無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2001年04月27日(金) 祝、2000ヒット/映画『チキンラン』

 わははい、2000ヒットだ♪
 個人ホームページの立ち上げはどうなったって声も聞こえてきそうだが、いや、資料集めは進んでるんですよ。天知茂の明智小五郎シリーズは全話録画したし。
 でもそれを整理し記録する時間がない……(-_-;)。
 友達にも言われているのだが、やりたい事が多過ぎるのである。頭の中に浮かんでるコンテンツだけで10個近くあるのだからなあ。その記事全部埋めようなんて、そりゃ無茶な話ってもんだ。
 実際、自分の満足できるようなホームページを作ろうと思ったら、スタッフを何人も雇って、プロダクションでも経営するしかない、という事はわかっちゃいるのだ。
 金にもならんのに誰がそんなことするか。
 と言うわけでホントに一人で取り組んでるものだから、やたら時間がかかるのである。でも一通り記事が揃ったら、たとえ途中でも立ち上げないとなあ。
 とりあえず夏までには必ず、としておこう。でないと入院予定もあるし、確実に秋にずれこむものな(^_^;)。


 女房がCSの「ヒストリーチャンネル」にハマってしまったおかげで、朝がたニュースを見ることすら出来ない。天気予報も見られないというのは本気で困るんだが、女房は意に介した様子さえない。
 いやまあ、流して見てても面白くはあるけれどもねえ。なんでこう毎日、吉村作治の顔ばかり見てなきゃならんのか。
 ちょうど小泉政権が誕生して、政治に興味のない私ですら、こりゃ面白くなってきた、という気がしてきているのである。腰砕けになる可能性は非常に高いのだが、「青二才に政治ができるか」という顔でふんぞり返っている他の政治屋どもの肝を冷やしてくれるだけでも溜飲が下がる気がしている。暴言や不適切発言の一つや二つなんだってんだ。
 ともかく「閣僚からどんな発言が出てくるか分らない」なんて時代がこれまでにあったか。ご本人たちがどう思っているか分らないが、意外性という点では今回の内閣、「吉本新喜劇内閣」だと私は思っている(←誉めてんだよ)。
 これは小泉総理が桑原和男に似ているという事で連想したわけでは決してない(^^)。


 薬が効いてるおかげが、昨日一昨日よりはふらつかないでいるが、体がキツイのには変わりはない。
 仕事が滞らぬよう、同僚の何人かに割り振ったりして、自分の負担を軽減しつつなんとかやり過ごすが、それでも午前中は椅子に座る間もないほど忙しかった。
 傍目にもオカシク見えていたのだろうなあ。今日はやたらと「大丈夫ですか?」と聞かれる。去年だと、「見てわからんのか、大丈夫かどうかくらい」と内心ムッとしてたかもしれないが(と言うか、そもそもそういう言葉すらかけてもらえなかった)、今年は素直にありがたいと思ってしまう。
 精神的な健康って、やっぱり大事だよなあ。
 私の精神衛生上、一番ストレスを与えているのは、去年は職場だったが、今年は女房である。
 状況はずいぶん改善されたものだ(^^)。


 マンションの鍵が今日から付け替え。
 帰宅してみると、なるほど、鍵穴がタテ型からヨコ型になっている。
 空き巣が増えたため、ということだが、確かに今度の鍵は針金一本じゃ開けられないような工夫がされてある。
 鍵は各戸4個ずつ配布されているのだが、女房に「1個くれ」と言うと、「私がまだ自分のホルダーにつけてないのに、アンタに渡すわけにはいかん」などと言う。
 こういうアホなこと言われると本気で幻滅するんだよなあ。甘えてるつもりなのかも知らんが、会話する気をなくさせてどうするつもりか。
 連休はなるべく女房と会話しないようにしないと、かえってストレスが溜まりそうだ。……って書いといても女房、少しも反省せんのだよ。やれやれ。


