無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2000年08月10日(木) トマトの罠/『太陽がいっぱい(リプリー)』(パトリシア・ハイスミス)ほか

 朝、寝床でウダウダと『アニメージュ』『ニュータイプ』を斜め読み。
 石森章太郎『人造人間キカイダー』、手塚治虫『メトロポリス』アニメ化のニュースに狂喜。
 『キカイダー』はこれまでの石森アニメの中で最も原作の絵柄に近い。過去の特撮は参考にせず、あくまで原作をベースにするもののよう。となるとアレが出るな? 幻のキカイダー、00(ダブルオー)・レイが!
 『メトロ』は脚本が大友克洋、作画監督が名倉靖博、監督がりんたろうという超強力メンバー。昨日天神東宝で見た予告編もほんの少しだがまた新たなアニメの革新を予感させるもの。ミッチィがあのレトロな絵柄を進化させたキャラデザインで登場! 背景CGもまるでデジタル臭くない!
 も、燃えるぜい!

 『リプリー』のパンフレットを見ていると、「原作でもリプリーはホモ」と書いてあり、自分の記憶と食い違っていたので、慌てて原作を猟る。
 よく読むと、リプリーは最初、「若い男に優しいおじさん」に養われていたりする。また、ディッキーの留守に部屋に入りこんでディッキーの服を「靴下まで」身につけたりしている。
 原作を読んだのは14才の頃。これらの描写の意味を理解するにはちょっと微妙な年齢。リプリーの「ボクはフェアリー(同性愛の俗語)じゃない」という台詞をそのまま受け取っていたのだなあ。純情かもしれんがバカだな。
 ああ、それで今までリプリーを演じた役者も、アラン・ドロンにデニス・ホッパーと……いや、考え過ぎか。

 昼、女房にスパゲッティーを作る。
 ミックスベジタブルを買い忘れていたので、トマトをみじん切りにして入れる。 すると女房が、
 「スパゲッティーにトマトって合うの?」
 ……ちょっと脱力するが、気を取り直して、
 「なんでスパゲッティーが赤いのか知ってるか?」
 更に女房、
 「ケチャップ!」
 ……怒りを抑えて、
 「そのケチャップは何でできてる?」
 女房、気色満面で、
 「トマト!」

 わかっとんなら聞くなあああ!

 夜、シネリーブル博多駅で『東海道四谷怪談』。
 映画終了後、人一倍怖がりの女房は「トイレについて来て」と頼む。
 もちろん断る。けっ。



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