映画化、アニメ化が立て続けに行われた10年ほど前、そのことごとくに監修として参加していたとき、既に80歳を過ぎていた計算になる。
 『銀河鉄道の夜』がアニメ化される時、最後までキャラクターを猫にすることに反対していたそうだが、その理由が「兄は猫が嫌いでしたから」といういかにも「身内」な発言であった。
 確かに研究者の間で賢治の猫嫌いは有名であり、エッセイでその猫嫌いを語っているほどである。
 にもかかわらず、『猫の事務所』『どんぐりと山猫』など、賢治童話に猫を主軸に据えた作品は多い。
 アニメスタッフがキャラクターを猫で、と考えたのは、人間ではファンタジーにはならない、それに「実は賢治は猫が嫌いではなかったのではないか」と考えたからだというが、実際、あの猫のキャラクターは悪いアイデアではなかったと思う。
 「身内の反対」であれが人間キャラになってしまっていたら、さて、あれだけの透明感を出すことが可能だったかどうか。賢治作品の復刻に尽力した清六さんだったが、果たしてその世界観をどこまで理解していたかはちょっと疑問である。

 唐沢俊一さんのお父上が亡くなられたことをホームページの日記で知る。
 唐沢さんには一度お会いしたことがあるだけだし、ご自宅を存じ上げてるわけでもなし、ある意味失礼かとも思ったが、メールで弔意を表す。
 なんかね、そうしたくなっちゃったのよ。
 くどくは書かず、ご挨拶のみ。

 マンガ、和田慎二『少女鮫』6〜9巻読む。
 しげが「最終10巻が見つからな〜い(ToT)」と嘆いているが、そこで打ちきりになってるのが解っているので、買って読んでも楽しいかどうか疑問があって迷う。
 実際、日本編になった途端、それまでのハードな展開はどこへやら、なんだかどうでもいいような文化祭の話なんかが紛れてこんできて、つまらないのだ。
 『スケバン刑事』以来、全部そうだが、和田さんのギャグはオーバーであまり笑えない。作者だけが楽しんでるような印象が強くて、読者が乗り切れないんだよねえ。
 テーマだけはでっかく「人類滅亡のタイムリミットが遺伝子に組みこまれている」なんてぶち上げてるけど、もともと3巻の予定の作品をどこまで続くかわからんような引きをするから編集部とケンカになるのだ。
 悪いのは編集部だけじゃないような気がするなあ。



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