無責任賛歌
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2001年04月30日(月) |
別れのトワレ/映画『名探偵コナン 天国へのカウントダウン』ほか |
先にお知らせ。 この日記にもたびたびギャグメーカーとして登場してくれる、私の女房であるが(そりゃ登場するわな)、こいつのことは今まで「女房」としか表記してこなかった。しかし、今回から改めて「しげ」と呼称することにする。 最近しょっちゅう女房は、「あなたは私への愛が足りないわっ!」と拗ねてるので、「女房」とか「家内」とか言う書き方もつっけんどんかなあ、と反省してやめることにしたのだ。もちろん、これは女房が自分でつけた芸名で、本名ではない。 掲示板等で女房のことを話題にしてくださる方も、よろしければ「しげさん」と気安く書いていただけるとありがたい。多分女房、もとい、しげもそれを喜ぶと思う。
なんだなんだ、今日は晴れると天気予報で言ってたのに、また雨が降ってやがるぞ。 しげは、「雨だよ、どうする?」と哀願するように私を見つめてくる。 「どうするったって、出かけるしかないじゃん。休みはもうないし。とりあえず昼まで待って、雨が止むようなら映画に行こうか」と答える。 それまではネットを回覧したり朝寝したり。
掲示板を開設して、早速友人や知人からの書き込みがあって、実はちょっとホッとしている。 こんなことを言っても誰も信じないかもしれないが、私はほかの人の掲示板に書きこんだり、メールを送ったりするのが無茶苦茶苦手である。 自分のようなつまらぬ人間が書き込みしたりメールを送りつけたりして、迷惑ではなかろうか、もしかしたら石を投げつけられ十字架に掛けられ大天使ミカエルにさらわれて釈迦や阿修羅王の監視役をさせられるのではないかと、内心ビクビクしているのだ。 ましてやフォーラムに長文の感想を書きこむなど、怖くてとてもできない。 ……ここで、やってるじゃんかと当然ツッコミが入るところでしょうが、だから、ニューヨークのスラム街で「ニ○ー!」と叫ぶくらいの勇気をふりしぼって書いてるんですってば。 その反動か、日記ではもう、私はかなり好き放題、まさしく無責任な態度で愚にもつかぬことを書き散らしている。 みんな私のこと嫌ってるだろうなあ、掲示板作っても何も書いてくれないだろうなあ、と、半ば閑古鳥が鳴くのを「覚悟」して、開設したのである。 それがもう、一日で何件もの書きこみ。これこそ感謝感激雨霰である。
日記ランキングでお知り合いになった少女漫画家さんから、「奥さんに優しくね」と書きこみしていただいたのはとても嬉しかった。 男はなかなか女ゴコロというものに気づかぬものらしい。 ほかの女性とのメールのやりとりをしげが嫉妬していること、私はワガママなやつだとしか受け取っていなかったのだが、「夫が自分以外の女性に時間とパワーを遣っているのは、浮気でなくても寂しいものです」という指摘は、そう言われるまで気付きもしなかった。 やはり私はしげに対していささか傲慢になっていたようだ。
「やっぱり女はみんな同じだよ」 と、しげは言う。 「俺がほかの人にしてることを自分にもされてないの、いやか?」 「うん。例えばあんた、昔の彼女と、空港でキスしたことあるでしょ?」 いきなり何を言い出すか、と焦った。 確かに私は、大学時代、上京していたので、福岡空港のロビーで当時の彼女にしばしの別れのキスをしたことがある。 ……青春野郎だったんだよ、悪いか(-_-;)。 「私にはしたことないじゃん、空港でのキス」 「……物理的にできねーだろ? 空港で別れ別れになるなんてことないんだから」 「でも今度、空港に行くじゃん」 「一緒に東京に行くんだろうが。別れるわけでもないのにキスなんかできるか」 「でも、別れる時あるじゃん」 「へ?」 「トイレに行くときとか」 ……わしゃトイレに行くたびにいちいち女房に「今からトイレに行くけど、待っててね。その間、キミが寂しくないよう、魔法をかけてあげるネ(はあと)」とか言ってキスせにゃならんのか!
