無責任賛歌
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2000年11月01日(水) |
夢で他の女と会うのも浮気なんて言うなよ/『文鳥』(夏目漱石)ほか |
なんだこの土砂降りは。台風だと? ……もう11月だぞ!? とても自転車で通勤する気になれんので、タクシーで職場まで行くと、朝方の連絡で「車で乗り付けてくる『人』がいますが、交通が混雑するので控えてください」とお達しが。……「人」ってなんだよ。明らかに私のことではないか。そういう当てこすりでなく、文句があるならどうして直接私に言わん(-_-メ)。
奇跡的なことに溜まっていた仕事が今日で片付く。それにしてもこの三日間の平均睡眠時間が3時間。よく体が持ったな(^_^;)。 機会があって宇美神楽を見に行く。江戸期に途絶えていたのを、明治34年に復活させ、今に伝えているもの。こういう伝統神事を見るのは好きなので楽しみにしていたのだが、いかんせん、ここ数日の睡眠不足が祟った。心地よい鈴、笛、鼓の音色。私があっという間に眠りに落ちたことは言うまでもない。一時間の演目中、10分も見てない。ああ、なんてもったいない(T_T)。 いわゆる「天孫降臨」神話(大国主尊が天皇家の祖神、邇邇芸尊に国を譲る話)に取材したものだが、『古事記』に登場する神々のほかに地元の神も登場するのが特徴。どんなやりとりをするのか見たかったのになあ。
しばらく本を読んでいなかったので、貪るように読む。 夏目漱石『文鳥』、名作なのに今回が初読。ああ恥ずかしい。文鳥を見ながらかつての女を思い返すシーン、ドキッとする。あっ、これは漱石流のポルノグラフィーではないか。抑制の効いた文体がかえって淫靡な、しかし露悪的にはなりすぎないエロティシズムを醸し出している。 松村喜雄『乱歩おじさん』、乱歩の親戚だった作者の眼から見た伝記。『パノラマ島奇談』より『一寸法師』の方が名作、とする作者の意見に思わず膝を打つ。これは名探偵明智小五郎が唯一犯罪を犯す話で、そのショッキングさでも、もっと評価されていいと思っていたのだ。
睡魔が襲ってきたので、ちょっと仮眠、と思ったらそのまま寝入ってしまった。 そして、夢を見た。 私は駅前である女性と待ち合わせている。女房以外の女だ。 女が私を見つけて駆け寄ってくる。 「こんなに人がいっぱいなのによく分ったね」 「だって……あなたの周りの空気、暖かいもの」 ……いや、それだけの夢だが。あああ、まるで少女マンガ(-_-;)。漱石の『夢十夜』には遠く及ばん(当たり前だ)。
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藤原敬之(ふじわら・けいし)
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