あふりかくじらノート
あふりかくじら



 遠い海の向こうの。

わたしはよく、不義理をしてしまう。

どちらかというといつも義理堅すぎて真面目すぎて、勝手に苦労をしてしまう反面、ぽいと冷たくひとを裏切るところがある。

まぁ、仕方の無いことだと思って忘れるほうが、健康的かもしれないのでそうする。もっともうまく色んなことを忘れられたことがないが。

一方で、ひとに忘れられることはよくある。今回も、いちばん忙しいところに行かなかったから忘れられるし、わたしの労力に関しては礼すら言われないだろうな、なんて思ってしまう。
そういうこと、たくさんあったな。打ち上げに呼ばれない、なんて一度や二度ではない。
労力が報われたことが少ないのは、アピールが器用にできないから。

でも、仕事の質さえよければ、っていつも思ってしまう。
それだけでは、ほんとうはダメみたいだけど。


いつか、報われるのかな。


吉田篤弘のフィンガーボウルの話のつづき という短篇集に、6月の月放送局というラジオ局を、どこかの遠い島でたったひとりでやっている女性が出てくる。深夜のラジオでその静かな声を拾った旅する主人公は、彼女の居場所を探し当てて訪ねる。

この物語が、わたしはいちばん好き。


島の真ん中。
月が海面にぽっかりと浮かび、深夜の静かな声が電波に乗って飛ぶ。


小笠原の、夜の海の静かさを思い出した。
ほんとうに、愛すべき場所だと思った。


2008年02月21日(木)
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