 さて、またまた今日もネットで他人の日記の回覧。
 一昨日の私の日記に、ある少女漫画家さんの日記を読んでいることを書いていたら、早速その方の日記に「読んだよ〜」という内容のことが書き込まれていた。
 なんとありがたいことに、私の日記を「お気に入り」のリストに加えてくださっている。日頃、女房から「くどいんだよ、アンタの日記は」と言われていて、「性格だから仕方ないじゃん」とイジイジしていた身にしてみれば、読者が一人いてくださるというのはなんとも嬉しい。
 私もあなたの日記を毎日楽しみに読んでますよ、とお礼のメールを送ろうかと思ったのだが、そこで、ハタ、と考えこんだ。
 見も知らぬ相手からいきなりメールを送られる迷惑を考えると、いささか躊躇するものがある。何より、相手のご主人が気を悪くされるのではないかと心配になったのだ。
 自分の妻が、夫そっちのけでパソコンにはまっていたりする場合(その漫画家さんのお宅がそうだとは限らないが)、あまり嬉しくは思わないだろうし、そこへメールなんかが届いた日には、どんなにココロのできた夫であっても、内心、穏やかではあるまい。
 漫画家さんだからなあ、ファンレターとかで慣れてらっしゃるんじゃないかなあ、とは思うのだが、ともかく失礼は避けたい。
 この日記を私信代わりに使うのも何なんだけど、これを読んでいらっしゃると思って、改めてお礼申し上げます。
 誤解を招いたようで申し訳ありませんが、あなたの正体を本気で探りたいと思っているわけではありません。正体がバレると自由に日記も書けないでしょうから、あてずっぽうで「○○さんでしょ?」なんて言うつもりもありません。あなたの仮名すらここに書かないのは、あなたが誰であるかを探ろうという意志のないしるしだと思ってくださいませ。
 ほんとにただ勝手に「どんな人なのかな」と思っているだけなのですが、日記の文章から、何も語られなくても、優しくお美しい方だということはそれとわかりますので、それ以上の詮索はしないつもりです。
 重ね重ね、失礼いたしました。もしもこの文章も迷惑であるということでしたら、すぐに削除いたしますので、その旨メールででもお知らせください。
 どうか、今後もお仕事に育児に夫の操縦に、頑張ってください(^^)。

 ……なんか読み返してみると、ちょっとナンパ文だな。
 いや、つい昔のワルイ癖が。
 これはこちらの女房の悋気の方がチト怖いかもしれない(^_^;)。


 夜、女房を誘って、映画『チキンラン』を観に行く。
 出がけに女房がまたグズグズしていて、しかもやっぱり新しいキーをなかなか渡そうとしなかったので、腹を立ててさっさと自転車をかっ飛ばし、先に行く。
 いつもはそこまでのことはしないのだが、先にパンフを買っておかないと、帰りには売店は閉まってしまうのだ。
 キャナルシティに着いたのは上映15分前だったが、売店に列ができていて、パンフとファンタを買うのに10分かかってしまった。やはり女房を置いて行って正解。こういう時に愛情はかけぬのがオタクのサガであることは全くもって『厩火事』。
 場内に入ってすぐ予告編が始まったが、女房もようやく到着。私から離れたところに座るので、どうやら置いてかれたことを根に持ってる様子だが、どうせ映画が終わるころには忘れているだろう。
 『チキンラン』、ご贔屓のイギリス・アードマンスタジオ製作の長編クレイ(粘土)アニメーションだが、実はあまり期待していなかった。
 CGアニメーションの傑作を次々とモノにしてきたピクサーもそうだが、小さな製作スタジオがハリウッド・メジャーと組むと、たいてい作品が大味なものになってしまって、まあ、面白くないとはいわないが、「この程度?」と言いたくなるような出来に落ち着いてしまうことが多いのである。
 ピクサーの『トイストーリー』シリーズも面白いのだが、短編の『ルクソーJr.』や『ゲイリーじいさんのチェス』の方が何倍も面白かった。
 ましてやアードマンはあの『ウォレスとグローミット(断じて発音はグルミットではない。最初NHKで吹きかえられた時もちゃんと「グローミット」と発音してたぞ)』を作ってきたところである。……ドリームワークスと組んで、さて、面白いモノが作れるのかいな、と危惧していたのだ。
 オープニングを見たとき、それは杞憂だったかと思われた。
 養鶏場から逃げ出そうとするニワトリたち、ある時は変装し、ある時は地下道を掘り、何度も失敗しては主人に捕まって檻の中に連れ戻される。
 この辺の展開がモロ『大脱走』のパロディで、畳み掛けるような展開にあのテーマソングそっくりの曲がかかって、大いに期待させられた。
 ……でも、そこまでだったんだよなあ。
 つまんなくはないんだけど、やっぱりハリウッド・メジャーの予定調和的展開で、全く意外性がないのだ。『ロング・トラウザーズ(これも『ペンギンに気をつけろ!』なんて言いたくない。ちゃんとNHKは『はきちがえたズボン』と訳して放映していた)』で、線路から脱線しそうな機関車のおもちゃに乗っていたグローミットが、とっさの機転で危険を回避したあの秀逸なアイデアに見られるような「おおっ!」というような展開が全くない。
 寂しい。寂し過ぎる。
 後ろに座ってたカップルは、女性の方が二回目らしく、彼氏にいちいち解説してやっている。見終わって、「ねえ、面白いでしょ」「うん、とても面白かった」と会話していたが、私は思わず、
 「違う! アードマンの面白さはこんなもんじゃないんだ!」と言いたくなってしまった。……ホントに言ってたら変態だが。
 ツマラナサの原因の一つは、はっきりしている。
 チキンたちが喋っているのがダメなのだ。グローミットやベンギンは喋らなかったからこそ、あれだけの「演技」が出来たのだ。クレイアニメーションは、たいてい喋らせると失敗する。……そのくらいの基本がわかってないアードマンだとも思えないんだが。
 なんだかこうなると、『W&G』の新作も、はたして期待できるのかどうか心配になってくるのである。


