無責任賛歌
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2001年02月19日(月) |
語源の楽しみ/ミステリチャンネル『ポワロと私』ほか |
風邪引いて四日目だってのに咳がやっぱり止まらない。 パソコンにばっかり向かってるからだという天の声は無視して病気を押して仕事。咳どころかクシャミ、鼻水、目眩が怒涛のごとく押し寄せてくる。よく「気の病じゃないか」と言われるが気の病でクシャミが出るかい。
雑誌『言語』3月号、語源特集である。 思わぬ語源が紹介されるものも面白いが、「まことしやかな語源」、つまりは後世の人が適当にこじつけた語源の紹介などもあって、これが特に面白い。 大槻文彦は『言海』で「猫」の語源を「寝高麗」とし韓国渡来のものだからだと言う。じゃあ上の「寝」ってのは何なんだ。他にも「寝子」とか「如虎(にょこ)」とかの説も紹介されてるが、「にょこ」なんてどう考えたって無理があるよなあ。 最高なのはあの『養生訓』で有名な福岡の誇り、貝原益軒の『日本釈名』。 「夏」……「暑(あつ)」がなまったもの。夏は暑いから。 「水」……「出(いず)」がなまったもの。水は土の中から出てくるから。 「柿」……「赤き(あかき)」がなまったもの。柿は実も葉も赤いから。 「猫」……「ね」はネズミ、「こ」は好む(このむ)。鼠を好むから。 最後のなんかただのクイズだ。益軒ってバカだったのだな(^o^)。未だに『養生訓』を参考にして「何回ヤルのが……」なんて言ってるやつ、頭冷やしたほうがいいぞ。 地名の語源で笑ったのは、岐阜県武儀郡武儀町にある「平成」という地名。 これ、その土地では「へなり」と呼び、「お墓」のことだそうな。道理でこの平成の世は……なんて言ったら不謹慎か。この辺の知識は唐沢俊一さんの一行知識に書きこんだらおもしろそうだが、もう既に誰かが書いてるかな。 オタク向けで嬉しい語源紹介があったのは「オッハー」。 ちゃんと、「慎吾ママがテレビで広めたが、山寺宏一が『おはスタ』で言ってたのを香取慎吾が借用した」としっかり書いてくれている。言語学の専門雑誌のお墨付きだあ! たとえ千年後、「オッハー」の語源が世間から忘れられても、資料としてしっかり残ったのである。ううむ、まさか言語学史に「山寺宏一」の名が残ることになろうとは……。感無量。 他にも面白い話がゴマンとあるがとても紹介しきれぬのでカット。興味ある人は890円なので買ってみよう。
仕事から帰宅するなり、女房と口論。 今月、家計に足が出たので責任のなすりあいになったのである。出ちゃったものはしようがないのでなんとかやりくりするしかないのだが、二人とも頭に血が上っているので、なかなか「じゃあどうしようか」という建設的な話にならない。 たいてい夫婦ゲンカというものは元々の原因から離れて関係ない話に派生してしまうものであるが、気がついたら女房は私を「芸なし」と罵倒するし、私は私で女房を「寄生虫」呼ばわりする。何だかお互いに相手のイタイところばかりついてるよなあ。遠慮がないというか、ホントによく夫婦やってられるなあという感じだが、ベタなギャグマンガじゃないが、気がつくとこの二人、数時間後には「もう、アナタったら」「君こそ、ウフフ」なんてことになってるのである。って私たち自身のことだが(^_^;)。 犬をも食わないなんとやらでした。
女房が「デビッド・スーシェが素顔で出てるよ!」と教えてくれたので、CSミステリチャンネルで『ヒッコリー・ロードの殺人』に続いて『ポワロと私』見る。 スーシェがポワロの役作りについてインタビューに答えたもの。なるほど、ヒゲなしの彼はポワロの時のユーモラスな感じがなく、毅然とした名優、という雰囲気。どちらかと言うと素顔のイメージは以前演じていたジャップ警部のほうが似合っている。 インタビューの内容自体は、概ね『名探偵ポワロ』のムックに書かれていた話題。それでも役者が原作を相当読みこみ、ヒゲの形から歩き方、喋り方に至るまで研究に研究を尽くしているプロフェッショナルぶりには再度感嘆。ベルギー語とフランス語の中間のアクセント、なんて日本人には解らんものなあ。吹替え名優、熊倉一雄にだってこれは無理だ。 吹替えもものによっては好きなのだが、やはり私はどちらかと言えば字幕スーパー派なのだ。
晩飯はレトルトの野菜かぼちゃカレー。いくら甘いよと言っても、女房信用せずに一口も味見をしない。レトルトのわりにこれはカボチャの自然な甘さがとろりと口の中で広がって、結構イケてたのになあ。
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藤原敬之(ふじわら・けいし)
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