無責任賛歌
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ふにゃー。 ……と書いておいたら、女房が、「一日の日記を二回に分けて書いたら、下のほうのに気がつかない人も出るんじゃない?」と言われた。 その可能性もないことはないが、かと言って、次の日の日付のところに、前日の内容を書きこんでも混乱すると思うのである。 まあ、この日記を熱心に読んで下さっている方々なら、翌日に量が増えることもあるということは先刻ご承知だろうから、それほど気にせずともよいであろう。 マンガ、新谷かおる『ドラゴン株式会社』読む。 今はなき『少年キャプテン』に廃刊号まで連載されていたもの……と言っても、全6話しかない(^_^;)。 どこぞのインタビューで作者がこんなことを語っていた。 「傾きかけた雑誌があると、起死回生の手段として『ひとつ連載を』と依頼されることが多いんですよ」 これも今はなき『少年ビッグコミック』がジリ貧状態にあった時、名作『エリア88』が文字通り救世主となったことは周知の事実。恐らく『キャプテン』もそれを狙っていたのだろうが、いかんせん、『エリア』と『ドラゴン』とでは、その作品レベルが天と地ほども違う。 言っちゃあなんだが、新谷さんのマンガは作品によっての出来不出来の差がありすぎるのだ。『ドラゴン』は人口過密による異次元への移住、という設定そのものは悪くないが、そこに中世の剣と魔法のファンタジー世界を構築するという発想があまりにありきたり過ぎる。主役三人娘のキャラクター造形も、ドジっ子としっかりものとトラブルメーカーとって『なんてっ探偵アイドル』なみの陳腐さ。これで人気をとろうってのはちょっと客をナメちゃいないか。 末期の『キャプテン』は読者ターゲットとしてのオタク層を角川の『少年エース』に奪われた形で失速して行ったが、「オタクはファンタジーに釣られる」みたいな安易な発想が却って命を縮める結果になったように思えてならない。 でも、廃刊間際の雑誌って、たいてい「なに考えてんだ」的なヤケのやんぱち企画が連載されること多いんだよな。『少年キング』の『風雲輪投げ野郎』とか。 和田誠・三谷幸喜『それはまた別の話』読む。 以前『キネマ旬報』に連載されて単行本化された、お二人の映画についての対談が、文春文庫に収められたもの。これはきっと文庫になる! と、単行本を買わずに我慢してたかいがあった。 基本的に映画評の類は、自分が見たことのある映画についてしか読まないようにしているので、12本の映画のうち、読んだのは半分の6本である。 でも卑しくも映画ファンを自認してる男が、『アパートの鍵貸します』や『恐怖の報酬』をまだ見てないってのは恥以外のなにものでもないなあ。 だからあまり大きな口は本来たたけない、たたいてはいけないものだとは思うのだが、『トイ・ストーリー』についてお二人がしきりに「今までのディズニーっぽくないアニメ」「ディズニーにしては珍しく主人公が人間臭い」「歌の中にストーリーの説明があるのもディズニーらしくない」とか言っているのが気になって仕方がない。 あれは提供はディズニーだけど、制作はピクサーなんで、厳密に言えばディズニーアニメとは言えないのだ。あれをディズニーアニメと言っていいんだったら『となりの山田君』だってディズニーアニメになるぞ。あれを「ディズニーにしては珍しく日本人の家族を主人公にしている」なんて言うか? 三谷さんはともかく、和田誠さんは広島アニフェスにも参加してたし、ピクサーのアニメについては知っててもおかしくないはずなんだけどなあ。連載中もおかしいなあと思っていたが、誰も訂正しようとしなかったのかなあ。 森卓也、何してたんだ。 女房と口げんかしてしまったので、せっかく一緒に食べようと買ってきたチーズパン6個入りひと袋を、自分一人で食い尽くす。おかげで腹が苦しいまま寝る。時計を見ると午前2時。明日は仕事が早いので、どう考えても4時間しか眠れない。私の睡眠時間を返せ……って、適当なところで喧嘩を打ち切っちゃえばよかったんだがなあ。下らんことで喧嘩をするなという喧嘩をしてしまうことほど下らんことはない。
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