 帰宅するとさすがに仕事疲れに映画疲れも重なって、布団に倒れこむようにして眠る。
 女房との諍いの仲直りは明日に持ち越しである。


 フト気付いたが、「オタアミ会議室」に書きこんだ『映画クレヨンしんちゃん』の感想、ニフティに加入してない人には読めないのだった。劇団のメンバーの諸君にはぜひとも何かの機会に(できればGW中に)見に行って欲しいので、ネタバレを承知の上でここに書く。
 日本映画史上随一の傑作であることは保証します。



 東京地方ではしんちゃん、ひまわりちゃん、女子アナ軍団の舞台挨拶もあったという(福岡にも来ないかなあ)『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ! オトナ帝国の逆襲』、公開初日に天神東宝まで行って参りました。
 実は毎年初日に行ってるんですが、今年はちと様子が違う。もう毎回チケットが満席完売、これまでもヒットこそしてましたが、初日だからと言ってそこまでのことはなかった。おかげで仕事を早引けして(おい)映画館に駆けつけたというのに、入場できずに次の回を待ち、1時間並ぶハメになってしまいました。
 思えらく、事前に情報を仕入れていたオトナたちが結構大挙して押し寄せたのではないでしょうか。それくらい今回の作品は70年代のノスタルジックなムードに浸れるガジェットがてんこ盛りだったのです。


















 かすかべで開かれることになった「20世紀博」、大人たちは連日懐かしいかつての特撮、アニメ、おもちゃや遊びのとりこになって、だんだん子供化していく。
 そしてある日突然起こる大人たちの失踪という逆ハーメルン現象、子供化した大人たちによる子供狩り。
 ……あの可愛らしい絵柄でやられるものだから、意外に気付きにくいのですが、これは思いっきりホラーでハードなSFストーリー展開であります。
 しんちゃんを初めとする、カスカベ防衛隊はパパやママたちを奪還するために「20世紀博」をウラで操る秘密組織「イエスタディ・ワンスモア」(しんちゃんは勝手に「オトナ帝国」と名づけてます(^_^;))に殴りこみをかけるのですが……。

 既に冒頭の大阪万博再現、ウルトラマンならぬスーパー(ひろし)SUN対ゴモラモドキ(怪獣の名前もつけてほしかったなあ)のシーンで、あの当時を知る身としては感激に打ち震えてしまうのですが、それからこれでもかこれでもかというほどに繰り出される失われし20世紀の思い出の数々、魔法使いサリーが、セーラームーンが、ジャイアント馬場が、やたら丸っこい車やオート三輪が、同棲時代や夕日の下町が、あの時代を象徴する数々の名曲、『ケンとメリー』や『白い色は恋人の色』、『今日までそして明日から』をBGMにして、脳髄を直撃してくるのです。
 ラジオから「♪なーあああ、いんてぃんでぃあーん♪」と『聖なる泉』が流れてきた時なんか、思わず「よしっ!」と(何が「よし」なんだか)握りこぶししてましたね。

