無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2001年05月01日(火) 実は某大学推理研OBです/『チーズはどこへ消えた?』(スペンサー・ジョンソン)ほか

 わあ、また雨だ。
 先週の「ずっと晴れ」の天気予報はどうなったんだよう。
 しかもつい今日が月曜日である気になって、早出の日なのに寝過ごしちまった(月曜は遅出なのです)。
 ああ、5分遅刻。
 しかも慌てて走ったので職場の玄関で派手に転んじまった。
 ……転んだ直後は痛くなかったのに、夕方頃からビキンビキンと筋に沿うように痛みが走るようになった。
 明後日から旅行だと言うのに、ひどくならなきゃいいがなあ。


 今日も仕事は目白押しで休む暇もないのだが、いい加減活字に飢えている。
 ちょこちょこと読み進めている本は何冊もあるのだが、なかなか読み切れない。そう長くない本でも読もうかと、『裏モノ会議室』でも話題、というより「(笑)」になっている例のあのベストセラーを読んでみた。

 スペンサー・ジョンソン『チーズはどこへ消えた?』。
 もう大爆笑(^O^)。
 物語としての深みなんかありゃしない、ただの熱血スローガンだけで出来あがっているバカ本であり、トンデモ本である。もっとはっきり言っちゃえばオウム真理教の教本とレベル的にはほぼ同一だ。
 マンガで言えば『巨人の星』であり『エースをねらえ!』であり、ハマるやつはハマるだろうが、要するに一見怠惰に見える保守派(ほんとはそんなことないけどね)を蔑み、「変革」という名のもとに弱者を疎外し迫害しようっていうクソみたいな本だ。
 こんなもんに感動してる連中が多いってのは情けないが、これで「民衆は洗脳されたがってる」ってのがはっきり解るという点では面白いね。
 世の中に「パロディにされるために生まれてきた」本があるとすれば、これはまさしくそうであろう。私はこの本の「チーズ」という単語を全て「チ○チ○」(←わかんないヒトのために、解説しよう。ペ○スのことだよ)に置き換えて読んだ。「チーズ」は全ての求めるものの象徴だって言ってんだから、著者は怒るわけにはいかないはずだ。
 ありがちだけど、この本が語っているもっともらしいスローガンの質がそれくらい低レベルだってことが、よーっく、わかりますよ。チーズだかなんだか知らないけど、人間は「目標」なんてモノを持ってたら現実的にはロクなことをしないんだけどね。
 さあ、みんなも「チーズ」をいろんな単語に置き換えてご覧♪


 疲れて帰宅すると、しげがパンを買ってくれている。
 「食べていいか?」
 と聞くと、「イヤ」と言う。
 私のために買ってくれたのに食べちゃいかんというのは意味が解らない。
 「なんで食べちゃいけないんだよ」と文句を言うと、
 「……残して」
 ……半分こしたいんだったら最初からそう言え(ーー;)。


 NHKBS2で『ゴーストバスターズ』見る。
 DVDも持っているのだが、字幕がテレビ用だと微妙に違う。
 「ゲイトキーパー」が「門番」なのは同じだが、「キーマスター」を「かぎ師」ってのは意味が通らんぞ。要するにこれはホテルの鍵の管理人と同じことなんだから、「鍵番」でいいんだよ。
 笑えたのはあのビル・マーレイがウィリアム・アザートンを罵倒するシーン。
 「はい、市長、こいつはタマナシ(peck)です」
 これが「こいつは怒りんぼです」に変えられていた。
 怒りんぼって……かわいいぞ。
 これでアザートンがマーレイに殴りかかろうとするんだけど、それじゃホントに「怒りんぼ」じゃん。……もしかしたら、これ、改訂をNHKに命じられた翻訳者が、やけになったのかも知れないなあ。

 続いて見た『シャーロック・ホームズの冒険』は『ソア橋事件』。
 横溝正史の『本陣殺人事件』の元ネタになったやつだな。トリック自体は今や古色蒼然としてしまった感があるのに、今でもじっくり見られるのは、キャラクター造形が古びてないからなんだよなあ。
 新本格の作家たちが見習って欲しいところである。
 

