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■ Now Playing...
仕事も早々に切り上げて、日が沈む6時前には サンリッジのカルテックスに向かう。ひたすら、西へ西へと。
モザンビークにハリケーンが来ていて とても被害がひどい様子。 ジンバブエの隣の国。 ひとが40人は亡くなっているらしい。 家々も壊れ、流されて。 大きな緊急国際援助が動くだろう。
西のカルテックスはとても込んでいて、 ディーゼル車のカローラのわたしは 巨大なトラックにはさまれてディーゼル待ちの列に並ぶ。
たくさんの大きな雲が、日が沈む直前の藍色を浮かべ、 あちらからこちらへと信じられない速さで流れていく。 地球では、何かが乱れている。
途中で停電があり(停電・断水はこのところいつもよりひどい) 給油がストップするも、しばらく待てば電気も戻り再開。 結局待ち時間は一時間程度だったかな。
すっかり夜になり、今度は現在休暇中の同僚のフラットへ。 一ヶ月以上不在なので、フラットの鍵を預かっているのだが、 今日は用事があって、彼の部屋を訪ねた。 すっかり日が暮れてしまっていた。
そこは、古いが高級マンションで、とてもすてきな雰囲気。 わたしは彼のフラットがとても気に入っている。 (まぁ、自分の家も好きだけど) 何せ、6階(日本でいう7階)だけれど、眺めが良いのだ。
鍵を三つくらい開け、見慣れたそのフラットへ入った。 キッチンの電灯が壊れているのは知っていたので、 そこにある小さな電気スタンドにスイッチを入れる。
キッチンの大きな窓から見える、ハラレの夜景。 ビル街が見えて、わたしたちのオフィスもみえる。 マンションがいくつか見えて、明かりが灯っている。 金曜の夜、ハラレ。
わたしはいつも、ここへ遊びにくるときはこのキッチンが お気に入りだった。夜景がとてもきれいなのだ。
不意に、同僚がキッチンに立つ姿を思い出す。 お料理が上手な彼が、立っていたキッチン。 いつも戦争の後みたいに散らかしていたけど、味は一流だった。 わたしたちはよく、ごちそうになったあとの大量の洗い物を、 おしゃべりをしながら片付けていたっけ。
暗い夜、うつくしいハラレの輝きを見ながら、 わたしはこのフラットでひとり立っている。 主のいない誰かの家は、いつも淋しかったことを思い出した。 ほんとうに、しんとして淋しいのである。
とても静かで、でも彼の存在が微かに残っているようで。 彼がここでひとりで過ごす時間が残っているようで。 その不在が、心に沁みた。
もっとも、彼に会えないのもたった一ヵ月半くらいのものだし、 恋人でもあるまいしとは思うのだけれど、 毎日そばにいたひとがいないというのは、 それはそれで不思議な感覚である。
そしてわたしは、その不在の中にひとりで立っている。
その空気がわたしをすっかり取り込んでしまわないうちに、 逃げるようにして電気を消し、ドアをしっかり施錠し、 今度は今日旅から帰ってきたばかりの職場の人の家へ。 彼女とたくさんおしゃべりをしてから帰宅。 お届けものついで。
わたしは、わたしの存在感のある家の中で かたかたとPCのキーボードをたたいている。
いま、かかっている曲は、村治佳織のギター。
ほんとうに静かで満ち足りた、ギターの音。 この夜に、しっくりくる。
風が強い。 ハリケーンがやってくる。
2007年02月23日(金)
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