 ひろしたちオトナを子供に返していたのは、その時代の「匂い」。現実の21世紀はその「匂い」をなくしている。来るべきはずだった未来、失われた21世紀を取り戻すために、もう一度「20世紀」からやり直す。それが「イエスタデイ・ワンスモア」のリーダー、「ケンちゃんとチャコちゃん」(何となくサチコとイチローのほうが合いそうな気がするけど)の計画。
 ひろしは自分の靴の匂いのおかげで、懐かしい匂いの世界から脱出することが出来るのですが、このときの回想シーンは、しんちゃん映画史上、屈指の名シーンでしょう。
 万博会場でアメリカ館の月の石を見るために並んでいた親子、でも、あまりの行列の長さに閉口して、結局、親に説得されて子供は泣く泣く列から離れる……。
 ……ええ、ええ、私も同じ経験しましたとも。1970年を幼稚園か小学校低学年で過ごした身なら、あのひろしを「アレはオレだ!」とシンクロさせて見ることでしょう。思わずあの時の甘言を弄して私をムリヤリ列から引き離したオヤジに対する殺意が31年ぶりに復活してきましたよ(^^)。
 ……月の石かあ。今や北九州スペースワールドに行けば、別に並びもせずに間近で何十分だって見られるようになりました。あのときの無念を、どこにどうぶつけたらいいのやら。
 それはそれとして、靴の匂いをかがされたひろしの脳裡を過去の走馬灯が駆け巡ります。
 青春時代、彼女との自転車の二人乗り(やったやった)、就職、失敗を繰り返す新人時代(やったやった)、みさえとの出会い、結婚、生まれてくる子供(ああ、ほしいなあ)……そして目覚める今。しんちゃんが声をかける、「と―ちゃん、オラがわかる?」
 えいくそ、思い出しただけでまたジンときちまうぜ、べらぼうめ(T_T)。
 目覚めたひろしとみさえは、しんちゃん、ひまわりと、「20世紀の匂い」を止めるため、発生装置のあるタワーの頂上を目指して走ります。再び自分たち家族の21世紀を取り戻すために。
 そうなのです。20世紀は確かに懐かしい。昭和のころに、60年、70年代に帰ってみたい。そういったノスタルジーを否定することは誰にも出来ません。
 でもそれを否定するのではなく、まるごと飲みこんで21世紀に一歩を踏み出す、そうしなければいけない、少なくともしんちゃんたち21世紀の子供はそれを望んでいる。
 「オラとうちゃんたちと一緒に大人になりたい!」……ここしばらく、「ずっと子供でいたい」アニメが多かった中、しんちゃんのこの叫びはマジで感動ものでした。
 「大人になれよ」という押しつけがましい説教ではなく、自らの心の中から「オトナになりたい」という思いが生まれてくるドラマなのですから。
 でもオタクにはややイタイ面はありますけどね。
 ……ちょっと不安だったのは、展開は地味だし、こういうの、会場の子供たちには面白くないんじゃないかと思ってたんですが、ギャグシーンで笑うの以外、水を打ったようにシーンと、みんな映画に見入っていたんですよねえ。なんと行儀のよいことか。
 やっぱり彼らは「しんちゃん」の視点でこの映画を見、とうちゃんたちの思い入れがよく分らないなりにも、「救いたい」という思いから映画に入り込んでいたのでしょうか。……子供なりの家族愛かな、やっぱり。
 誰でしょうね、「『しんちゃん』見てると子供が生意気で反抗的になる」なんて言ってたやつは。

 ほぼ大満足のこの映画の中で、ちょっとだけガクッときたのは、コサキンの芸ナシぶり。……「アッと驚くタメゴロー」も「ガチョーン」も「ヒジョーにキビシーッ」もまるで似てない。声質が真似できないならできないで、勢いくらいはほしかったのに、あれじゃとてもプロとは言えない出来でした。……私はコサキンの「面白かった芸」というものの記憶が未だにないのですが、ハテ、なぜ彼らは売れてるのでしょうかね?
 あと、原監督がお好きな気持ちはわかるのですが、もう『ブルースブラザース』のパロディは二番煎じの印象が強くなるんでやめた方がいいんじゃないですかねえ。

 原監督に交代して以来、以前ほどのパワーを感じなくなっていたのですが、今回は久しぶりに堪能させて頂きました。……でもここまでの大ネタ振っちゃったあとだと、次回作に苦労しそうな気もします。でもぜひとも来年は第十作記念映画を作ってほしいものです。
 ああ、『しんちゃん』の映画シリーズ、DVDになるのをずっと待っているのに、発売予定は全くないのか!



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