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■ 市役所、美白、古い手紙。
炎天下、市役所というところに行く。 わたしが住んでいる街は、もちろんわたしにとって生まれ育ったところではない(そもそもそういう場所はないし)けれど、なんだかんだといって出たり入ったりで、つきあいは長くなり愛着もわいている。市民活動にも、何だか関心が出ている。
用事をひととおり済ませる。在外からの転入届や国民健康保険の手続き、在外選挙人登録証の返却など。しばらくどこへも出かけるつもりもないので、わたしはこの街で少しのあいだは落ち着こうと思う。 それでも、期限が切れてしまった赤いパスポート(これまでは緑だった)を再度申請に行くつもりではある。
お肌はいつも「白いわね」と言われるのだが、やはり三十路ということで少し真面目に手入れをしようと思い立ち、何となく美白の類の化粧品を購入。街をさ迷い歩いていた今日の午後に。
承っているNGOの翻訳の仕事はそっちのけに(やばい。誰かわたしを叱ってください)、徹底的部屋の片づけを何かにとりつかれたように進めている。 いま、古い手紙やら寄せ書きやらを、思いっきり「可燃物」のゴミ袋につっこんだ。すごい分量だ。 これらが燃えていく様子を漠然と想像する。
そしてわたしは今まで、手紙の類を捨てることができない人間だったはずだ。でも、何かわたしのなかにあった感情のようなものが壊れたか消えたかして、わたしは懐かしい、もう二度と会うことのない人たちのくれたきれいなはがきやら手紙やらを確かめもせずに捨てている。 昔住んでいたアパートのことや街のことがふっとよみがえっては消える。そう。いつも「人」ではなく「場所」なのだ。
でもそれも、もういい。
正直なところ。 彼に、会いたくてしかたがない。 優しい彼。わたしを思ってくれている彼。 気が狂いそうになるくらい、わたしはあの人のことばかり考えている。おつきあいしていた過去の二年半以上、毎日そうだったように。やはりあの彼は好きで好きでたまらない人なのだ。ただ、もうその場所へは戻れないというだけ。
いつの日になったら、結婚や出産、子育てというようなことばが、わたしの胸を残酷にえぐることがなくなるんだろう。こわばった微笑みをしなくてすむようになるのだろう。
それまでいったい、どれくらいたくさんの手紙を捨てなくてはならないのだろう。
2007年08月06日(月)
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