 山田風太郎原作、石川賢作画、『柳生十兵衛死す』1巻。
 既に『魔界転生』を漫画化し、ただでさえ面白い原作を更なる奇想をもって最高に面白くしてしまった経験を、そのままこの「柳生十兵衛三部作完結編」にも応用してきた。
 イヤ燃えましたよ、何たって、『甲賀忍法帖』のあの不死身の薬師寺天膳が、柳生十兵衛と激戦を繰り広げるのだ!
 石川賢は、風太郎忍法帖で『バイオレンスジャック』をやるつもりだ。
 恐らく、『伊賀忍法帖』も、『九ノ一忍法帖』も、『柳生忍法帖』も、もしかしたら『妖異金瓶梅』や『明治波涛歌』まで、全てその石川ワールドの中に取りこんでいくかもしれない。
 注目の一冊である。


 先日、日記ランキングつながりの少女漫画家さんからのメールで、「私の正体、推理してもいいですよ〜♪」とのご許可を頂いた。
 なんだかお互いに気遣いあって妙なことになってしまったが、どうやらお怒りではない様子なのでホッとする。
 私の人となりをご存知の方は先刻御承知だが、一見、シニカルに見せかけてはいても、基本的には青春野郎なのである。マジで『飛び出せ!青春』が人生のバイブルだった時期があった(「LET'S BEGIN!」だぜ!)。
 ……何が言いたいかっていうとさ、私ゃ未だに女性に対しては幻想を抱いてるとこあるわけよ。なんかね、推理しようにもね、いわゆるマドンナ像みたいなものが頭ん中に出来あがっちゃってて、その漫画家さんについては、既に夏目漱石の『三四郎』の美禰子がパラソル持って歩いてるものだから(古いな)、もはやほかのイメージが想像できないのですよ。
 でもまあ、乗りかかった船だ(いつだよ)。
 勝手に想像しちゃおう。

 まず言えること。
 彼女は「さくらももこ」ではない。
 清水に住んでないし、ご主人はいらっしゃるし、あんなおっちょこちょいのとんちんかんでもない。

 彼女は「玖保キリコ」でもない。イギリスに住んでない。

 彼女は「美内すずえ」でもない。
 ちゃんと連載は続けられてるようだし、第一アレがアレしてアレになったりしていない。

 彼女は……。
 アカン、消去法で行ったらキリないがな。
 ちょっと視点を変えねばな。

 プロフィールによると、お仕事が少女漫画家・美少年漫画家とあるが、わざわざ「美少年漫画」と書いてあるところがヒントかなあ。でも二十年前なら「美少年漫画」なんて『風と木の詩』と『摩利と新吾』くらいしかなかったけど、今は腐るほどあるしなあ。……幼年誌には描いてないかな。
 むしろ月産「40〜50ページ」というのがヒントになるかも。
 月刊誌でも普通は30ページくらいが普通だから、これは2誌以上に渡って描いているか、月二回刊の雑誌に描いてるかどちらかじゃないかな。
 ただ、今のところ日記からは数誌に渡って描いてるような感じはないから、やはり月二回刊誌か?
 うーむ、パッと思いつくのは『花とゆめ』くらいだけど、きっとほかにもあるよなあ。
 漫画家さんはよく自分の漫画の欄外に近況報告描いてるから、それを手がかりにするというのもアリかも。ともかく独身やデビューしたばかりの人は除かれるだろうし。
 ああっ、もう推理するためのデータがない(+.+)。

 うーむ、やっぱり「ジッチャンの名にかけて」ってわけにはなかなかいかないな(^_^;)。

 
 今週、どういうわけだかエンピツのランキングの得票数が増えている。
 先週まではどんなに行っても15票くらいが限度だったのに、今週は三日でもうそこまで達してしまった。
 なんでかなあ、と思っていたが、実はしげの仕業であることが解った。
 と言っても、しげ本人が何度も投票ボタンを押してるわけではない。
 しげは、ちょこちょことこの日記の環境設定などを変えて使いやすくしてくれているのだが、その投票ボタン、今までは「投票」としか書いてなかったのを、「読んだら押してね」に書き変えていたのだ。
 こりゃ、何も知らない人が読んだら、「なんだろう?」と思って、とりあえず押すわな。なかなか卑怯なワザを使うやつである。
 このワザ、シティーボーイズのライブ『ウルトラシオシオハイミナール』にあったギャグネタの応用だな。

 『シティボーイズミックス ラ・ハッスルきのこショー』、いよいよ明後日見るために東京行きである。
 この日記も5/2〜5/3の間更新が停止しますが、よろしければその間も投票ボタンをよろしく。
 結構、日記を書く励みになりますもので。

 それにしても劇団のメンバー、掲示板に全く書き込みしてくれんなー。
 ……もしかして、身内なのに読んでくれてない?(・・;)



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藤原敬之(ふじわら・けいし)