無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2000年08月20日(日) 眠い日/『大江戸化物図譜』(アダム・カバット)ほか

 朝、目がさめたら午後3時。
 ……朝とちゃうがな。
 途中、一回トイレに起きたような気もするが(それもうろ覚え)、正味15時間は寝ている。
 しかもそれでもまだ眠い。
 何があった? 俺。

 女房はとうに練習に出かけているので、仕方なくご飯に卵をかけて食う。
 昔、お袋が「子供の頃は卵を二つかけて食べるのが夢だったのよ」と言っていたが、二つかけたいところを我慢して一個ですます。
 丁度そこに女房から電話。
 雨に降られて買い物ができないので、ピザを注文しておいてほしいとのこと。
 「傘かカッパは持っていかなかったのか?」
 「朝、晴れてたもん」
 「天気予報は見てなかったのか?」
 「うん」
 「他のみんなはどうしたんだよ?」
 「だぁれも傘持ってきてない」
 「みんな濡れ鼠か!」
 ……ウチのメンバーだけで「まぬけの会」(c.シティボーイズ)を結成してもいいじゃん。

 録画しておいたドラマ、天知茂の明智小五郎シリーズ第2作『浴室の美女』を見る。
 二十年以上前のドラマだが、今見返してみると若干変更はあるものの、意外なほどに原作に忠実なのに驚く。
 実は、乱歩作品が忠実に映像化されることは案外少ない。原作の『魔術師』は特にケレン味たっぷりの作品だから、監督は映像向きだと判断したのだろう。監督の井上梅次は映画でも乱歩の『黒蜥蜴』を撮っていて、ケバケバしさを前面に押し出した演出をしていた。根っからエンタテインメントの人なのだ。
 刑事役で宮口二郎が出演している。兄弟競演ってあまり記憶になかったが。目をつぶって聞くと、確かに天知茂との区別がつかない。
 浪越警部役の荒井注も、佐野周二・西村晃もみな鬼籍。ああ……(T_T)。

 アダム・カバットの『大江戸化物図譜』を読む。
 豆腐小僧や大頭などの滑稽な妖怪ばかりを集めたものだが、圧巻は「大尻」。
 一人の遊女のことで揉めている二人の男。遊女が呪文を唱えると突然現れた大尻。「この尻の穴を覗いて見なさい。これは江戸っ子の尻だからとても広い(度胸があるの意)」。
 ……いや、そんな尻の化物を使って説教するような女とはさっさと別れたほうがいいと思うが。
 それはそれとして、「ケツの穴の狭いやつ」の語源はこれだったか。でも、現代「キミは尻の穴が広いねえ」と言っても誉め言葉には聞こえないよな。
 こういう話、塩浦嬢あたり好きそうだな。



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