それだけは絶対に避けたい。 空港でキスしない代わりと言ったらなんだが、今度からときどき女房にメールを送ることを約束する。 ああ、しかしもともとこの日記は私としげのおバカ日記にする予定だったのだ。いめーじは「ひろしとみさえ」。でもこのままでは、だんだん「ミッチーとよしりん」のノロケ日記に近くなってしまうぞ。どうしたらいいのだ。
昼から雨が上がったので、ワーナーマイカル大野城まで自転車をかっ飛ばして、『名探偵コナン 天国へのカウントダウン』を観に行く。 しげ、売店でコナンのポーチを買う。色は黒で金のメダルつき、シックでなかなかカッコイイ。私も『クレヨンしんちゃん』のハガキを手に入れてにやついている。おおっちゃんと太陽の塔が描かれてるぞ♪ ……病膏肓だなこりゃ。 場内アナウンスの「『クレヨンしんちゃん』は満席です、次の回を……」という声に、一人「よしよし」と頷く。 福岡では同時公開の『コナン』よりヒットしているのだ。公開期間は短いようだが、興行成績、結構いい線まで行くのではないか。
『名探偵コナン 天国へのカウントダウン』、アラはあちこちにあるが、ミステリーにアラはつきものなので、批判しだしたらキリがない。トリックがチャチ、というより無理があるのは毎回のことだし。 でも一応ネタバレしない程度に批判しとこう♪ 揚げ足取りだと言うやつもいるだろうが、ミステリーの批判は全て基本的に揚げ足取りになるものなのである。 今回の殺人の動機、江戸川乱歩の分類によるなら「異常な動機」の範疇に入るものだろう。でも「異常」ってことは普通の常識から言えば納得しがたい動機でもあるということだ。簡単に言えば「そんなつまらん理由で人殺すバカがいるか」ということなのだ。 犯人が、自分が犯人であるという証拠を、現場にあえて残していっているのも不自然。 感動シーンが今回、コナンと蘭、少年探偵団と、分散しているのもネックかな。サスベンスで見せる場合、基本ストーリーにサブストーリーが絡むと、失敗する例は多いのである。 他にも批判されて仕方ない面はいくつかあるが、全体として見れば、ストーリーを複雑にしすぎてかえってつまらなくなってはいるが、捻りの効いている部分もあり、まあまあの出来と言うところか。
大野城サティでヒレカツ、コロッケを買って、帰り道の途中の公園で、ピクニック気分で食べるつもりだったが、雨上がりの公園は妙にジトっとして、晴れやかな気分にはならないのだった。 帰宅して弁当を食べたあと、しげは仕事に備えて早寝。 私はエロの冒険者さんに借りていたDVD『怪獣ウラン』を返さねばならぬので、まだ見てなかったラストの部分を見る。
『怪獣ウラン』、邦題がまずいい加減で、「怪獣」ったってゴジラみたいなのでは全くなく、不定形生物である。 ドロドロしたモンスターと言えば、パッと思い出せるだけでも『ブロブ』『ターミネーター2』『美女と液体人間』『水神様がやってきた』などポツポツあるが、倒し方はもう、燃やすか流すか固めるかしかないのでオチが見えてしまうのが難点。 ストーリーは無難で、言いかえれば陳腐。でもB級SFと言っても、意味不明な描写が続くほどではないから、まあよくまとまっている方か。
8時にアクロス福岡前で待ち合わせして、AIQの方がたと中洲の「魚民」で飲み会。 なんだかなあ、大してスタッフワーク的なことしてないのにほとんど友達感覚でしょっちゅう顔を出してるけど、いいのかなあ。 でもいったんオタク話に花が咲くと、ほとんど傍若無人に振る舞っている。「人の迷惑顧みず、やってきました電線音頭」と言うヤツだな。 ノリにノって喋ってたおかげで何を食ったかほとんど覚えていない(^_^;)。 ああ、そうそう、金網籠に入った野菜をそのまままるごと、昆布のダシだけで鍋で湯がいた料理が美味しかったなあ。あの鍋はちょっと可愛らしくて欲しかった。100円ショップあたりで売ってないものだろうか。 日記に書かねばならぬので、みなさんのハンドルネームをお聞きするが、これをただ並べたら、もう印象は百鬼夜行である。 エロの冒険者さん、ゴクウさん、いちろうさん、しおやさん、アンジェリーナさん、都合で来られなかったが、ぴんでんさんとロデムさんが来てたら、さて、これはどういう集団なんだか(^^)。 でもウチの劇団の連中の芸名も並べてみると、ほとんどやおい同人誌のメンツだから、ヒトのことは言えないのである。 私のように普通っぽい名前の方が好きというのは珍しいのかなあ。でも、仮に私が「ロミオ剣崎」とか「にゃんころりん」とか言うペンネームを使っていたとしたら、多分劇団員から袋叩きにあうと思うんだが。
いつも話に出てくることではあるが、今回もしおやさんが「『ふゅーぷろ』と言って、何の解説も要らないというのはうれしいなあ」とおっしゃる。そりゃまだバックナンバー捨てずに持ってますもん。『奇天』も『幻影城』も全冊ウチにはあるのだ。カビてて古書としての価値はないけど。 でもそんなのはただの自慢話にしかならないので言わない。それにみなさん、どうせもっと凄いコレクションを持たれてるのに違いないのだ。 コレクションと言えば、先日この日記に書いた、しげ謹製のバチモン「しんちゃんサイン色紙」、しおやさんが「いいなあ、ほしいなあ」とおっしゃっていた。 確かにあれはしんちゃんとして書かれたものだし、今、しげに書かせたってそれは別のもの、その意味では「ホンモノ」として貴重かもしれないけど。 でももう少ししげに辛抱強い根性があれば、もっとイベント用のシナリオ、手に入ったろうになあ。
オタク話の全てを書いていたらスペースがいくらあっても足りない。 今回も箇条書き的に印象に残った話などいくつか。 ●ゴクウさんは「燃える闘魂」のTシャツを買って見せびらかしていた。これが赤地で超カッコイイ。英語だと「BURNING SPILITS」になるのだな。それからみんなで手もとにあるオタクグッズの見せ合い。 ●いちろうさんは脱脂粉乳が大好きだったそうだ。そんな人には初めて会った。ガキのころアレをムリヤリ飲まされて教育不信になった人間は多かろうに、やはり同世代だからと言って、ひとくくりで語るのは危険と言うものである。 ●アンジェリーナさんの職場の上司はホ○だそうである。しかも東大コンプレックスが強く、岡田斗司夫さんの本を「東大講師の方の本ですよ」と言ったら喜んで購入したそうな。……ちゃんと読んだのだろうか。 ●クーンツは「安っぽいスティーブン・キング」である(byエロさん)。 ●テレビQ(東京地方だとテレビ東京か)の深夜番組の『おやじ』はとても面白いらしい。 ●佐野元春はコミックシンガーである。 ●そのうち、エロさん主催の海外バカSF映画の上映会を開く予定。タイトルは『オタク・アミーゴス・セピア』になる予定である。
最後のは、『プッチアミ。』や『ミニアミ。』でもいいかも。 しかし一日経って書くと、細かいところは忘れちゃうなあ。もっと面白い話もあったような気がするんだが、また思い出した時にでも書くかな。
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藤原敬之(ふじわら・けいし)
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