無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2001年02月20日(火) 女房の家出/『× ―ペケ―』1〜3巻(新井理恵)ほか

 風邪引き五日目。鼻水もダダ漏れ状態。
 夜中、眠りながら咳を連発(我ながら器用)。心配したのか女房がノド飴を投げつけるがそのせいで目が覚める。……感謝すべきなのかな。
 ゆっくり休んでも風邪が治らんと言うのはウィルスの方に根性があるのだろう。世間でもずいぶん風邪ばやりの模様。具合が悪い時は無理せず養生した方がいいと思うんだがこの国はワーカホリックな人で成り立ってるからなあ。
 と言いつつ私もこれ以上仕事を休めんのだ。やれやれ。

 女房が劇団のHPの日記に「夫婦ゲンカして別居」と書きこみ。昨日の口げんかで負けたのがよっぽど癪に障ってるらしい。読んだ人は、別居なんて女房得意の冗談だろう、と笑ってご覧になってるかもしれないが、女房はこういうことで冗談を言う人間ではない。これは<本気>である。
 帰宅すると玄関の鍵が開けっ放しである。当然部屋の中にいるものだと思って覗いてみるが、家の中のどこにも女房の姿が見えない。鍵は棚の上に置いてあった。
 パソコンの前のテーブルに、ぽつんと一つ、ラーメンが乗っている。まだ温かいので外に出て行って時間は経っていないようだ。
 私への晩飯のつもりだろうか。でも私の帰りをラーメンだけが待っていたというのはなかなかシュールな光景だ。
 醤油の薄味で私の好みである。
 今まで私の好みの味を出してくれたことなんてなかったのになあ。

 誤解する人がいるといけないので、念のために書いておくが、女房は家出したのではなく仕事に出かけて行ったのである。こちらも女房の演技に合わせて女房に見捨てられた夫を演じてみてもいいのだが、結果として女房が帰って来ることが解ってる以上、ノロケにしかならんので早々にネタバレさせておこう。
 「冗談じゃない」と書いたではないか、と文句をつける方もいようが、ウソではない。女房はいつでも本気である。ただ実行が伴わないだけだ。
 どうもお粗末さまでした。

 新井理恵『× ―ペケ―』1〜3巻読む。
 ウサギにしか見えない転校生ってネタ、なんか別のマンガでも見たような気がするなあ。玖保キリコの『ちょべりぶ』はブタだったけど、他にもあったような気がするのに思い出せん。それはそれとして、このマンガのアオリは「シュールマンガ」ってことらしいけど、なんだかキクニやアイハラがやってたツッコミギャグをそのまんま少女マンガでやってるって感じがするだけで、特にシュールだとは思えんのだがなあ。つきあってる男にやたらつれなくする女のネタは面白かったけど。
 女房がいつの間にか買ってたものだが、本当にどこでどうこんな本を探してくるんだか。作者と女房、誕生日が1日違いなので親近感持ってるのかも。
 
 『仮面ライダーアギト』3・4話見る。
 初めて主人公が「変身!」と叫ぶが、記憶喪失のクセにどうやったら変身できるのかは知ってるのだな(^o^)。
 役者が全員どヘタクソ揃い(升毅さんは好きだけど)というのは『クウガ』からの引継ぎだから仕方ないとしても(本当は仕方なかねーけどな)、大学の自主製作映画なみの編集しか出来んのはなんとかならんか。場面と場面がスムーズにうまくつながらないのである。
 ヒロインの真魚役の秋山莉奈って子、17歳という設定なのに実年齢は15歳でまだ中学生なのだな。……とてもそうは見えんぞ。最近の子供は成長が早いな。

 女房、0:00に帰宅。服がタバコ臭い。お店仕事をしているのだなあ。
 「ラーメン、汁吸ってなかった?」
 「そうでもなかったよ、麺は延びてたけど」
 「じゃあ、結構早く帰ってきたんだ」
 ……私の帰りの時間を気にするようでは、まだまだ女房に別居は無理だな。



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