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■ 夜になり、思い出す。
何時間か、ひとりで誰とも言葉を交わさなくて仕事をしていて、そしてパソコンを閉じ、オフィスの電気を消して出る。 エンジンをかけて、いつもの道を走る。
暑い季節の夜の空気だ。 雨季がやっと始まって、すこし湿度が高い。濃い夜だ。
ほんとうにひとりきりの時間。 車の中って、不思議。色んなことを思い出して、ふと今週職場を去った同僚のことを思い出した。 もう会うことはないのかもしれないけれど、でもあのとき彼はあんなことをいったな、なんてことを心の中で思い出す。
わたしはわたしで、また自分の人生を送っていって車を運転するけれど、わたしがふと思い出す彼のことばとか、色んなひとのこととか、そういうものは他人とシェアできるものではない。
そしてわたしは、時間と場所を、また流れていくのである。 思い出すべき、思い出ともいえないような、ささやかな記憶を心の奥底に秘めたまま。
2006年10月04日(水)
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