ぽあろの文芸日記

2001年01月31日(水) 灯油缶

  夜ごとに軽くなりゆく灯油缶

前に住んでいたアパートほどではないにせよ、やはり夜は寒い。
不思議なくらい暖かい居間は炬燵さえあれば十分だが、
北向きの寝室では小ぶりの灯油ストーブが活躍する。
故郷にいた頃も、今と同じようなストーブを使っていた。
円筒型のストーブは、全面が暖かいのでお気に入りだった。
灯油を継ぎ足す作業も好きだった。
じわじわとポンプを通して灯油が流れていく感覚。
灯油缶の灯油がからになる頃、春がやってくる。

ストーブは暖房だけの働きではなかった。
天板でもちを焼いたり、芋を焼いたり。
ひと冬に一度くらい、上に鍋をのせて、小豆を煮てくれた。
ゆっくり、じっくり煮られた小豆の甘味が好きだった。
親戚がやってきて、みんなでストーブを丸く囲んで。
なんだかとっても暖かいときをすごせたものだ。

  ストーブの鍋煮詰まれる心浮く


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