無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2000年08月21日(月) 一日経つと記憶が消える。……年か?/ドラマ『柳橋慕情』ほか

 サーバーの不調のせいかまる一日日記が開かなかった。女房の話ではこの日記を借りてるとこは軒並みそうらしい。原因は何だ。定期的に回線を閉じて検閲でもしてるのか(←陰謀史観)。

 てなわけで、21日(月)の日記。

 仕事場の広報誌に書いた雑文(書評のようなもの)が、いつのまにか掲示されている。
 「このままでは誌面に穴が空いちゃうんですよぉ」という担当女性の哀願にほだされて、急遽30分で書いたものだが、そんなもん載せていいのか?
 ふと思い返してみると、この数ヶ月で随分原稿を頼まれ、いくつかは引きうけ、いくつかは断ったが、引きうけたのはすべて女性からの依頼のものだ。男からのは全て断っている。
 偶然とは怖いな。
 いや、ホントに偶然なんだってば。
 信じて奥さん。

 今月の雑誌、『キネマ旬報』『国文学』『言語』『テアトロ』、一通り読む。
 『国文学』は三島由紀夫特集。ちゃんと映画『からっ風野郎』にまで触れているのが嬉しい。三島は俳優になることを小説を書く行為とは全く正反対の行為をしたかったと答えているが、要するに貧弱な体を鍛えたのを人に見てもらいたかっただけじゃないのか。『憂国』はまだ未見だが見てみたいなあ。
 そう言えばウチには日本未公開のポール・シュレイダー監督・緒形拳主演の仏映画『MISHIMA』のビデオがある。画像は汚いが、劇団の連中集めて上映会開いてみないか。
 『キネ旬』の記事で『ウォレスとグロウミット』のニック・パーク監督のクレイアニメの新作が大ヒットの記事。めでたいめでたい。アニメはセルやCGだけじゃないことが一発で分るアニメだ。日本に入って来たらみんなぜひ見よう。

 夕方、NHKで山本周五郎原作の『柳橋慕情』第一回。
 テレビはどうしても台詞過多になるが、それを除けば、じっくり造りこんであっていい出来。
 心配していた吉田栄作、意外にヅラが合っていて江戸弁も悪くない。
 滝田栄の松村信兵衛は、往年の『ぶらり信新兵衛道場破り』を知っている者には軽みに欠けていて違和感があろう。
 主演の若村麻由美、まだちょっと華に欠ける。全十六回、この調子で持つだろうか。

 録画していた映画『舞台は廻る』(原作は久生十蘭の『キャラコさん』)見る。
 笠置シヅ子や淡谷のり子の歌が聞けるのも楽しみだが、拾いものは益田喜頓のピアノ。『ライムライト』のバスター・キートンそっくり!



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